誰もが安心して外出できる街に!駅ボランティア体験会リポート
「大丈夫ですか?」「何かお手伝いしましょうか?」
この一言の声かけで、誰もが笑顔で心地よい〝所沢のまち〟になれるかもしれません。
誰もが利用する公共の場、駅でこんな声かけの光景は素敵ですね。
あなたの「声かけ」が、駅や車内を快適にする。のキャッチフレーズで
ちょっとした気づきがあれば「ひと声」かける。
「みんなで支えあおう 声かけサポート運動」
が全国に広がっています。
もちろん、所沢市民の足となっている西武鉄道の駅でも。
今年度の「声かけサポート」運動強化キャンペーン期間は 2017年9月19日~11月19日。
◆「駅ボランティア」体験会に参加リポート
国土交通省関東運輸局、所沢市と西武鉄道が9月29日と30日、所沢市役所8階および航空公園駅で開催した「駅ボランティア」体験会に「所沢なび」リポーター成田知栄子が参加してきました!
この「駅ボランティア」は2004年度から、国土交通省関東運輸局、所沢市、西武鉄道の三者が連携して開始し、毎年この時期に受講者を募集して開催しているものです。
体験会は約3時間半。声かけの重要性や基本的なサポートの仕方のほか、障がいを持った方の経験談やアドバイスを聞くことができました。
<まずは、講義編!>
主催者あいさつ(所沢市市民部交通安全課長 田中政美 氏)
来賓あいさつ(国土交通省関東運輸局消費者行政・情報課長 笠間雅弘 氏)
講話 ボランティアとは(ボランティア団体より)
車いす利用者のアドバイス
・「大丈夫ですか?」の声かけは安心できる
・後ろからではなく、車いすの人が見える前方から声をかけてもらえると嬉しい
聴覚障がい者からのアドバイス
・車内放送や構内アナウンスが聞こえないので、電車が事故などで止まった時に状況把握ができないので不安になる
・手話ができなくても、恐れないで話しかけて欲しい。聴覚障がい者の中には、口の動きで話している内容が理解できる読唇術(とくしんじゅつ)を身に付けている人もいるので、まずはゆっくり話しかけてみて欲しい
・筆談で対応してもらえると嬉しい
視覚障がい者からのアドバイス
・視覚障がいの程度もさまざまであることを知って欲しい。弱視の人、視野が狭い人、全盲の人などさまざま。見え方がそれぞれ違うので「危ない」「困っている」と気づいたら声をかけて欲しい。
・訓練を積んで慣れていても、電車の乗り降りの時が一番緊張するもの
<いよいよ、実践編!>
基本的なサポートの仕方レクチャーの様子
車いすへの座らせるときのサポート法や段差のある場所での車いすの押し方などを学びました。車いすの押し方のコツをわかっていると、サポートが必要な方を見かけたときに声かけもしやすくなります。
参加者が2人1組で車いす体験!市役所から航空公園駅まで、車いすを押しながら移動サポートの仕方を練習しました。
構内でのエレベータに乗り降りする際のサポートの仕方を練習
方向転換させるには意外にもコツが必要です。
参加者が2人1組で、1人が目隠しで白杖体験、
もう1人がとサポートの仕方を練習(階段の上りで)
階段の下りの誘導の仕方も練習
目隠ししての階段の上り下りは、声でもしっかり誘導しないと、目隠しをしている方は不安になり怖いものだということが分かりました。
誘導する方も、頭でわかってはいるつもりでも、実際に誘導してみるといいタイミングでの案内が難しいものです。1つ1つの動作の声での案内や確認も、お互いを確かめ合う上で必要だと感じました。
●「お手伝い必要ですか?」と声をかける
● 自分の名前を言って「どこに行かれますか?」と行き先を聞く
● ひじの上部分(相手が背が高い場合は、肩)をつかんでもらい、半歩前に歩く形で誘導する
● 階段や段差があるときは、「あと1メートル(あと3歩)くらいで段差を上がります(下がります)」や「あと3段で登り階段(下り階段)はおしまいです」「右(左)に曲がります」と声で1つ1つ事前に行動を伝える
この「駅ボランティア」体験会は、開始から今年度で14年目。
年1回(2日間開催し、参加者はどちらか1日に参加)の募集で
過去の受講者は、延べ2000名を超えており、今回の参加者合計は、64名。
今回初めて参加の「駅ボランティア」が52名も誕生しました!
