リポート 満員御礼!所沢ジャズフェスティバル2017


所沢の夏の楽しみといえば、「所沢ジャズフェスティバル」!
こんな声が、今年は聞こえてきました。

今年(2017年)8月20日(日)に開催された
「所沢ジャズフェスティバル2017 ラテン&ジャズコンサート」をリポートします。

今年のステージの様子 有馬忍 東京ラティーノスのトランぺッター有馬 忍さんの熱演

 

今年で6回目を数えた「所沢ジャズフェスティバル2017」。実は、昨年あたりから、このコンサートのチケットをとるのが大変な状況になっています。
発売前から問い合わせが野老澤町造商店(愛称:まちぞう)に多数寄せられたほど。「質が高く、ライブ感あふれ、チケットが安い!」というのが巷の評判。所沢市民だけでなく、市外のジャズファンも待ち焦がれるコンサートに成長しました。ホールは350席。当日券10席だけを確保し、前売り券(2500円)は瞬く間に全席完売に!

 

今年の出演バンドは、一昨年、昨年と大好評だった「有馬忍と東京ラティーノス」、国内外でライブ活動を行いジャズ誌(スイングジャーナル)のギター部門の人気投票で30年以上トップ10入りしている「宮ノ内貴昭 クァルテット」、国内屈指の名トランぺッター藤本忍先生(所沢市元町の藤本忍音楽教室 代表)率いる社会人ビッグバンド「ビッグフェロージャズオーケストラ」。昔懐かしいラテン音楽とジャズ音楽、またコマーシャルでも馴染みのあるナンバーが披露され、満席350人の客席とステージが一体化し、最後には、観客も一緒にラテンのリズムで踊りだすという陽気なコンサートになりました。これぞ、まさにフェスティバル!

 

コンサート実行委員長にインタビュー

このジャズフェスティバルの立ち上げ時から実行委員長を務めてきた斎藤修さんにお話を伺いました。

コンサート実行委員会立ち上げから尽力を注いできた
「所沢ジャズフェスティバル2017」の斎藤修実行委員長
(創業明治23年印の老舗「斎藤印舗」社長)

 

Q:コンサート開催のきっかけを教えてください。

実行委員長:ジャズフェスティバルは、2010年に所沢まちづくりセンターの中央公民館ホールがオープンし、旧町の活性化のためにホールを活用しようということで始まった企画です。イベントの盛り上がりに対して、少し手狭になってきましたが、まちづくりと活性化のためのイベントですので、このホールで開催することに意味があります。

Q:音楽のジャンルがジャズになったいきさつを教えてください。

実行委員長:ホールのオープン当時から、JULEPS、ボニージャックス、邦楽三味線などの質の高いコンサートを行ってきました。そんな中、コンサート実行委員の三上博史さん(野老澤町造商店スタッフ)から、「所沢のジャズ文化を蘇らせては?」との発案があり、現在の恒例の企画に至りました。かつて所沢は「基地の町」でした。進駐軍が持ち込んだ「ジャズ」の文化が誕生し、歴史があります。1965年に所沢駅前にジャズ喫茶「スワン」(現在は、新所沢駅近くに移転し「ジャズハウススワン」として続いています)ができ、所沢でジャズ音楽が盛んな時代がありました。


所沢ジャズフェスティバルの事務局、野老澤町造商店の榊原美和店長(左)と実行委員長の斎藤 修さん(右)

 

Q:ジャズフェスティバルの時期は、「ソラバル」と銀座商店街の「わくわくトコ夏ランド」の街のお祭りと同時開催ですが・・・。

実行委員長:いずれのお祭りも街の活性化を目指したものですので、同時開催できるよう合わせています。ジャズフェスティバルは、第2回から、街バル(飲み歩き食べ歩きイベント)と合体し「所沢JAZZバル」という名称で開催。第3回からは、「ソラバル&ジャズフェスティバル」、その後分離し、ソラバルは、「所沢ソラバル」と名称を変え、所沢まちなか音楽祭と合体し、金曜~日曜の3日間開催。元町で行う「わくわくトコ夏ランド」と「所沢ジャズフェスティバル」はその3日目の開催となり、夏の3日間、所沢駅から元町までの市街地で盛り上がる立体的な夏のイベントとなりました。


コンサート前の実行委員の最終ミーティングの様子

 

Q:会場の座席番号が手作りですね。

実行委員長:中央公民館ホールの座席には、座席ナンバーがありませんので、自由席でチケットを発売していました。しかし、自由席となると、よりよい席を確保しようと、開場前から長い行列ができます。暑い中、並んでいただくのはとても大変なことですので、昨年からスタッフの手作りで座席番号のプレートを付けるようにしました。350席ものプレート付けは大変ですが、お客さんが開場前に並ぶ必要がないので、こちら側の運営もスムーズになりました。


手作り座席番号がついた座席


コンサート前のリハーサル風景。音響や照明などの念入りな調整が行われていました

 

Q:来年以降の目標を教えてください。

実行委員長:毎年ジャズフェスティバルの前日に「プロプレイヤーが教えるジャズクリニック」を開催しているので、その企画の充実も図りたいですね。
クリニックは、所沢にプロのプレイヤーが来てくれる機会を利用して、若い人を育成していく意味で、ジャズに触れる機会を増やそうとはじめました。
対象は、管楽器演奏に経験がある所沢市内に在住・在学・在勤の小中高大生と一般の人。事前申込制でレッスンは無料で受講できます。このイベントもまだ広くは周知されていないようなので、来年は広報活動にも力を入れようと思っています。
市内で管楽器をやっている中高生は多いですが、ジャズ音楽の演奏体験している人は少なく、参加者からは、ジャズのリズムが新鮮で参加できてよかったと好評です。また、ステージ体験をしてもらうために、クリニックの参加者の無料コンサート開くことができればとも考えています。

 

 

 
「プロプレイヤーが教えるジャズクリニック」の様子

 

※本物のジャズ音楽に触れる機会になり、人材育成のための意味も込められている「ジャズクリニック」の講師への謝礼は、チケットの収益金から賄われているそうです。
斎藤 修 実行委員長、お忙しい中、取材させていただきありがとうございました。

市民の手によって、所沢の歴史を引き継ぎ、呼び起こし、そして新たな所沢文化の創生が行われている「まちづくり」。今年のジャズフェスティバルで、また新たなジャズファンが増えたようです。来年の開催も楽しみです。

 

「所沢ジャズフェスティバル」のお問い合わせ

所沢ジャズフェスティバル実行委員会事務局
04-2928-1453(野老澤町造商店:愛称まちぞう)
住所 所沢市元町21の18


この記事を書いた人

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成田 知栄子 Chieko Narita

ラジオ、テレビでの取材活動を経てフリーになり、ライターに転職。情報は「人と人とを繋げ、生活をより豊かにする」をポリシーに活動しています。記事情報が、誰かの何かにお役に立ちますように…。

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