「トトロの森をナラ枯れから救いたい!」 トトロのふるさと基金さんがクラウドファンディングを実施中です。
トトロの森がピンチです。
ナラ枯れの被害が広がっており、対策に協力を求めております。
取材:2023年1月 ボランティアライターじん
① ナラ枯れとは
ボランティアライターじんです。公益財団法人「トトロのふるさと基金」のボランティアをしております。この度トトロのふるさと基金さんがナラ枯れ対策に関するクラウドファンディングを開始しましたので、紹介させていただきます。
ナラ枯れとは、ナラ類、シイ・カシ類の木、所沢周辺でよく見かけるのは「コナラ」が多いのですが、その木の中に「カシノナガキクイムシ」が入り込むことによって発生します。カシノナガキクイムシの背中にはナラ菌が付着しており、その菌によって木の通水機能が麻痺することにより木が枯れてしまいます。これがナラ枯れです。カシノナガキクイムシは枯れた木の中で繁殖して、また次々に他の木に移っていきます。こうして被害が拡大していきます。
▲カシノナガキクイムシが侵入した木からは「フラス」という木くずがでています。
通水機能が麻痺した木は立ったまま枯れます。緑色だった葉も枯れて茶色く変色します。若い木より老木にその被害が多くみられます。
上の写真は狭山丘陵の南西部にある六道山展望台から2022年8月に撮影したものです。まだ紅葉の時期ではないのに茶色く見える部分がナラ枯れを起こしている木になります。このようにトトロの森のある狭山丘陵では近年急速にナラ枯れの被害が拡大しております。
②トトロの森の現状
トトロのふるさと基金さんが取得して管理している「トトロの森」は2023年1月現在60ヶ所あります。様々な森がありますが、その多くにはナラ類の木があります。1ヶ所ずつ調査し、被害状況をみながら、カシノナガキクイムシ対策のトラップを仕掛けたりしています。
▲被害状況を調査しています。
▲トラップを仕掛けています。
しかしながら、ナラ枯れの被害を完全に防ぐ方法は見つかっていないのが現状です。残念ながら、枯れてしまった木を生き返らすことはできません。
トトロの森は住宅地の中に浮かぶ緑の孤島のような狭山丘陵にあります。トトロの森のすぐ脇に住宅地があったり、人々が散策するハイキングコース、生活道路に隣接する場合もあります。枯れてしまった木はいつ倒れるかわからず危険なため伐採が必要です。
被害を受けた木は多くが老木であるため、その高さ、幹の太さが巨大な場合があります。かつ生活圏のそばの森で安全に伐採するためには、どうしても専門技術が必要とされたり、特殊な方法を用いなくてはならない場合があります。簡単にいうと膨大なお金がかかります。森の維持管理費用は、皆様からの善意の寄付金やオリジナルトトログッズの売り上げなどで賄われておりますが、森を守るための事業費は年々増大しているのです。
③未来にトトロの森を残すために
森を守っていくための解決方法に、狭山丘陵でかつて行われていた「萌芽更新」という方法があります。人が定期的に森の木を伐採し、森を若返らせる手法です。老木になる前に木を伐採するとその切株から芽がでてきます(萌芽といいます)。これを育てると、通常のどんぐりの芽(実生といいます)から育てるよりも早く木は成長することができます。この萌芽更新の繰り返しにより、かつて森は管理されてきました。手入れの行き届かない森が増えたことで、森に老木が増え、今回のナラ枯れの被害が拡大したとも考えられます。
そのため、老木を伐採し、森を若返らせ、新しく育てていくこと、そのための資金として今回のクラウドファンディングを行っております。
詳しくは、こちらのトトロのふるさと基金さんのクラウドファンディングの頁をご覧ください。
https://camp-fire.jp/projects/view/640491?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show
▲画像提供:(公財)トトロのふるさと基金
目標額は3,000,000円、募集期間は2023年2月28日までです。All-In方式で行われております。トトロのふるさと基金さんでは、賛同いただける方の支援を求めております。この記事や、トトロのふるさと基金さんのクラウドファンディングの説明を読んで、その趣旨にご賛同いただけた方は是非ご協力ください。
未来にトトロの森を残すために
1人ひとりの小さな想いが「トトロの森」へのひとしずく
(公益財団法人)トトロのふるさと基金についてはこちら
https://www.totoro.or.jp/