武蔵野坐令和神社「新春花手水」体験レポ。花に込められた想いと制作の裏側
2025年12月27日(土)から2026年1月12日(月・祝)まで、ところざわサクラタウン内に鎮座する「武蔵野坐令和神社(むさしのにます うるわしき やまとの みやしろ)」、通称・武蔵野令和神社にて、手水舎を花で彩る恒例企画「新春花手水」が開催されました。

武蔵野坐令和神社の花手水は、東所沢商店組合との共同企画として2022年8月からスタートした取り組みです。コロナ禍により、衛生面への配慮から多くの神社やお寺で手水舎の利用が制限される中、「使われなくなった空間を前向きに生かしたい」「少しでも参拝者の気持ちを明るくしたい」という思いから、全国各地で花手水が広まりました。

武蔵野坐令和神社の花手水も、そうした流れの中で生まれたもの。季節や行事に合わせて趣向を凝らした演出が行われており、今では参拝の楽しみのひとつとして定着しています。
今回は、新春花手水に込められた思いや制作の裏側について、KADOKAWAのご担当者様、武蔵野坐令和神社の神職の方、そして花手水の施工を手がけたLOVEITの中村様にお話を伺いました。本記事では、その内容をもとに、新春花手水の見どころを詳しくご紹介していきます。
使用されている花の種類や色合い、デザインで特にこだわった点を教えてください
花手水の施工を担当したLOVEITの中村様によると、今回の新春花手水では「新しい一年のスタートに、前向きな気持ちになってもらえるように」という思いから、全体的に紅を意識した配色にしているとのことです。
実際に手水舎をよく観察してみると、中央部分には赤を基調とした植物が配置され、自然と視線が集まるような構成になっているのが分かります。華やかでありながらも派手すぎず、新春らしい凛とした雰囲気が印象的でした。

使用されている花の種類は、菊、ガーベラ、バラなどが数種類ずつ。いずれも色味や大きさのバランスを考えながら配置されており、どの角度から見ても美しく見えるよう工夫されています。
さらに特徴的なのが、2026年の干支である「午(馬)」にちなんだモチーフです。「馬」の字が含まれる馬酔木(アセビ)や、馬の好物としてイメージされやすい人参の葉に似たスノーフラワーなど、さりげなく干支を意識した植物が取り入れられています。
また、手水舎の随所に飾られている馬の置物にも意味が込められているそうです。こちらは「情熱」や「行動力」を象徴する存在として、駆け回る姿のものが選ばれており、「新しい一年を力強く駆け抜けてほしい」という願いが感じられます。
花手水を通じて、ご来場の方々にどのようなメッセージを届けたい、またはどのような体験をしてほしいとお考えですか?
KADOKAWAのご担当者様によると、「神社やお寺を訪れた際に、まず手を清める」という作法自体を知らない、あるいは実践していない方も少なくないとのこと。花手水をきっかけに、手水舎の存在や意味を知ってもらえたら、という思いがあるそうです。

訪問当日、神職の方にもお話を伺ったところ、武蔵野坐令和神社では新春だけでなく、季節の節目ごとに花手水の企画を行っているとのことでした。過去には、ところざわサクラタウン5周年を記念し、所沢市内の小学生からアイデアを募集して制作された「ぼくの・わたしのところざわ花手水」(2025年11月6日~11月16日)も実施されています。
子どもたちの自由な発想が形になった花手水は、多くの来場者の注目を集め、世代を超えて楽しめる企画として好評だったそうです。
花手水は、写真映えする点も大きな魅力のひとつ。参拝のついでに手水舎へ足を止め、ぜひカメラやスマートフォンを向けてみてください。光の入り方や見る角度によって、また違った表情を見せてくれます。
まとめ
筆者自身、新春花手水に込められた思いや制作の背景を詳しく知る前に鑑賞していましたが、今回あらためて話を伺ったうえで写真を見返してみると、配置や色合い、モチーフの意味など、さまざまな気づきがありました。
「きれい」「華やか」といった第一印象に加え、「なぜこの花が使われているのか」「この置物にはどんな意味があるのか」と背景を知ることで、花手水の楽しみ方がより深まったように感じます。
今回の新春花手水を写真に収めた方は、ぜひもう一度その写真を見返してみてください。知る前に感じた印象と、知った後に感じることの違いを楽しむのも、花手水ならではの味わい方かもしれません。