「トトロの森はみんなのもの!第3弾」  ~トトロの森に車椅子で行ってみました【比良の丘編】~


  車椅子でトトロの森に行ってみようという本企画ですが、第1弾でトトロの森1号地周辺、第2弾で八国山周辺を所沢市議会議員の斎藤由紀(さいとうゆき)さんに協力いただき散策してきました。今回その第3弾として、所沢で最も標高が高い丘といわれている「比良の丘(ひらのおか)」とその周辺を周ってきました。
 

 

取材日:2026年4月11日 ボランティアライターじん

 


【もくじ】
(1)  「トトロの森はみんなのもの」について
(2)  緑の森博物館へ
(3)  糀谷八幡湿地
(4)  比良の丘へ
(5)  丘を下り金仙寺へ
(6)  メッセージ

(1)  「トトロの森はみんなのもの」について

  今回散策するのは比良の丘周辺にしました。そして、今回で一旦この「トトロの森に車椅子で行ってみました」シリーズは完結とします。「トトロの森」は(公財)トトロのふるさと基金さんが寄付をもとに購入し管理している森になります。狭山丘陵全体には66ヶ所(取材時)のトトロの森があるのですが、どうしても車椅子では行けない場所もあります。でもこのシリーズにおいて、車椅子でもトトロの森に行ける可能性を示せたこと、トトロの森を知ってもらうきっかけが作れたのではないかと思っています。今回も、所沢市議会で活躍する斎藤由紀(さいとうゆき)議員(以下親しみを込めて「斎藤さん」と表記させていただきます)にご協力いただき取材しました。
  「バリアフリーハイキングルート」を紹介することで、広くたくさんの方にこんな散策方法もあるよと知ってもらえたらうれしいです。車椅子だけでなくベビーカー使用者の方にも役立てられたらと思います。参考にできるように記事の最後に簡単な地図を添付します。途中出てくる番号はだいたいの位置を対比できるようにしております。
  今回も、現在所沢市を題材に地域活動などを勉強している大学生の平本陽菜(ひらもとはるな)さん(以下「陽菜さん」と表記)にアシスタントを依頼しました。
 

▲斎藤由紀さんとアシスタントの平本陽菜さん。
 
  なお取材は自動車や通行人などの邪魔にならないように細心の注意を払って実施しました。いつものメンバーで自然を満喫し、おしゃべりしながら春の狭山丘陵を満喫してきました。

(2)  緑の森博物館へ

  今回の散策のスタートは西武バスの「荻原(おぎわら)」バス停です。小手指駅南口バス停から「宮寺西」行きもしくは「金子駅入口」行きのバスに乗車すると到着します。ここは入間市宮寺地区です。入間市からスタートして所沢市に戻ってくるルートを設定しました。
  荻原バス停から少し歩くと「西勝院(さいしょういん)」に着きます。参拝したあと境内の奥にいくとこんもりした土の盛り上がりがありました。実はこれ土塁なんです。この場所ですが中世の城跡になります。この地区に勢力をもった宮寺氏の館跡にこの寺院は建てられてます。
 

▲左上:荻原バス停① 右:西勝院②本堂 左下:看板の奥が宮寺氏館跡の土塁になります。
 
  西勝院を後にして緑の森博物館の案内所③に向かいます。緑の森博物館は正式名称を「地球をやさしく包むカネパッケージみどりの森博物館」といいます。略称は「カネパ緑森」もしくは「カネパ緑の森博物館」です。カネパッケージ株式会社とのネーミングライツ契約により、2025年10月より名称が変更になりました(以下「カネパ緑の森博物館」と表記します)。
  カネパ緑の森博物館は埼玉県の施設ですが、指定管理者により運営されております。2026年4月1日より指定管理者が石坂産業株式会社に変更になりました。取材日は変更になってから間もないときでしたが、案内所の担当の方から丁寧に施設について説明いただけました。カネパ緑の森博物館は、「自然を展示物」とした博物館です。案内所とその周辺はバリアフリー設計になっていますので、展示物や隣接する水鳥の池を堪能することができました。
 

