「未来を創る!女子野球イベントin埼玉・浦和」埼玉西武ライオンズ・レディース対ZENKO BEAMS スペシャルマッチリポート


11月26日(土)、さいたま市営浦和球場で行われた『未来を創る!女子野球イベントin埼玉・浦和』。
女子野球選手の里綾実投手が、「一般社団法人野球はみんなのスポーツ」代表理事として初めて主催する本格的な野球イベントです。


▲さいたま市営浦和球場


▲埼玉ライオンズレディース在籍・里綾実投手。「一般社団法人野球はみんなのスポーツ」代表理事を務める

イベント開催の経緯や里投手の経歴は、先日当サイトで配信された『W杯出場の現役選手が野球マッチ&レクチャー!未来を創る女子野球イベントin埼玉【無料】』にありますので詳しい説明は省きますが、里投手を一言で説明するならば、ズバリ「凄い人」!

女子野球ワールドカップ6連覇中という野球日本代表「侍ジャパン」女子代表チームにあって、3大会連続MVPの偉業を成し遂げる、世界トップの現役レジェンドです。

現在、残念ながらコロナウイルスによる世界的なパンデミックの影響で女子野球ワールドカップは中止を余儀なくされています。本来なら日本代表の連覇、自身の連続MVP記録がさらに更新されていたはずなのに、と気持ちが折れても不思議ではないところ。

しかし里投手は決してくよくよしていません。女子野球の普及とリーダーの育成のために立ち上がり、本イベントを開催しました。

この記事では、3部構成で行われた女子野球イベントの第1部「スペシャルマッチ」をメインにリポートします。

 

埼玉西武ライオンズ・レディースとZENKO BEAMSによるスペシャルマッチ

試合前に降り出した雨も試合が始まると徐々に止み、試合の最中には晴れ間も見えるという、天候も応援してくれているかのようなこの日。里投手が所属する、日本で初めてプロ野球球団の名を冠した女子野球チーム・埼玉西武ライオンズ・レディースと、埼玉県を本拠地とするZENKO BEAMSによる5イニングのスペシャルマッチが行われました。


▲ウォームアップ中の埼玉ライオンズ・レディースのメンバー


▲ZENKO BEAMSのメンバー

ライオンズ・レディースは里投手、対するZENKO BEAMSは里投手同様侍ジャパン女子代表の田中露朝(あきの)投手の先発で試合開始。

力強い投球フォームの里投手と、しなるようなフォームの田中投手。両エースの好投と、それに応え好守を連発する野手陣の活躍により、試合は息詰まる投手戦となりました。


▲里綾実投手


▲田中露朝(あきの)投手

特に3回表、センター前に抜けようかという当たりをダイビングキャッチした日本代表にしてライオンズ・レディースのキャプテン、ショートの出口綾香選手のプレーは、まるでライオンズのショート・源田壮亮選手を彷彿とさせるファインプレーでした。いや、ライオンズのショートは男女ともに上手い(笑)


▲埼玉ライオンズ・レディースのキャプテン、ショートの出口綾香選手

均衡が破れたのは4回裏。ライオンズ・レディースは、田中投手から継投したZENKOの左腕・泰投手からノーアウト満塁のチャンスを作ると、出口選手が先制タイムリー! DHを解除して代走に出ていた里投手が先制のホームを踏みます。その後ライオンズ・レディースは内野ゴロの間にもう1点を加え、2-0としました。

最終回。ここまで1安打ピッチングだった里投手でしたが、ツーアウトから4連打され1点を失い、さらに満塁の大ピンチ。さすが強豪ZENKO BEAMS、最後まで試合を諦めません。しかし里投手は最後のバッターを外野フライに抑えゲームセット。2-1でライオンズ・レディースが逃げ切りました。

それぞれ今年の夏と秋に行われた全日本女子硬式クラブ野球選手権大会、全日本女子硬式野球選手権大会で好成績を収めたチーム同士とあって、大変素晴らしい試合内容でした。

スタンドでは多くの女子学生野球選手が白熱の試合を観戦していましたが、「迫力があっておもしろかった」「あんなプレーができるようになりたい」と、目を輝かせながら感想を語ってくれました。

 

この日集まった仲間から広がる、女子野球の未来の輪

イベント最後の挨拶で
「野球を始めた頃は、男子野球チームに女子1人が当たり前だった」と述べた里投手。しかし高校で女子野球部に入り「こんなに仲間がいるんだ」と嬉しかったと言います。

「今日来てくれた、この一歩が第一歩。きっかけになればと思っている。先々、『あの時のイベントを通じてこういう体験があったから頑張ろう』と思ってもらえたら。今日集まったみんなは仲間です」

女子野球は急速な勢いで広がりを見せています。競技人口は増え、女子高校野球の決勝戦は甲子園球場で行われました。しかし、競技人口は増えながらも、学校卒業後の受け皿が少ないのが現状といいます。

「この一歩が第一歩」となり、「今日集まった仲間」の輪が広がり、女子野球の希望に溢れる未来を創る。これまで日本女子野球をリードし、これからも選手として、後進を育成する立場として、日本女子野球をリードし続けて行ってくれるであろう里綾実投手をみなさんも是非注目してもらいたいと思います。

 


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