「所沢環境市民の会」設立総会 記念講演会が行われました。


 市民が主体ではじまった「所沢環境市民の会」さんが、この度新所沢公民館ホールにて設立総会を行いましたので、記念講演会も含めてリポートします。
 

 

取材:2023年1月15日 ボランティアライターじん

 


【もくじ】
① 所沢環境市民の会について
② 明日香壽川先生による記念講演
③ 所沢環境市民の会 設立集会

 

① 所沢環境市民の会について

 「所沢環境市民の会」は、所沢市内で再生可能エネルギーの普及推進などを行うグループが中心となり、環境活動に取り組む人たちとともに始まった市民活動になります。2021年より市内各所で準備会などを開催してきました。
 

▲準備会の様子
 
 準備会では有識者のお話を伺ったり、グループディスカッションを行ったりしていました。市民自らが問題点を共有し、課題解決に向けての意見を出し合ったりして、環境に対する意識を高めていきました。そして準備会を中心に、団体名、会則、役員構成などを検討し、2023年1月15日をもってスタートすべく、この設立総会、記念講演会開催の運びとなりました。
 

②明日香壽川先生による記念講演

 所沢環境市民の会設立総会に先立ち、東北大学東北アジア研究センター・同大学院環境科学研究科教授の明日香壽川(あすかじゅせん)先生の記念講演が行われました。
 テーマは「エネルギー気候変動問題の現状と課題:前に進むための具体的なロードマップ」です。
 

 
 今、世界で起こっていることについて説明いただき、それを防ぐための温室効果ガス削減が、全く目標に達していないことを具体的データとともに示してくださいました。現在政府が掲げるパリ協定に基づく温室効果ガス2030年46%削減目標(2013年比)は、達成するのを放棄しているかのような状態とのことです。
 

 
 温室効果ガス削減のための再生可能エネルギーの可能性や、現行の発電システムの問題点等についても詳しく説明いただきました。そして2050年カーボンニュートラル実現のための具体的提案について、詳しく丁寧に説明してくださいました。
 

 
 2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質0)は2050年までに達成できればいいというものではなく、もっと早く動いていかないと手遅れになる。そのためには今、何をすべきかを考えることが重要との言葉が心に残りました。
 

③所沢環境市民の会 設立集会

 明日香先生による記念講演に引き続き、所沢環境市民の会の設立集会が行われました。
 まずは、事務局長の栗田彰さんから今までの経緯や会の構成などの説明がありました。
 

 
 「地球規模で考えて地域で行動しよう」
 自分ひとりで考えても仕方がない、不便になるのは嫌、そういった考えを脱却し、自分事として受け止めることの必要性について説明され、地域のオピニオンリーダーを育てるため積極的参加を望むと述べられました。
 
 続いて小出愛菜さんにより設立宣言がなされました。
 

 
 国連の「2050年カーボンニュートラル」、所沢市の「2050年ゼロカーボンシティ」それを目指すために市民自らが活動すること、2050年までにやるのではなく今から行動することが宣言されました。幅広い世代での参加を求め、参加するみなさんの想いを集めて活動したいとの説明もなされました。
 
 続いて栗田事務局長から規約と細則案についての説明がなされ、拍手により承認されました。
 所沢環境市民の会は5つのワーキンググループ(WG)から構成されます。それぞれのグループリーダーからグループの説明がなされました。
 

●「創エネのまちづくりWG」リーダー小出浩平さん


 
 全国で活動している小出さんからは、その経験を所沢で活かしたいとの話がありました。ソーラーシェアリングによる耕作放棄地の活用についても説明がなされ、一歩ずつ、でも急いで取り組みたいとの想いが述べられました。
 

●「省エネのまちづくりWG」リーダー大島浩司さん


 
 創エネの前にまずは省エネがある、まだまだできることがたくさんあると説明いただきました。このWGでは「省エネ放談」というフリートークをYouTubeですでに公開されているとのことでした。
 省エネ放談 第1回はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=YndHvFxwUck
 

●「ごみゼロのまちづくりWG」リーダー小出愛菜さん


 
 設立宣言に続き登壇された小出愛菜さん。記念講演をされた明日香先生も一目置く若き環境活動家です。所沢市環境クリーン部の話を聞いて現状を知るところから始めているそうです。ごみ問題は身近すぎるためもう一歩をどうするかのアクションが難しい、身近だからこそ考えるきっかけにしたいとの想いが述べられました。またダイオキシン問題があった地域であることを、次の世代に伝えていく必要性についても言及されました。
 

●「緑と水を守り育てるまちづくりWG」

 司会の上田マリノさんから代理説明がなされました。自然はヒートアイランドの軽減、芸術のインスピレーションの創出、災害軽減などの効果があり、その自然との共存について周辺市町村とも広域で連携しながら考えていくとのことです。落ち葉や木材の活用について、市民参加も視野に活動していくことを検討していくそうです。
 

●「農業を守り育てるまちづくりWG」仮リーダー品川昭さん


 
 自身が代表を務める所沢市民ソーラーを例に、農業を活性化して二酸化炭素を吸収していこうと述べた品川さん。所沢での食料自給率を高め、地産地消を目指すとの説明がなされました。安心安全な食べ物を提供することについての想いを述べられました。
 
 続いて役員の紹介です。
 

 
 所沢環境市民の会の中心となって活動していく方々です。拍手をもって全員承認されました。
 
 最後に代表を務められる上田マリノさんから挨拶が行われました。
 

 
 現在所沢市の「マチエコアンバサダー」として活動されている上田マリノさん。かつてエコアイドルとしての経験も持つエコのおねえさんです。
 自身が所沢市と協力して様々な施策に取り組む中で、それを市民にうまく伝えられていないのではないかとの疑念があったそうです。市民から積極的に発信すること、また市民の意識をすぐに全員ではなく、少しの人数からでも変えていくことを当面の目標にすると説明されました。
 また会の目標を「早期解散」と述べられました。これは2050年カーボンニュートラルでは遅い、どういったように地域、所沢を残すのかをはっきりさせ、早く会の役割を終えることが理想とのことでした。
 地球気温上昇を完全に止めることはできないかもしれないが、そのカーブを緩めることはできる。そのために自分たちの足元から行動する場として、この会を進めていきたいとの決意を述べられました。
 

 
 「本日がそのスタート。是非趣旨に賛同される方は活動に参加してほしい。」
 活動に対する支援協力を依頼し挨拶を終えられました。会場は大きな拍手に包まれました。
 

 
 行政主体ではなく、市民が立ち上がって活動していく。そのスタートに立ち会うことができ熱い想いが伝わってきました。所沢の底力を感じます。きっとこの場に集まった人たちは「自分たちにできること」を考え行動していくきっかけになったと思います。
 「所沢環境市民の会」の活動をこれからも応援していきたいと思います。
 
 「所沢環境市民の会」への入会・支援・お問い合わせに関しましては、こちらまでお願いします。
 所沢環境市民の会 事務局
zap01340@nifty.com


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