▲左上:案内所カウンター 左下:展示物 右上:水鳥の池を望む 右下:トトロの森30号地
 
  カネパ緑の森博物館案内所を後にして、未舗装道路を進むとトトロの森30号地④の看板が見えてきました。今日最初のトトロの森は、入間市では唯一のトトロの森になります。今回もトトロの森をたくさん巡って行こうと思います。

(3)  糀谷八幡湿地

  トトロの森30号地の先で舗装道路に変わり、しばらく住宅地と畑などが混在する道を進んでいきます。途中入間市から所沢市に入りました。道の先に森となにやら開けた場所が見えてきました。糀谷八幡神社(糀谷八幡宮)と糀谷八幡湿地になります。まずは糀谷八幡神社⑤に向かいました。取材日は御朱印の頒布日にあたっており斎藤さんは御朱印を戴きました。
 

 
  糀谷八幡湿地⑥に向かいます。まず出迎えてくれるのはこの湿地のシンボルのトコロちゃん。斎藤さん一緒に記念撮影です。その脇にはアートなベンチ「バイクベンチ」が設置されております。ここで斎藤さん、車椅子をバイクベンチに寄せたと思うと、ひょいっとベンチにまたがりました。車椅子以外の斎藤さんを拝見するのははじめてでびっくり。田んぼが広がる里山の風景を前に満面の笑みの斎藤さんでした。
 

▲左上:トコロちゃんと一緒 中央・右上:バイクベンチ 左下:糀谷八幡湿地を望む 右下:奥の池
 
  こうなると僕らも頑張らないといけません。田んぼの脇の未舗装路を車椅子を押して進みました。湿地の奥にある水源「奥の池」まで斎藤さんを案内しました。初夏にはこの場所に蛍が舞うことを説明させていただきました。

(4)  比良の丘へ

  糀谷八幡湿地を後にして、一般道を進んでいきます。途中右折し、車椅子の幅くらいの細い舗装道路を進んでいくと赤い鳥居が見えてきました。山之神神社の入口⑦です。山之神神社は小高い丘の上にあります。この参道を登ったところが本殿、そしてその先が比良の丘になります。急坂と階段なので車椅子で直接登ることはできません。
  「でもね斎藤さん。ちゃんと登れるルートありますよ。ご安心ください」
鳥居を過ぎ、そのまま舗装道路を進んでいくとトトロの森13号地⑧があります。ここは3月中旬から下旬頃に斜面いっぱいにカタクリが咲きます。残念ながら取材日は見頃を過ぎていましたので、3月に同場所で撮影したカタクリの写真添付しますね。
 

▲左上:山之神神社への道  右上:山之神神社鳥居 左下:トトロの森13号地 右下:カタクリ(3/28撮影)
 
  トトロの森13号地を後にして、いよいよ比良の丘に向けて登っていきます。所沢市で一番標高が高いといわれている丘ですから当然上り坂です。丘に登るルートはいくつかあり、その中から舗装道路を選びましたがなかなかの急坂です。ここは陽菜さんに代わってじんが車椅子を押していきました。坂道を登り切ったところにあるのがトトロの森49号地⑨です。今回はトトロの森30号地→13号地→49号地と3か所のトトロの森に訪れることができました。
 

▲:左上:比良の丘に向かう坂道(撮影:陽菜さん)右上:トトロの森49号地 下:比良の丘の風景
 
  比良の丘のてっぺんを目指して更に進みます。街を見下ろしたり、丘陵を見渡せたり、高原のような風景が続いています。
  比良の丘のシンボルツリーのウワミズザクラが見えてきました。そこが比良の丘の頂上⑩になります。ここまで来たら斎藤さんにてっぺんを極めてもらうしかありません。舗装道路から頂上まで渾身の力で陽菜さんが車椅子を押しました。よくやった陽菜さん!
 

