アジアパラ競技大会 日本代表地元3選手を激励


所沢市がアジアパラ競技大会出場選手を激励
「メダル持って帰ります!」

「インドネシア2018アジアパラ競技大会 出場選手激励会」が9月13日所沢市役所1階市民ホールで開催されました。

同大会は、インドネシアのジャカルタで10月6日~13日の日程で開催されるもので、日本代表選手として、所沢市在住の小倉理恵 選手(車いすバドミントン)、田口侑治 選手(ゴールボール)、田中愛美 選手(車いすテニス)が出場します。


▲左から 小倉理恵 選手、大舘勉 所沢副市長、田口侑治 選手、田中愛美 選手

 

激励会は、市民や職員100名余りが集まる中、3選手に市の職員がインタビュー。競技の魅力、大会への意気込みを語ったほか、プライベートな質問にも応じました。

◆母親の顔をのぞかせた小倉選手 ~選手と母親の二足のわらじ~

小倉 理恵(おぐらりえ)選手 (車いすバドミントン/ブリヂストン所属)

所沢市在住。1986年 埼玉県熊谷市に生まれ、下半身が拘縮する病「先天性多発証関節拘縮症」と診断される。高校生の時、月1~2回のレクリエーションがきっかけで競技をスタート。その後、結婚、出産を経て、2011年本格的に競技として再開。2014年 日本選手権シングルス1位・アジアパラリンピック出場。2018年ブラジル国際大会 車いすWH2女子シングルス優勝・車いすWH1-2女子ダブルス優勝。

【小倉選手の激励会インタビューより】

普段のトレーニングは、平日は勤務先の体育館でコーチとマンツーマンの強化練習を行っていますが、土日は、所沢の「子どもと福祉の未来館」を使わせていただき、車いすバドミントンをしている仲間と練習しています。練習時は、バドミントンコートの中をいかに速く動けるか、何回も何回も繰り返します。

普段は、外食する時間がありませんが、土日などの休みの日は、新所沢の駅前の「餃子の満州」がお気に入りで良く行きますね。「レバニラ定食」をよく注文するのですが、たんぱく質が多いメニューなので、これ食べれば筋肉になるかなとか思って。

子どもは、小5の息子と小3の娘がいるんですが、夏休みの宿題は大変でした。下の娘は計画通りやっていくタイプなんですが、上の男の子が口ではやったと言っていたんですが、実際、見てみると、全然やっていなくて…。読書感想文は、夏休みの最後の日に本を読むことから始まり、本来なら9時までに寝かしたいんですが、11時くらいまでかかりましたね。滑り込みで終わりました。

普段、遠征もあり家にいれる時間が短いので、その中で家族とのコミュニケーションは大切にしています。例えば一緒に車に乗っていても、無言になる時間が少なくなるよう、子どもには積極的に話しかけ、密にコミュニケーションを取るよう心掛けています。大会の期間中は、長く家を空けるので、子どもの食事などが心配ですが、夫のサポートのお陰で大会に集中できるので、感謝しています。

車いすバドミントンについては、バドミントン自体が、駆け引きが楽しい競技です。例えば、大きく後ろに飛ばすように見せかけて前に落とすとか。車いすバドミントンは、そういった駆け引きの魅力はそのままで、そのうえで片手にラケットを持ち、車いすを操作しながら行う競技です。いかに速く思った場所に移動して、その駆け引きを行うかが「車いすバドミントン」の魅力なのだと思います。

 

◆メダルの色にこだわり臨む田口選手
~新婚生活を聞かれて「はい。幸せです」~

田口 侑治(たぐち ゆうじ)選手(ゴールボール/リーフラス株式会社所属)

所沢市在住。1991年広島県で生まれ、網膜色素変性症と診断される。幼いころから剣道を習い、現在、剣道3段の腕前を持つ。調理師学校を卒業し、調理師として勤務。2014年、国立リハビリテーションセンターに入学し、ゴールボールと出会う。2017年、リーフラス株式会社に入社。マルモインターカップ出場、同年、アジアパシフィック選手権で銅メダルを獲得。今年結婚。