所沢駅、航空公園駅、新所沢駅、秋津駅、西所沢駅、小手指駅、狭山ヶ丘駅、下山口駅、西武球場前駅の9駅で「駅ボランティア」として活動することができます。
受講後は下記の「駅ボランティア証」が参加者全員に手渡されました。
~所沢市交通安全課から~
今年度の新規「駅ボランティア」登録者を含め、現在駅ボランティアに登録していただいている方を対象に、「気配り・支え合い」の実践を通じたバリアフリー意識の更なる向上やスキルアップの機会として、「駅ボランティア・フォローアップ研修」を2018年3月に実施する予定です。
内容は手話技術講座等を行い、より実践的な内容となっております。駅ボランティアの皆さまに受講していただければと思います。案内はまた後日発送します。
◆日本有数の設備のリハビリ施設
所沢市には、全国でも有数の「国立障害者リハビリテーションセンター」があり、全国から病気や怪我により障がいを持った人たちが、日常生活へのリハビリのため、社会復帰のリハビリのためにセンターに通っています。
所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンター(所沢市並木4丁目1番地)
このため、池袋線と新宿線が通る「所沢駅」、国立障害者リハビリテーションセンターの最寄り駅である「航空公園駅」や「新所沢駅」では、障がいをもった利用者が多い駅となっています。
「駅ボランティア証」を首から下げている人を見かけたら、気軽にサポートを頼みやすく、またボランティア側からも声をかけやすいかもしれません。
でも、安全安心はみんなで築くもの。
「駅ボランティア証」を持っていなくても、
気づいた人がまずは「大丈夫ですか?」「お手伝いしましょうか?」などの声かけをしてみることが大切です。
◆ご存知ですか?駅の設備
実は、駅には障害を持った人も快適に利用できるよう様々な設備があります。すでにご存じの方も多いと思いますが、その設備をうまく生かせないような状況を作っている光景も見受けられるので、所沢なびリポーター目線でいくつかご紹介します。
①誘導ブロック
誘導ブロックは白杖使用者にとっては、電車に乗るまでの道しるべです。
にもかかわらず、誘導ブロックの上に荷物をおいたり、集団でたむろしたり、立ち話をしたりしている光景をよく見かけたりしませんか?
誘導ブロックの場所は、いつも白杖使用者のために確保しておく気遣いを忘れずに。
誘導ブロックには階段がある知らせ、ホームまで行くルートを導いています。
②きっぷうり場(自動券売機)
きっぷうり場にも、目の不自由な方や車いす利用者のための工夫があります。
券売機前のカウンタースペースはお財布を取り出すときにかばんを置くなど利用しますが、狭い所と広い所があるのが下の写真からもわかると思います。狭い部分は車いすの人でも券売機に手がとどくように配慮されています。しかも下部は車いすの足部分が入り込めるように工夫され、少し奥に食い込んでいます。
下写真は航空公園駅の券売機。航空公園駅の場合、左側の自動券売機1と2が車いす用の券売機なので、健常者は、なるべくそれ以外の券売機を使う配慮が必要です。
下写真は、点字の運賃表です。これもやはり、航空公園駅の場合は、自動券売機の1と2の間に設置されています。どこの駅でも共通している見分けるポイントとして、誘導ブロックが導いている券売機は、ハンディキャップの人も利用できるような工夫があります。健常者は、誘導ブロックが導いていない券売機を利用するように配慮するといいですね。
最新式の券売機はタッチパネル式になっていますが、下の部分に電卓のような数字のボタンがあります。ここにも視覚障がい者でも利用できる工夫があります。
*ボタンを押すと、音声案内に切り替わります。
③改札口(自動改札機)
これはご存知の方が多いと思いますが、改札口に幅広の自動改札機があります。この写真では、右端の自動改札機が幅広ですね。ここは、車いす利用者向けの自動改札機なので、健常者はなるべくほかの自動改札機を利用するなどの気配りを。
④トイレ前
トイレ前には、写真のようなパネルと音声案内が流れています。
視覚障がい者が必要な時に利用できるように、このパネルの近くで、立ち話をしたりするのはやめましょう。
そのほかにも、駅にはハンディキャップのある人も快適に安全に利用できる工夫がたくさんあります。
所沢駅にもホームドアの設置の予定もあるそうです。
ハード面の設備の拡充に加えて、所沢市民の心遣いで事故を未然に防ぎ、誰もが安心して外出ができる環境づくりが求められています。
西武鉄道のバリアフリーに関する詳細ページこちらで確認できます。