「見るトコろ!感じるトコろ!茜衣がいくトコろ!」いいトコ発信ところざわ Vol.24
連載第18弾 春の狭山丘陵を満喫してきました(前編)
~みなさまに大事なお知らせがあります~
いきなりですが、大事なお知らせです。
トコろんのお姉さんである「むなぞー」こと宗像茜衣さんとお伝えしております「いいトコ発信ところざわ」ですが、この連載第18弾の狭山丘陵の春を紹介する記事の前編・後編をもって最終回を迎えることになりました。
「所沢の人」の記事でむなぞーさんを記事にさせてもらって、そこのコメント欄に「連載化希望」といただいたことから、所沢市まちづくり観光協会さんと所沢なびさんに企画持ち込んで、承認いただいて、スタートしたこの連載。むなぞーさんと一緒にがむしゃらに突っ走ってきましたが、連載3年目に突入したこの機に、一旦歩みを止め足元を見つめ直すことになりました。より読者のみなさまに所沢の魅力を発信するにはどうしたらよいか、ゆっくり考えていきます。
本記事で一旦区切りをつけますが、最後までむなぞー&じんらしく、ゆるーく楽しく伝えて参ります。
取材日:2022年3月27日 ボランティアライターじん
【後編目次】
④ 山之神神社とカタクリ
⑤ 比良の丘散策
⑥ 金仙寺の枝垂れ桜
⑦ ご挨拶
① 葛籠入の森
この連載が始まってすぐにコロナ禍に突入し、それからずっとこの時世の中どう所沢の魅力を発信していくか、常にむなぞーさんと話し合ってきました。ひとつの答えが密にならない屋外取材を中心に発信していくことでした。いろんなトコろをお伝えしてきましたが、最後に狭山丘陵の所沢市域を周って一区切りができることを嬉しく思っています。
今回は、早稲田大学所沢キャンパスをスタートして狭山丘陵を周って帰ってくるコースになります。
▲早稲田大学所沢キャンパスの正門の手前を曲がって森の中に入って行きます。
早稲田大学所沢キャンパスの開発計画が起こったとき、それに反対する自然保護団体と早稲田大学、埼玉県との間で協議が行われました。詳しい説明は省きますが、この開発を最後に狭山丘陵の自然を保護していく方向に合意がなされました。それが、「さいたま緑の森博物館」の開設や公益財団法人「トトロのふるさと基金」さんの設立にもつながっています。
「さいたま緑の森博物館」についてはこちらをご覧ください。
連載第8弾 そのままの自然が展示物!~さいたま緑の森博物館を案内してもらいました~
https://tokorozawanavi.com/news-jin20201113/
今日これから周るルートも当時の話し合いでつくられた散策道が含まれています。早速行ってみましょう。
この場所は埼玉県狭山丘陵いきものふれあいの里 湿性植物の里(スポット3)にも指定されています。
まず目に入ってくるのは、トトロの森20号地21号地です。ここはトトロのふるさと基金さんが取得した20番目と21番目の森になり、両者は隣接しております。
▲ピースじゃないよ。20だよ。
本日のコースにはたくさんのトトロの森が登場しますのでお楽しみに。
むなぞー:この色のついたテープが巻いてある木は何?
じん:ナラ枯れの目印だね。
むなぞー:今問題になっているやつですね。
じん:カシノナガキクイムシという虫が木の中に入り込んでおきるよ。背中についたナラ菌を感染させ木の通水機能を阻害して、木を枯らしちゃうんだよね。トトロのふるさと基金さんではその被害の程度をテープの色で表している。
むなぞー:どうやって見分けるの?
