私設図書館準備中!~西所沢に新たな文化発信拠点がもうすぐ誕生します~
西所沢に私設図書館ができるとの情報を偶然キャッチしましたボランティアライターじんです。その計画を知った瞬間「お前が市民のみなさまに紹介しろ」っていう運命を感じました。今春オープン予定のその場所につきましてリポートします。
取材日:2021年2月13,20日 ボランティアライターじん
1. 場所はサタデーブックスさんの隣
西所沢駅下車徒歩2分、細い踏切の先、坂道を下ったところに「吉祥荘」という建物があります。1階が老舗のとんかつ屋さんの建物です。その2階に2020年6月に「サタデーブックス」という古書店がオープンしました。サタデーブックスさんについてはこちらの記事(https://tokorozawanavi.com/news-maehara20200720/)をご覧ください。
サタデーブックスさんはローカルメディア「西埼玉暮らしの学校」のオフィス兼古書店、古書店としての営業だけでなく、イベントの企画運営など文化発信拠点としても機能しております。
▲サタデーブックス店主の大竹悠介さん
その2階のサタデーブックスさんの隣に使っていない部屋があったんです。オープンしてから何度もサタデーブックスさんを訪れていましたが、全然知りませんでした。今回オープンする私設図書館はその部屋を使用します。
2. 主宰されるのは設計士さんです。
今回私設図書館をオープンされるのは「シン設計室」主宰の「高橋真理奈さん」です。吉祥荘2階の一部屋を「シン設計室」として設計事務所を開設します。設計室は4.5畳の広さです。執務スペースを考えると蔵書を置く場所が足りません。そこで隣の同じ広さの一部屋に蔵書を収納し打ち合わせスペース兼用とすることを考えておられます。この場所を地域のみなさまに開放し、「シン図書館」とする計画です。
新しい設計事務所が吉祥荘にできるということにとどまらず、新しいカタチ「私設図書館」としての地域コミュニティスペースが誕生することになります。
▲吉祥荘2階計画(提供:高橋真理奈さん)
図書館をどのように運用していくのかといったことは今後具体化していくとのことです。設計関係の書籍はもちろんですが、高橋さんがいいと思った設計以外の蔵書も置かれるそうです。地域のみなさまが気軽に訪れていただけるような場所を目指すとのこと、楽しみですね。サタデーブックスさんも店主の大竹悠介さんが本の選定を行っているので、その辺りは似ているのではないかと思います。店主のこだわり、センスが色濃く表れた個性あふれる場所になることを期待したいです。
ところで高橋さんはどんな方かと申しますと、所沢市出身及び在住でいらっしゃいます。大学卒業後、特徴的な設計を行うことで有名な都内の設計事務所に勤務し、第一線で数々の設計を手掛けてこられました。そこでの経験を活かし昨年末より独立開業されております。本格稼働に向けて事務所スペースを探していた時に、サタデーブックスの大竹さんに出会い相談したところ「ここの隣の部屋空いていますよ」との一言が。結果としてここに落ち着いたとのことです。そのときが大竹さんとの初対面らしいです。きっかけや出会いって本当に大切ですね。
3. セルフリノベーション実施中
この右側の扉の向こう側に図書室と設計室がオープン予定です。
ところで、この「吉祥荘」ですが、築53年の建物になります。ちょっとこのままですと使用勝手が悪いし、入りづらさを感じるかもしれません。
最初はこんな感じだったそうです。
(画像提供:高橋真理奈さん)
(画像提供:高橋真理奈さん)
そこで設計士の高橋さん。セルフリノベーションを行っております。ご本人曰く「自分で施工するのは苦手なのですが…現場にはいつも立ち会っていたんですがね」とのことですが、壁の左官やペンキ塗りなどをご自身で行っております。その様子をちょっとだけ公開しますね。
なかなか様になっていらっしゃいます。さすがです。
僕もちょっとだけお手伝いしました。
壁が白くなるだけで、だいぶ雰囲気が変わったように感じます。
塗っていない部分は棚ができる予定です。この後、床や水回りなどは専門業者に工事に入っていただくとのことです。この場所がどんな図書館に変化するのか、想像するだけで今からワクワクしてきます。
東京の谷中に「HAGISO」という築65年の建物を使用したカフェ、ギャラリー、レンタルスペース、ホテル、設計事務所が一緒になった複合文化施設があります。高橋さんは「所沢版HAGISO」をイメージして取り組んでいらっしゃるそうです。この場所を文化発信拠点とし、更に発展させていくことを目指していらっしゃいます。ここからどんな世界が広がっていくのかとても楽しみです。
4. みんなで作り上げる「居場所」づくりのために
高橋さんがこの「シン図書館」をつくるにあたって考えたこと、それは「コモンをつくりたい」ということだそうです。「コモン」とは共有財産、ご自身の蔵書を街に開放することにより、みんなの共有財産を構築する。そしてそこに「居場所」をつくること、これを目指していらっしゃいます。その意志をたくさんの方と共有して、ともに作り上げていくことを目的に今回のプロジェクトにクラウドファンディングを取り入れております。集まったお金は改修工事費や備品の整備費に充てられます。
「ひとりでつくる『場所』ではなく『みんなの居場所』に!」
支援を募ることには、高橋さんの「シン図書館」設立への想いが込められております。
クラウドファンディングの詳細に関しましては、こちらをご覧ください。
https://camp-fire.jp/projects/view/400644
この「シン図書館」がどのような形でオープンするのか、都内で働いていた高橋さんが地元所沢で開業するに至った想いなど、継続してリポートしていきたいと思っております。
「シン図書館」4月頃オープンの予定です。お楽しみに!
吉祥荘ホームページ https://kichijoso.com/