 
  そしてついに我々は所沢の頂点に立ちました!
  冒頭の写真はここからの風景です。力を合わせて車椅子で比良の丘を制覇しました。
  比良の丘の風景を堪能した後、頂上からおりて舗装道路を進むと左側になにやら看板のようなものがたくさん立っていました⑪。これは「アートなトコロザワ推進事業」における「Hill Top Pop-Up」という作品とのことです。ここ数年夏にはひまわりが咲く場所に、アート作品が立ち並んでいる姿を拝むことができました。
先程登った頂上部の裏手に周っていき舗装道路の終着までつくと、神社の裏手が見えます。ここは先程訪れた山之神神社の本殿の裏⑫になります。先程登れなかった鳥居の先の急坂と階段の先にぐるっと周ってたどり着きました。
  「ね。斎藤さん。ちゃんと来られたでしょ。ずいぶん遠回りしたけど。」
  しかし、ちょっと登り過ぎて下り階段が行く手を阻んでいます。ここで陽菜さんがスマートフォン片手に一人で境内に入っていきました。本殿とその周りをスマートフォンで撮影して斎藤さんに見せてくれました。さすがの機転と文明の利器です。映画となりのトトロを彷彿とさせるような神社の雰囲気を斎藤さんにお伝えすることができました。
 

▲左上:アートなトコロザワ作品 右上:山之神神社の裏手 下:陽菜さん撮影の山之神神社境内(一番右の写真に斎藤さんと僕が映ってるのわかりますか?)

(5)  丘をあとに金仙寺へ

  比良の丘と山之神神社とを堪能してしばらく来た道を戻っていると、「ケーン!」と鳥の鳴き声が聞こえてきました。目を凝らしてみると遠くの畑に雉(キジ)の雄が見えました。写真ではほとんど写っていませんが肉眼でははっきり見えて、僕らを歓迎してくれているようでした。
  丘の舗装道路をゆっくり下りながら、パステルカラーの花々と新緑のコントラストが美しい風景を堪能しました。途中、竹が混ざった雑木林の中にトトロの森18号地⑬がありますので、遠くからその場所を眺めました。
  その先に見えてきたのは金仙寺⑭です。樹齢約150年といわれる枝垂れ桜で有名です。取材日は残念ながら葉桜になってしまっていましたが、その大きさに圧倒されました。3月に撮影した枝垂れ桜の写真添付しておきますね。
 

▲左上:雉を眺める斎藤さん 左下:後方の森の中にトトロの森18号地 中央下・右下:金仙寺 右上:枝垂れ桜(3/29撮影)
 
  ここから金仙寺の前の急坂を下り、雀の声を聞き三ヶ島の風景を堪能しながら「早稲田大学」バス停⑮まで歩き、そこから西武バスに乗って小手指駅に向かいました。
  お昼頃スタートして半日たっぷり狭山丘陵を散策し、帰る頃には陽が傾いていました。体力は使いましたが清々しい春の一日を堪能しました。