じん:木の根元におが屑があると虫が入りこんでいる目印になるよ。
むなぞー:他にもいろいろ木につけていたりしますね。
じん:トラップを仕掛けたり、カシノナガキクイムシが拡散しないように対策しているけど、なかなか抜本策がみつからないのが現状だよ。
むなぞー:たいへんなんですね。
じん:若い木よりも老木に入り込みやすい傾向があるみたい。木の若返りを自然が進めているって考えもできるね。人間と自然との共存ってやっぱり大切だね。僕ももっと勉強するね。
散策を続けましょう。
この森の周辺は葛籠入という地名になります。この森は近年、トトロのふるさと基金さんが急速に取得を進めた場所になります。トトロの森31号地、33号地(26号地と隣接)と続いています。その理由については後で説明しますね。
森の中を歩いていくと視界が開けました。葛籠入の湿地に到着です。この湿地に隣接するのはトトロの森34号地、湿地自体はトトロの森51号地になります。
この場所は砂川堀の支流の源流部になります。初夏の頃にはたくさんのホタルが舞う場所です。水が綺麗な場所でないとホタルは生息できません。この場所にホタルが舞う光景はとても幻想的です。
むなぞーさんの隣の機器は照明が湿地の生態系に与える影響について調べるためのものです。ここにはデッキが整備され、狭山丘陵に残された湿地の動植物を観察できるようになっています。むなぞーさん楽しそうですね。今度はホタルを見に来ようね。
②トトロの森・葛籠入湿地水源地
葛籠入湿地のデッキを進むと行き止まりになっています。木の生えていない不思議な斜面が現れました。ちょっと違和感のある景色ですね。
デッキを引き返しぐるっと森の中を抜けて、狭山湖外周道路にでてこの斜面の上部に周ってみました。こちらから見ても大きな木はありませんね。
ここは、トトロの森・葛籠入湿地水源地になります。かつて墓地計画が持ち上がりそれに伴い伐採された森になります。葛籠入湿地側から見た斜面にコンクリートで固めた擁壁をつくり、その上部を公園墓地にする計画でした。先ほどトトロの森の取得を急速に進めたと述べましたが、それはもし墓地ができてしまってもそれが広がるのを防ぐためでした。
最終的に墓地計画は取り下げられ2019年3月に公有地されました。トトロのふるさと基金さんの呼びかけで、この森を守るためにたくさんの人から集められたお金は、所沢市にその取得資金にと寄付されました。
現在は伐採されてしまったこの森を再生させるために、所沢市とトトロのふるさと基金さんとが協力して活動を行っています。2020年には関係者と所沢高校の生徒さんによってアカマツの幼木の植樹が行われました。伐採前の時点でのこの森について、映画監督の宮崎駿さんは「たからもの」とトトロのふるさと基金さんの会報で表現していました。たくさんの想いがつまった場所、そんな森の姿がまた見られるように大事に見守っていきたいと思います。
③和幸の森から比良の丘へ
散策に戻りましょう。葛籠入の湿地から坂を登っていくと和幸の森につきます。
▲立派な碑が建っています。
ここは、故和田幸一さんの御遺志により所沢市に寄付された森になります。そのお名前にちなんで和幸の森と呼ばれております。
和幸の森から早稲田大学所沢キャンパスの脇を抜けていきます。狭山観音霊場31番「聴松軒」、三ヶ島湿地、トトロの森5号地を経由して比良の丘を目指します。
▲左:聴松軒 右上:三ヶ島湿地 右下:トトロの森5号地
聴松軒は、車道から少し森の中に入った場所にあります。本尊は馬頭観音です。
三ヶ島湿地は早稲田大学所沢キャンパスB地区にある狭山丘陵の埼玉県側にある湿地の中で最大のものです。ここに当初サブグラウンドをつくる計画がありましたが、この場所は保全されることになりました。葦などの湿性植物の風景が広がっています。一部は水田が復元されています。
トトロの森5号地は企業ボランティアさんと協力して管理している森になります。ここから先はさいたま緑の森博物館に含まれております。
狭山湖外周道路に出てしばらく歩くと遊歩道の入口がありますので、そこを下っていくと三ヶ島湿地の上流の砂川堀の源流近くにでます。詳しくは最後に添付します散策コースのマップを参照してみてください。そこから早稲田大学の敷地に沿って登っていくと比良の丘に到着します。
この場所は所沢市で一番標高が高いといわれている場所です。丘陵を見渡せる気持ちのよい場所です。
むなぞーさんの向こう側にある斜面にはひまわりが植えられ、夏にはたくさんのひまわりが咲き誇ります。実は絶対この場所を取材するつもりで、ひまわり&むなぞー写真をストックしてあるんです。どうぞ!
▲満開のひまわり!
葛籠入の森から比良の丘まで周ってきました。
むなぞーさん。ここまでの前編分につきまして感想いただけますか。
むなぞー:この連載が始まってから色んな所行ってきて、最近よく木の印を見てたんです。あのカラフルなテープは何を示しているのか?と。
今回は木が土に還るまでを知ることが出来ました。
弱肉強食とかは映像とかでよく見るし分かっていたけれど、植物や木のサイクルって意外と知らないんだなって実感しました。
比良の丘をキッカケに出会った方も多いんだよなぁ。
あっこれしんみりしそうだから後編にもういこーー!
むなぞーさんいつも素直で素敵なコメントありがとうございます。
後編では、比良の丘周辺を散策して枝垂れ桜が有名な金仙寺を目指します。
そして、ついに「このいいトコ発信ところざわ」最終回です。
グランドフィナーレを飾る所沢の春の風景をお届けします。お楽しみに。
協力:一般社団法人 所沢市まちづくり観光協会
モデル:宗像茜衣
公式ホームページ:「むなぞーのおうち」https://munakataai.localinfo.jp/
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