料理職人から不動産業に転職した社長【三巧商事】


成功する会社の社長が大事にしていること

都市開発や土地の区画整理が進む所沢で、創業49年不動産会社「センチュリー三巧商事」に昨年、元フランス料理のコックだったという異色の経歴をもつ社長が就任しました。新社長の古河一美さんが不動産業界の魅力と展望を語りました。

取材:2019年6月17日 成田知栄子


▲古河一美 社長 センチュリー21三巧商事 の会社前で

 

所沢でも屈指の創業49年の不動産会社「三巧商事」は、所沢駅の東口から徒歩3分のところにあります。全国の不動産ネットワーク「センチュリー21」に加盟し、賃貸仲介、賃貸管理、不動産売買、駐車場管理、リフォーム業務、不動産専門の相続・資産運用等のコンサルティング業務を行っている会社です。なんと、この会社、「センチュリオン(※)」を20年連続で受賞しているすごい業績の会社!
その会社の代表取締役社長に昨年、古河一美さんが就任しました。古河社長は、元フレンチの料理職人から不動産業界に転職した異色の人物としても知られています。古河社長に不動産業の魅力と展望をインタビューしました。

※センチュリオンとは、グローバルに展開する「センチュリー21」の世界共通の称号で、年間で1億5千万円以上売り上げをあげた加盟店から表彰された優秀な店舗や営業マンのこと


▲取材に応じる 古河社長

 

もくじ
1.料理職人の世界から不動産業界へ
2.料理界で培ったことが役に立つ
3.「敏速な対応でリスクを最小限に」
資産を守る管理の心得

4.「相続支援コンサルタント」サービス開始
土地区画整理の土地活用相談も

5.不動産会社の連携で地域づくりを

 

1.料理職人の世界から不動産業界へ

——古河社長は、かつてフレンチコックだった伺いましたが、不動産業界に転職されたきっかけは何だったのでしょうか?

古河社長:
もう転職してから26年経ちますけれど、26歳の時に、ひょんなことから不動産業に魅力を感じてしまったんですね。
そもそもコックになったのは、小学校の家庭科の授業で料理を作るのが好きになったこと。高校時代にアルバイトした際に、レストランの厨房に入らせてもらったんですよ。高校卒業後は、そのまま誘われるままにそのレストランの会社に就職。入社後、つくば万博がはじまりましてね、ブルガリアのパビリオンで本格的に料理を出会いました。その時に出会ったフランス料理の料理長に可愛がっていただき、会社を退職してその調理長の弟子としてフランス料理の修業をはじめました。その料理長は昔ながらの職人肌で、同じレストランに長く務めるようなタイプではなく転々としていました。私も料理長にと共に店を転々。部屋を借りるために不動産会社の営業の方にお世話になった時、「不動産って奥が深くて面白い仕事だな」と思ったんです。友人にも不動産会社に勤めている人がいて、いろいろ話をきいいるうちに「衣食住」のうち、生活や人生に関わる「住」の分野にも関わってみたいと不動産業業界に踏み込み、大手賃貸不動産会社、売買不動産会社を経て「三巧商事」に入社しました。

 

2.料理界で培ったことが役に立つ
〝予測して準備する〟

——〝人の生活に関わる衣食住〟と考えると共通していることもありそうですが、職人の世界からビジネスの世界への転職はご苦労もあったのではないですか。

古河社長:
どの業界も同じです。むしろ料理の世界で7年修業して身に付いたことが、今の仕事にとても役に立っていると思えることがありますね。
それは、〝予測して準備を万全にしておく〟こと。コック時代は、メニューを切らさないようにお客様のオーダーの動向を読み、天気を読んで、予測して材料を仕入れ、仕込みをすることが大事な仕事の1つでした。この万全な準備を行うという感覚が、今でもしみついていて、むしろ、不動産の業務は準備の仕方で決まるといっても過言ではないと私は思っています。
今はネットで情報が得られる時代になりましたから、お客様の方もよく調べてから来店される方が多いので、それ以上に十分な準備をすることというのは、とても大事な作業になります。

▲事務所で仕事中の古河社長

 

3.「敏速な対応でリスクを最小限に」
資産を守る管理の心得

——これまで不動産業に従事されてきて印象に残っていることはどんな出来事でしたか?