【田口選手の激励会インタビューより】

所沢市で行っている、ゴールボール体験会の講師として参加し、小学校を回ることもありますが、小学生からは、予期しない質問や行動があるので、逆に発見があったりして、勉強になることが多いです。

ゴールボールの魅力は、ボールの緩急で駆け引きを行うことも魅力の1つですが、視覚情報がないので、音に頼って、コミュニケーションしてチームプレーを行いながら、ゴールを決めることができるので、それも魅力です。

 

◆パワープレーで魅せる田中愛美選手
~車いすに所沢市のステッカーを付けて~

田中 愛美(たなか まなみ)選手(車いすテニス/ブリヂストンスポーツアリーナ所属)

所沢市在住。1996年生まれ。中学入学後、硬式テニス部に入部。高校1年の時、ケガをして入院。車いす生活になる、退院と同時に車いすテニスに取り組む。

2017年の戦歴は、ニュージーランドオープン シングルス優勝、北九州オープン シングルス優勝 ダブルス優勝、ダンロップ神戸オープン シングルス準優勝 ダブルス優勝、Daegu オープン ダブルス優勝。

【田中選手の激励会インタビューより】

車いすテニスが健常者テニスと違うところは、2バウンドまで認められるルールがあるところです。私の集中力を保つ秘訣は、あまりお腹を減らさないこと。試合中でもおにぎりを食べます。バナナで栄養補給をしている人が多いと思いますが、私はお米が大好きで一番体力が持つなと思っているので、朝昼晩、海外遠征に行った時でもお米を食べますし、試合中も長くなりそうだと思う時は、食べたりすることもあります。

大坂なおみ選手や錦織圭選手の活躍はすばらしいですね。グランドスラムで優勝するって、本当に難しいことなんですよ。今回の全米オープンには、車いすテニスから男子では国枝慎吾選手が、女子では上地結衣選手がそれぞれ準優勝しています。私自身もがんばらなくては。グランドスラムの大会に出ることに意義のあることなので、出場したいなとますます想いが強くなっています。

所沢市のステッカーを車いすにつけて行きます。これは、私が車いすテニスをはじめたばかりのころから、地元の方たちに応援していただいて、練習環境を整えることにも協力していただきましたので、その恩返しが少しでもできればという思いでステッカーを貼って遠征試合に出向いています。

錦織選手、大坂選手の活躍があり、健常の方のパワフルなプレーが注目されていますが、車いすも近年、パワーテニスで上位に行くプレイヤーがたくさんいます。車いすとはいえ、ものすごい速いスピードで走って、ものすごい強いパワーで打つ、もう本当に健常者を変わらないくらいスピードの球の打ち合いをやっているので、車いすテニスのパワーテニスの魅力を感じて楽しんでもらいたいです。

◆大会に向けて抱負

小倉理恵 選手
車いすバトミントンは、アジア圏がとても強い選手が多くて、厳しい大会になると思いますが、その中でもメダルを持ち帰ってこれるようにがんばりたいと思います。
所沢のみなさんからは、会った時、いつも声をかけてもらったりしてとても嬉しいです。皆さんから応援してもらっていることを励みに、頑張ってきますので、応援よろしくお願いします。

田口侑治 選手
今回の大会で金メダルを目指したいです。2020年に向けて、メダルを取るにしても色にこだわってやっていきたいと思います。所沢では、体験会や国リハでもサポートしていただいているので、メダルを持ち帰りしっかり恩返ししたいです。

田中愛美 選手
アジアパラ競技大会は初めての出場になりますが、金メダルを目指してがんばります。
町で会った時、声をかけてくださってありがとうございます。たくさんの人たちに応援してもらっているんだなといつも感謝しています。今回もアジアパラでもいい所を見せられるようにがんばってきますので、応援よろしくお願いします。

取材:2018年9月13日 成田知栄子


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