「秋月 小寺人形」の伝統工芸士 絆をつなぐ帯のリメイクひな人形


「秋月 小寺人形」の伝統工芸士
絆をつなぐ帯のリメイクひな人形

埼玉県伝統工芸士に認定されている小寺香さんは、〝人形のまち所沢〟の誇りと伝統と技術を守りつづけています。小寺さんが思い出の帯や着物をひな人形にリメイクする技術を発案してはじまったサービスは、口コミで大人気になり、全国から依頼が多く寄せられています。

2020年9月取材


▲埼玉県伝統工芸士 所沢人形 小寺香さん

伝統と技術を守り続ける
270におよぶパーツをすべて作業で

「秋月 小寺人形」は、創業 1972(昭和2)年から続く、ひな人形職人の店。
店主の小寺香さんは、初代の父親の後を継ぎ、〝人形のまち所沢〟の誇りと技術と伝統を守り続けています。

1994(平成 6)年には、埼玉県伝統工芸士に認定されるなど、小寺さんの優れた技術はお墨付き。
日本の伝統工芸品であるひな人形でさえも、海外の工場生産が主流になり、職人が激減している昨今ですが、小寺さんは、270 あまりにおよぶパーツを組み合わせ、ひとりですべての工程を一貫して手作業で一体一体仕上げています。毎年 12 月になると、店内には新作の「ひな人形」がずらりと並び、華やぎます。

通信販売では、さまざまなタイプの「ひな人形」をはじめ、お正月の縁起飾りの「羽子板」や「破魔弓」、端午の節句の「五月人形」や「こいのぼり」を販売しているほか、ひな人形の修理やオーダーメイド、思い出の帯や着物をリメイクするオリジナルひな人形の制作も行っています。

 

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これまで1000組以上制作
帯のリメイクで世代の絆をつなぐサービスが好評

▲帯をリメイクして作り上げていきます

 

小寺香さんの技術が、たびたびメディアで取り上げられていますが、中でも注目が集まっているのが、思い出の帯をリメイクし、オリジナルひな人形を制作するサービス。

「機械生産にはできない、職人技が生きたひな人形作りを」と、小寺さんが 1989 年に帯や着物をひな人形にリメイクする技術を発案しました。

小寺さんの作品は、正面・後ろ・横、どの角度からみても、人形の衣装の柄が左右対称で、柄のつながりが完璧そのもの。帯の美しさが一層引き立つひな人形に出来上がっています。

 

▲帯・着物をリメイクした雛人形

 

小寺さんによると、帯の作者のイメージと、帯を使っていた人のイメージが保てるように、人形の衣装に使う柄の位置決め作業が一番難しく時間もかかるそうで、この作業は「人形職人だからできる技の1つ」と話します。

「娘が成人式で使った帯で作ってほしい」「母からもらった大切な帯を娘に繋げたい」など、思い出や事情のある帯や着物が小寺さんのところに寄せられ、これまでの制作数は 1000 組以上。ひな人形の伝統工
芸士の技術が、依頼者の心に寄り添い、家族や世代の絆をつなげています。

年々、材料費が高騰していているものの、依頼者の喜びの声を励みに、この 30 余年ほぼ価格は据え置きのまま。
着物リメイクのひな人形は 1 組 55,000 円(税別)から。
これまでの作品は、小寺人形のホームページやインスタグラムで見ることができます。

ホームページ https://www.koderaningyo.com/hina/original/
インスタグラム https://www.instagram.com/koderaningyo/

過去の取材関連記事 https://tokorozawanavi.com/evnt-narita20210302/

取材:2020 年 9 月 成田知栄子


 

秋月・小寺人形

営業時間:8:00~20:00
定休日:10月1日~5月5日は無休(それ以外の期間は不定休)
住所:埼玉県所沢市北秋津731
(所沢駅東口より徒歩3分)
TEL:04-2992-1444


この記事を書いた人

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成田 知栄子 Chieko Narita

ラジオ、テレビでの取材活動を経てフリーになり、ライターに転職。情報は「人と人とを繋げ、生活をより豊かにする」をポリシーに活動しています。記事情報が、誰かの何かにお役に立ちますように…。

頂いた応援メッセージ

思い出深いお着物が職人さんによる丁寧な作業で雛人形に変身するってすばらしいアイデアですね。特別な家宝になりますね。
2020-10-12 15:09:18

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