古河社長:
東日本大震災の時のことですが、この地区で管理していた6階建てのビルの屋上にあった変電設備が地震の揺れによって火事になって、電気が使えなくなってしまった時の出来事です。

——それはビルのオーナーさんにとって大打撃でしたね。

古河社長:
そうなんです。テナントさんが長期間営業できなくなると、営業補償などの問題がオーナーさんに生じることがあります。ですから私たちはすぐに、技術者と協議をして電気設備会社を選び、早急の修理を依頼しました。しかしダメージが大きく、設備の取り換えということになり、約3か月の工事が必要という結果になりました。このためすぐに発電機を用意してもらい、テナントさんの営業を再開できるようにしました。のちに設備工事会社から告げられたことですが、あの時、もし、わたしたちの対応があと半日遅ければ、代替用の発電機も震災の混乱もあって全く確保できない状況になっていたそうです。早く敏速に関連会社とも連携を取って敏速に動けた結果、オーナー様のリスクは最小限に、またテナント様にご迷惑をおかけするのも最小限に抑えることができました。
トラブルを感知したらすぐに対応し、管理させていただいている不動産オーナー様の財産を守るという姿勢で日々の業務にあたってきたこれまでの姿勢が、今日の地域の皆様の信頼を得ているのではないかと思っています。

▲三巧商事が準備した発電機でビルのテナントの営業がすぐに再開

 


▲駐車場と警備員を確保し、3カ月間の工事に対処

 

4.「相続支援コンサルタント」サービス開始
土地区画整理の土地活用相談も

——今後、やっていきたいことはどんなことですか?

古河社長:
地域の方に支えられてきた会社だからこそ、今後も地域の方のお役に立てる事業を積極的にやっていきたいと考えています。
その1つにこれから「相続支援コンサルティング」サービスも展開していく予定です。
日本住宅支援管理協会の「上級相続支援コンサルタント(※)」の資格を持っている社員がおりますので、土地や建物などの不動産の相続が発生する前(相続発生前が有効的です)に、不動産管理会社ならではの目線でアドバイスをさせていただければと思っています。
※「上級相続支援コンサルタント」とは、相続発生時のコンサルだけでなく、相続支援コンサルタントの資格取得を目指す方に、講義等を行う事の出来る特別なライセンスです。

 

——どんな状況の時に利用できるサービスですか?

古河社長:
土地を相続する前に、相続対策として建物を建てると資産全体が圧縮され相続税を安くすることができます。しかし、ただ建てるだけでは有効とは言えません。収益の確保ができる建物を不動産管理のプロの目線でアドバイスさせて頂きたいと考えています。価値の続く建物を建てることで資産の寿命にもつながり、地域活性ができるまちづくりにつながります。

▲相続支援コンサルタントのイメージ

——それは、嬉しいサービスですね。所沢では都市開発事業や区画整理事業もここ数年で進みますよね。

古河社長:
特に今秋には、所沢市北秋津・上安松土地区画整理内の仮換地が決まってきますので、是非、ご相談ください。
この区画整理内では、これまで市街化調整区域だった土地の固定資産税が平成30年より宅地並課税(4年間の段階措置有り)となり、毎年固定資産税が上がって行きます。このためにどのように土地活用をして税金対策をするかを考えることも節税のために必要になってくると思いますので、最良の方法をアドバイスさせていただきます。

▲北秋津・上安松土地区画整理位置図

 

5.不動産会社の連携で地域づくりを

——所沢は近年、都市開発で物件や土地の売買も活発になっているようですが、所沢の不動産業界の雰囲気はいかがですか。

古河社長:
そうですね。同業者が増えてきているので、それなりに業者同士の競争もありますけれど、所沢の不動産業界は業者同士の連携がいい地域だと思います。
「所沢不動産研究会」という不動産業の集まりが定期的にあるんですが、これは、互いに国の動きや地域の課題などの情報を共有して取り組んでいこう会です。所沢の不動産関連の経営者は地元出身者が多く、自分のビジネスが、地元全体を良くし、いいまちづくりをしたいと考えている人が多いんですね。
だからこそ、連携がいい関係ができているのだと思います。不動産業界が一丸となって今後も地域の問題や高齢者問題などにも不動産管理業務を通じていい地域づくりに取り組んでいきたいと思っています。
取材:2019年6月17日 成田知栄子

 


【社名】センチュリー21三巧商事株式会社
【URL】http://www.c21-sanko.com/index.html
【住所】埼玉県所沢市くすのき台 3-1-10
【電話】代 表: 04-2993-7242
売買部: 04-2991-1821
【E-MAIL】info@c21-sanko.com
【定休日】水曜日

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