皆成会「光の園」を見学
~障害という枠を越えた素敵な出会い~
こんにちは!所沢なびライター兼イラストレーターの飯塚まりなです。
先日、「みかじまgallery」の『光の園企画展』に行かせていただき、素晴らしい作品を目の当たりにしてから数週間、感動冷めやらぬまま…今度は施設見学へお邪魔させてもらいました。
光の園は今から約40年前に建てられ、その間様々な障害を持った方が元気に通われ、自分のペースでできる作業を行い、地域に溶け込みながら過ごされています。
▲何を描いているのか尋ねると「心のトンボ」と教えてくださったMさん
こちらは美術室です。取材日には火曜、水曜に来る美術担当の先生が付き添われていました。好きな画材を使い、本人の意思を尊重しながら丁寧に作品作りを行える環境があります。色鉛筆、マーカー、普段あまり見ない砂絵、ハンダゴテ迄ありました!すごい!
ここから名作が誕生しています。
▲施設がギャラリーに
施設には作品がいたるところに飾られています。額もその作品にあった額が提供され、見栄えもよく、そのまま家に飾りたくなるような作品がいくつもあります。実際、「この絵画が欲しい」と言って購入されたケースが何件もあるとのこと。お気に入りの作品がありましたら相談可能だそうです。
作品への思いや作るまでの過程を職員の方からお聞きし、思わず笑ってしまう場面がいくつもありました。
▲一足欲しいなーという気持ちが湧いてきます
「光の園」といえばスウェーデン刺繍。ここでは刺繍をしながらペンケースやポーチ、巾着袋などかわいらしい小物に癒されます。細かい作業も丁寧に一針一針作っていきます。目の見えない方には、「さをり織り」でのスリッパ作りやビーズのアクセサリー作りなど。手の感覚が研ぎ澄まされて繊細で、なおかつ美しさ抜群の作品が出来上がっていきます。各地域のイベント、行事、公共施設(所沢市役所1 階ロビー)などで販売中です。希望があれば施設でも購入可能。
▲小物類は全て手作業です
▲作業風景をスケッチ
他にも畑作業、機械を使ってのアルミ缶潰しの作業など。外には広い芝生の庭に大きな畑がありました!トマト、きゅうり、なすなど季節の野菜を育て地域のお店で使ってもらったり、家族に販売したりと積極的な活動を取り入れています。野菜がとても美味しそうでした!
▲採れたての夏野菜。どれも美味しそうです
光の園には近所に保育園や小学校、介護施設などがあり、年に何度も交流を図り地域の方との縁を深めてきたとのこと。
職員の田辺さんはこう語ります。「宮前小学校の3年生の子ども達が8回に渡り、施設に来てくれます。はじめは慣れない子もいますが、最後は『楽しかった』と笑顔が見られたりすると、交流の機会を作って良かったと実感します。逆に私達が小学校に呼ばれて行くこともあります。子どもの頃から障害者との関わりがある、ないは、今後の人生において絶対に違うと私は思います。地域に溶け込み、皆さんと仲良くできたら嬉しいです」。
▲広がるが畑は新鮮な野菜が実ります
最後に「光の園の良いところは?」と質問を投げかけると職員の田辺さん、遠藤さんから「自由」という言葉がポンっと出てきたのがとても印象的でした。「こんな自由な園はあまりないかもと思います。縛りがないよう、行きたい部屋に行き、やりたい作業をし、落ち着いた空間作りをなるべく提供できるように心がけています。仕事ではいつも笑うことが多く、なんだか楽しいです。」
「なんだか楽しい」なんて、なかなか言える環境ではないのが仕事というもの。そんな概念が壊れた瞬間でした。
▲この作品は購入者が現れたとか
平日は施設での見学も可能とのこと。わざわざ遠くに行かなくても、アートに触れるチャンスがこの「光の園」にあります。もっとたくさんの方に作品もご覧いただければ今後の所沢ももっと活性化するのでは!?
そんな期待を膨らませ、ポジティブな気持ちになりながら取材をさせていただきました。これからもどんな新しい作品に出会えるのか今からとても楽しみです!
※見学ご希望の際は、事前に、光の園へお問合せください(2020年8月28日追記)
▲外から見るとタイルの壁が目立ちます
【社会福祉法人皆成会 光の園】
【住所】〒359-1106 所沢市東狭山ヶ丘6-2833-2
【電話番号】04-2922-8141
【HP】https://www.fukusikaiseikai.or.jp
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