よみがえる名勝負! ライオンズ対ジャイアンツ レジェンドOB一打席対決


日本シリーズの大舞台で過去何度も激闘を繰り広げてきたライオンズとジャイアンツ。ライオンズにとってジャイアンツは永遠のライバルにして大きな壁です。「球界の盟主・巨人を倒してこそ真の王者」。そのような思いをいまだ抱き続けているライオンズファンも多いことでしょう。
 
黄金期を知るライオンズファンにとって格別な日本シリーズといえば、なんといっても1990年。ジャイアンツを無傷の4連勝で下したこのシリーズほどライオンズの強さが際立ったシーズンはありません。
 
あの頃のライオンズを、あの熱い戦いをもう一度見たい! そんなライオンズファンの願いを叶えてくれるような企画が6月1日(土)、交流戦・埼玉西武ライオンズ対読売ジャイアンツ戦が行われたベルーナドームで実現しました。ライオンズとジャイアンツのレジェンドOBによる一打席対決です。
 
ライオンズを代表して登場したOBは辻󠄀発彦さん。2017年から2022年までライオンズの監督を務めていたので、若いファンの人には「辻󠄀監督」という印象のほうが強いかもしれません。しかし辻󠄀さんはリードオフマンとして黄金期のライオンズを引っ張り、二塁手では歴代最多となる8回のゴールデングラブ賞受賞を誇る守備の名手にして1993年には首位打者にも輝いた、まさにレジェンド級の凄い選手でした。
 
対する巨人OBは11試合連続完投勝利、沢村賞3度受賞、最多勝5度獲得など数々の輝かしい記録を持つ「平成の大エース」「ミスター完投」斎藤雅樹さん。「日本シリーズに出たらこんな怪物と対決しなくちゃならないのか」と当時のライオンズファンの顔色をビジターユニフォームと同じくらい青ざめさせた圧倒的実力を誇る偉大なピッチャーです。
 
そんな2人の対決やいかに!? まずグラウンドに現われたのは斎藤さん。ジャイアンツファンの熱い歓声を受けながら、余裕の笑みでマウンドに向かいます。
 

 
一方、バットを肩にかついだ辻󠄀さんはレオとライナを引き連れ、威風堂々とグラウンドに登場です。
 

 
「現役の時は辻󠄀さんには打たれてばかり(日本シリーズの通算対戦成績 6打数4安打)でしたが、今日は地元・埼玉でもあるのでがんばります!」
 
と冷静で謙虚なコメントを口にする斎藤さんに対し
 
「90年は日本シリーズ第2戦で斎藤投手をボッコボコにしました。昨日はライオンズが負けてしまいましたから、今日は斎藤投手を打ち込みたいと思います!」
 
と、燃えるような闘志の辻󠄀さん。
 

 
辻󠄀さんは、得意の流し打ちがヒットになりやすいよう、守備に就く選手に一二塁間を広げる指示を出すほど勝ちたい気持ちがむき出しになっていました。ちょっとアンフェアな気がしないでもありませんが、とにかくいざ勝負!
 

 

 

 
現役時代を彷彿とさせるサイドスローの斎藤さんですが、ボール先行の苦しいピッチング。しかしファールのあと、2-1からの4球目。せっかく空けた一二塁間とは反対方向に引っ張りにいった辻󠄀さんの打球はショートへのゴロに終わり、軍配は見事斎藤さんに上がりました。
 
対決のあと
 
「やりました! 公約通りちゃんと打ち取りました!」
 
と喜びを爆発させる斎藤さんと
 
「球が遅かったんで打球がショートの方向にしか行かなかった」
 
と負け惜しみを口にする辻󠄀さん。2人の好対照な様子がスタンドの笑いを引き出していました。
 
この日の試合は元山飛優選手のタイムリーヒットで劇的なサヨナラ勝ちを収めたライオンズ。偉大なOBに負けないよう、このまま勢いに乗って巻き返しに期待したいですね。
 

 
辻󠄀発彦さんコメント
「(全盛期の斎藤投手について)もう無敵。誰も打てないし、いつも抑えられちゃう。でも日本シリーズではあれだけ点を取れた。得手不得手があるだろうし、流れだよね。あの時は本当にたまたま4連勝できた。
 
4球全部直球勝負? 三球目、ボール先行で2ボールだったから何でも振ろうと思ったらボールが落ちたんだけど(笑)
 
(ライオンズにエールを)ナゴヤドームで佐藤龍世選手がカメラマン席に飛び込んで捕球する姿であるとか、そういう姿勢を前面に見せていかなきゃいけないと思う。自分が現役の時も、負け込んだらボール回しでも喧嘩みたいに投げてた。そういう姿にファンの人たちは『一生懸命やってるな』と感動を覚えてくれるんだ。前向きに、必死に戦ってほしい」
 
斎藤雅樹さんコメント
「昔の西武球場、今はベルーナドームですけど、高校(川口市立川口高)の時から試合をしてる球場でもありますから、非常に懐かしいなと思って。うちの学校の後輩もいましたよ。スタンドから『市立川口でーす!』って (笑)。『よし、頑張るよ!』って言ってきました(笑)。本当にありがたかったです。
 
4球とも直球勝負です! 自然と変化するようになってるんです!(笑)
 
(ジャイアンツにエールを)はい、非常に調子良くなってきましたね。今年、ピッチャーはみんなずっと頑張っていました。打つ方が心配だったんですけど、先日の試合で0-5から逆転勝ちして、あれからいい流れになってきてるのかな。このまま頑張っていってほしいと思います」
 


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浮間六太 Ukimarotta

埼玉西武ライオンズの試合をホーム、ビジター合わせて年間100試合以上生観戦するライオンズ熱愛者。この溢れるライオンズ愛をみなさんに無理矢理お裾分けすべく、思い入れと思い込み全開のライオンズ情報をお届けします!

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