受賞作品決定! 2017所沢まつり写真コンクール展
2017 ところざわまつり写真コンクール
「2017所沢まつり写真コンクール展」が今年も開催。受賞作品19点をはじめ応募作品131点すべてが展示されています。どの作品も力作ぞろい。写真から所沢の町の活気やひとびとの温かさを感じ取りませんか?
「2017所沢まつり写真コンクール展」 入場無料
【開催期間】2017年11月10日~22日
【会場】野老澤町造商店(愛称:まちぞう)
(住所)所沢市元町21の18
(電話)04-2928-1453 木曜定休
◆「所沢まつり写真コンクール」とは
今や毎年恒例となった「所沢まつり写真コンクールは」、まちの活性化と伝統の継承・普及のため中心市街地の商店組合「所沢日栄会協同組合」が行っているものです。1992年から始まり、今回で26回目を迎えた、いわば、まつりの歴史をつづるコンクールともいえます。
晴天にめぐまれ、約20万人の人出でにぎわった今年の「ところざわまつり」。今回のコンクールには、当日のまつりを撮影した131点の写真作品の応募がありました。
◆今年度の審査
今年は、応募期間は、10月9日~24日。131点の力作が集まり、構図、色彩がよく、所沢らしさを表現した力作が多数みられました。
11月1日に日東会館で審査会を行い、埼玉県美術家協会会員の尾内勲さんの講評を交えながら、「所沢まつり大賞」「ショッパー社賞」「J‐COM賞」「イベント賞」「入選」の受賞作品19点を選出しました。
審査は、①ピント ②露出 ③構図 の3つの要素を主に審査が行われました。「内容が良くてもこの3要素が無いと写真の価値は薄れます」と尾内審査委員長は話します。
ピント…作品の主題にピントが合っているかどうか
露出…暗いから良くない、明るいから良いという基準ではなく、その作品が表現し得る明るさを適切に扱っているか
構図…作品の「主役」と「わき役」をいかにうまく1枚の写真の中にまとめあげているか
2017所沢写真コンクール審査委員長 尾内勲さん
埼玉県美術家協会の会員
今年度67回埼玉県美術展覧会で県展埼玉県議会議長賞を受賞するなど、これまで、数々のコンクールで賞を受賞
◆表彰式の様子と受賞作品の講評
表彰式には、受賞者14人が出席(5人は、都合により欠席、そのうち1人はご家族が代理出席)しました。審査委員長の講評が発表され、それぞれの受賞者に賞状と賞品が授与されました。
【所沢まつり大賞】3作品
長滝 誠二さん
3人の様子を抜群のシャッターチャンスでとらえている。広角レンズを駆使して奥行き感を的確にとらえている。写真の広がりもあれば、奥行き感も出している。見事な作品。3人の表情もとらえている。
浜中 進さん
白黒の素晴らしい作品。今回の中で白黒は1点だけだった。白黒写真は、カラーとは違いごまかしがきかず、真実が出てしまう。見事なフレーミングが良い。被写体の真剣なまなざしを素晴らしく表現している。
内野キヨミさん
ハイアングルの撮影が良い。お囃子の音色や人々の賑わい、祭りの喧騒を上手く1枚に封じ込めている。多くのメッセージを取り込むのは、ともすればうるさくなってしまいがちだが、この作品は、右と左に分けた構成力がすばらしく、上からのハイアングルでの撮影が功を奏している。
【イベント賞】5作品
伊藤 桓礼 さん
伊藤 桓礼 作品 「競演」
纏(まとい)を振る女性の真剣なまなざし、太鼓連とのコラボがうまく溶け合っている。後ろのギャラりーも祭りの賑やかさを引き出している。カメラアングルの高さも良い。
臼井秀俊さん
臼井秀俊 作品「笑顔でダンス」
サンバをこれだけ思い切ったフレーミングで撮影し、構図が心地よい味を出している。まとったドレスと手のブレ具合が絶妙で、画面から飛びだしてきそうな迫力を感じる作品。
サンバの女性と一般市民とのふれあいのシーンの写真は意外と少ない。踊り手と子どものふれあいのシーンが的確なカメラワークでとらえていて優れている。ローアングルで背景にビル群を入れたことによって、非常に奥行き感が出ている。
関根百合子さん
写真の醍醐味のシャッターチャンスが生きた作品。蜘蛛の糸をはらったあとのシャッターチャンスがすばらしい。とりまきのギャラリーの入れ方もとても上手い。少しハイアングルでとらえているのも、的確なポジショニング。
早川康さん
夕方から夜の写真は、カメラマンとしては悩むところで感度などいろいろ問題が頭をよぎったと思うが、薄暮の中の2人の女性を上手くとらえている。この写真の力強さは、この2人の女性と扇のブレ具合から、動きが感じられ、後ろには山車が2台と背景の薄暮の空が入っていてセンスのいい作品になっている。