(6) メッセージ

じん:斎藤さん今日散策してみての感想を伺ってもよろしいですか?
斎藤さん:「トトロの森はみんなのもの!」第1弾・第2弾に続き、第3弾企画にもお声がけいただき、本当にありがとうございました。
  今回は、トトロの森30号地からスタートし、カネパ緑の森博物館、比良の丘、トトロの森13号地など、たくさんの場所を巡らせていただきました。
  今回も、じんさん、陽菜さんにサポートしていただき、無事に回ることができました。改めて、本当にありがとうございました。
  4月とは思えないほど暖かく、少し汗ばむくらいの陽気の中、気持ちのよい散策日和となりました。
  カネパ緑の森博物館では、「車椅子で入れるんだ!」と驚くとともに、森そのものが博物館であるというお話を伺い、とても印象に残りました。年中行事も盛んに行われており、自然の中で学べる、とても素敵な場所だと感じました。
  そして、トトロの森の風景も実際に見ることができて、「また少しトトロに近づけたかな」と、そんな気持ちになりました。
  今回のルートは、未舗装の道と舗装された道をうまく組み合わせてくださり、車椅子でも進める工夫がたくさんされていて、とても嬉しかったです。
  比良の丘では、所沢市内で一番高いといわれている丘の頂上まで連れて行っていただきました。澄んだ空気ときれいな景色に包まれて、とても気持ちのよい時間でした。途中の急な坂では、じんさんと陽菜さんに交代で車椅子を押していただき、本当に助けていただきました。
  一人では難しい道も、誰かの力を借りることで進める。そんな大切なことを、改めて実感した時間でもありました。
  また、「アートなトコロザワ推進事業」についても、これまで議会で話を聞いていましたが、実際に現地を訪れるのは今回が初めてで、とても新鮮でした。アートベンチに実際に座ることもできて、良い体験となりました。
  車椅子から降りて実際に乗れた経験は私にとっても大きなものです。
 
  今回で「トトロの森はみんなのもの!」シリーズは一区切りとなります。
  2025年から始まったこのシリーズを通して、本当に多くの方から反響をいただきました。「励まされた」「元気をもらえた」といったお言葉をいただき、とても嬉しく、続けてきてよかったと感じています。
  まだまだバリアフリーが行き届いていない場所はたくさんありますが、工夫したり、周りの方の力を借りたりすることで、行ける場所は広がっていくのだと実感しました。
  最初から諦めるのではなく、「やってみる」ことの大切さを、私自身も改めて学ぶことができました。
  これからも、バリアフリーのこと、自然の魅力について、少しずつ発信を続けていきたいと思います。所沢には、まだまだ知らない素敵な場所がたくさんあります。
「誰もが住みやすいまち」に少しでも近づけるよう、これからも取り組んでまいります。
  最後に、ご協力いただいたじんさん、陽菜さん、本当にありがとうございました。
また、ぜひ!ご一緒できたらとても嬉しいです。

 
じん:斎藤さん、ありがとうございます。3回に渡って貴重なお時間を頂戴して恐縮です。斎藤さんあってのこの企画でした。本当にお世話になりました。
 

 
じん:陽菜さんアシスタントお疲れ様でした。同じく感想伺ってもよろしいですか?
陽菜さん: 今回もアシスタントを務めさせていただきました。
  今回は前回以上にお天気に恵まれ、絶好のおさんぽ日和を楽しむことができました。
  車椅子でも行ける道を選んだことで、普段は通らない道を歩くことができ、新鮮な気分を味わうことができました。
  実は…事前のルート設定をじんさんから相談を受けていたのですが、車椅子で行くには無謀な道を選んでいる箇所があったので、私が全力で止めたなんてこともありました。
  今回でこの企画は最後ということで寂しいですが、とても貴重な経験をさせていただけたことに感謝申し上げます。

 
じん:いや~今思えばあの道は無謀だったね。理性担当、助かりました。本当にお世話になりました。
 
  お二人とも素敵なコメント、素晴らしい時間をありがとうございました。
記事中で巡っただいたいの場所を以下に示します。
 

 
  僕ら3人の再びのチャレンジはお楽しみいただけましたでしょうか。僕らのトトロの森に行ってみるちいさな旅は一旦ここで区切りをつけます。
  でもね。きっとどこかでお目にかかる機会もあるかと思います。ひょっとしたらまたチーム組んで何かをするかもしれません。僕らの挑戦が終わるとき、きっとそこには素晴らしい世界が広がっていることでしょう。


 
  トトロの森はみんなのもの
  心と身体のバリアフリーにつながりますように
  僕らは信じ走り続けます。
 
協力:斎藤由紀さん(所沢市議会議員)
平本陽菜さん(大正大学地域創生学部地域創生学科在学中)
 
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