【ショッパー社賞】3作品
佐藤 秀男 作品 「真剣」
フレーミングが良く、大まかにカットしてくれたのが成功している。何よりも少年の真剣なまなざしとバチの振り上げたシャッタ―チャンスがすばらしい。
原田久男さん
原田久男 作品 「競演Ⅱ」
高さと奥行きを感じる作品。画面半分を旗で表現して、風を感じるさわやかさを表現している。奥行き感の工夫があって良い。
鳴島裕子さん
鳴島 裕子 作品 「長寿日本一!」
町内に一人はいるようなおじいちゃんを被写体にしている。「木槍連」の法被(はっぴ)が板についている職人肌の老人の表情がとても良いところをとらえている。
【J:COM所沢賞】3作品
市野川 晃さん
市野川 晃 作品「山車の揃い踏み」
構成力、構図がすばらしい。上部30%が山車にもっていく、下がとりまきの祭り人70%という比率で面白い作品。とかくこのような写真は山車を主体に撮ってしまうことが多く、人物が中途半端になりがちだが、この作品は、人々の後姿を題材に撮っているところが「見せ場」だと感じた。
関口 友梨恵 作品 「心ひとつに」
夜にも関わらず明るさを醸し出している作品。タテ構図にしたのも無駄のない構図になっているのが良い。
関根貴子さん
関根 貴子 作品「つばさのエンジェル」
主役のヒロインを中心に仲間たちの配置がよく、カメラポジションもいい。女性の表情もよい。
【入選】5作品
藤島 瑞樹さん
藤島 瑞樹 作品「宵の口」
夜の撮影は難しいが、的確な明るさを確保してシャッタ―スピードを調整して踊り手のいい表情をとらえている。観衆をいれると更に良い作品になっただろう。
大舘 眞 作品「自慢の山車」
ほほえましい写真。仲間意識、町内の絆を感じさせるシーンをとらえている。これぞスナップ写真という見本のような写真。
岡田充さん
岡田 充 作品「山車の貫禄」
山車の真上からの撮影が成功している。左下の山車と右上の山車の大小を使い方が実に良い。主役とわき役の関係を非常に心得ている。
毛利眞和さん
毛利 眞和 作品「笛娘の関心」
光の扱いが抜群。逆光で撮影している。視線の先の踊り手をぼかして構成はなかなかのテクニシャン。フォトジェニックな格調高い写真。
大舘照子 作品「ほほえみ」
後ろの山車とサンバの女王の組み合わせ。山車が暗い分、サンバの明るさが際立っている。サンバの場合は、後ろの背景を見物人の人垣になるのが普通だが、そこをあえて、山車を持ってくることで、主役が浮き上げている。被写体の選び方が良い。
◆尾内審査委員長からのアドバイス
尾内審査委員長から、写真全般についてと今後についてのアドバイスの講話がありました。
それによると、良い写真の条件は大きく分けて2つあげられるそうです。
1つは「明と暗、光と影を巧みに扱っているか」。もう1つは、「静と動」。
1枚の中に、この2つの要素が融合している写真は、見ているものに快感と感動を与える写真になるそうです。
今後撮影するときは、この2要素を考えて撮ると、入賞するかもしれませんね!
そのほか、逆光撮影の手法を使うと、立体感や人間の表情が自然に映しだせるそうです。
そして、写真の魅力の1つは「あいまいさ」。これは、観る者の想像力を掻き立てる作品となります。
まつりの写真は「躍動感」がテーマの1つ。動きが表現できるように、1点にピントを合わせて、他はぼかすなどの手法を練習をしてみては。とにかくいろいろな手法にチャレンジして、200、300枚とたくさん撮影して経験を積むことが一番の上達法だそうです。
来年も、写真コンクールを開催予定です。
コンクール出品するには、「ちょっとハードルが高い!」と思っていたみなさんも多いはず。来年は、幅広い年齢層の人にもチャレンジしてもらおうと新たなカテゴリーを設置するという案も浮上しています!!
そういえば…今年「インスタ映え」なんていう言葉が流行りましたね。
写真を撮りまくって「感性を磨いた」という初心者のみなさんも多いのではないでしょうか?
「ところざわまつり」に行った者しか味わえない「所沢らしさ」をとらえられたら、きっと、ほかの人にも見せたくなる楽しい写真になるはず。
「所沢まつり写真コンクール」は、初心者のみなさんからベテランのみなさんまで、大歓迎のコンクールです!
来年は写真コンクールに是非チャレンジしてみてくださいね。そして、ところざわまつりを盛り上げましょう!