所沢も「プラごみ削減!」宣言
環境教育は幼児から
紙芝居で学ぶ ごみの分別・資源のリサイクル
▲所沢市で活躍しているEVパッカー車
海洋ごみによる環境汚染問題が世界的な課題となり、世界中で今、プラごみ削減へのムーブメントが起きています。所沢市でも昨年12月、藤本正人市長が「マチごとプラスチックごみ削減」の取り組みを宣言し、さまざまな啓発活動を実施。所沢市保育幼稚園課の保育士たちの取り組みや、所沢市のごみの分別や出し方についてご紹介します。
文:2019年7月10日成田知栄子
もくじ
1.「エコに配慮した行動をとることができる大人に」
2.悲劇をつくっているのは誰?
3.ごみ分別の変遷
4.あなたのごみの分別・出し方、大丈夫?
1.「エコに配慮した行動をとることができる大人に」
▲市内保育園の読み聞かせの様子
海ごみによる海洋環境の汚染が深刻化し、生態系や人への影響も懸念されています。日本が初めて議長国を務めた先月開催のG20大阪サミットでも、2050年までにプラスチックごみ(以下、プラごみ)による新たな「海洋汚染ゼロ」を目標とする『大阪ブルー・オーシャン・ビジョン』が共有されました。政府も来年4月からレジ袋の有料化を義務付ける方針を示しているほか、ユニクロをはじめとするグローバル企業もプラスチック包装の廃止を宣言するなど、世界でプラごみ削減への動きが強まってきています。
所沢市では、昨年(2018年)12月に藤本正人市長が市の職員に向けて「マチごとプラスチックごみ削減」の取り組みを宣言。今年5月21日に環境クリーン部職員で構成する「プラスチックごみ削減タスクフォース」が発足し、プラごみ削減へのさまざまな啓発活動が行われます。
また、所沢市保育幼稚園課では、保育士たちが「子どもたちにも一緒になってプラスチックごみについて考えてもらいたい」と紙芝居を企画・制作し、この春から市立保育園での読み聞かせを開始しました。
この取り組みは、「園児に海ごみ問題を知ってもらい、エコに配慮した行動をとることができる大人に育って欲しい」という思いが込められているそうです。
2.悲劇をつくっているのは誰?
▲保育士たちが作った紙芝居の冒頭のページ(提供:所沢市資源循環推進課)
所沢市保育幼稚園課の保育士たちが制作した紙芝居のタイトルは「ひろいうみのおはなし」。
主人公は1匹の子ガメで、お腹を空かせてクラゲを食べようとすると、それは、クラゲではなく、ビニール。お父さんカメは、鼻にストローが刺さり、痛みで涙をボロボロだしています。そして、助けを求めて探しにでかける物知りクジラおじさんも・・・
子ガメの周囲でおこる悲劇の原因は?
紙芝居をみている小さな子どもたちにも考えさせることができるストーリーに仕上がっています。
▲やさしいタッチの色遣いで紙芝居が描かれています(提供:所沢市資源循環推進課)
「所沢市には海がなく、普段海を見ない子どもたちにも理解できるように、海と川をつなげる工夫をしました」と制作にあたった保育士は話しています。
紙芝居のエンディングでは、海ごみ問題のために、子どもたちが普段の生活でできる「ごみを分別して捨てる」「マイバッグを持参して買い物をする」「マイボトルを使用してペットボトルの廃棄量を減らす」ことを提案しています。
▲「ひろいうみのおはなし」より抜粋(提供:所沢市資源循環推進課)
この「ひろいうみのおはなし」の紙芝居は所沢市立所沢図書館で貸出・閲覧ができるほか、インターネットでも紙芝居動画をみることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=2WeOap0HLN0
3.ごみ分別の変遷
ごみの分別は自治体ごとに異なりますが、所沢市のごみの分別方法はご存知でしょうか?
所沢市では、ごみ分別は、現在、次の10項目に分類されています。
▲所沢市の「家庭の資源とごみの分け方・出し方(平成31年度)」より抜粋
所沢市の資料「清掃事業概要」によると、1984年(昭和59年)のごみの分別は、「可燃物」「不燃物」「有害ごみ」「粗大ごみ」の4項目しかありませんでしたが、1991年(平成3年)にリサイクル法(資源の有効な利用の促進に関する法律)が施行され、所沢市も「びん・かん」をリサイクルするために別回収となり、「可燃物」「不燃物」「びん・かん」「有害ごみ」「粗大ごみ」の5項目になりました。
その後、リサイクルごみの項目が増え、現在のように「ペットボトル」「プラスチック」「小型家電製品」「古着・古布」「新聞・雑誌・雑がみ・段ボール」「びん・かん・スプレー缶」が資源物として分別して回収されるようになりました。
※平成30年度から「プラスチック」ごみは「容器包装プラスチック」ごみと名称を変更
4.あなたのごみの分別・出し方、大丈夫?
この上記のような10項目の分類。積極的に普段から分別を行っているという人でも、間違った認識で分類している場合も見受けられます。
分別のポイントは、「素材がどうか」「燃やせるかどうか」だけではなく、「リサイクルできるかどうか」という観点で分類することがポイントです。
所沢市役所環境クリーン部資源循環推進課に、気をつけて欲しいごみの分別や出し方についてききました。
◆気をつけて欲しい事 その1
「容器包装プラスチック」はプラマークがついているかどうかを確認して分別してください。プラマークがついているものは資源としてリサイクルできますが、ついていないものはリサイクルできない素材で作られています。その場合は「破砕ごみ類」へ。
例えば、クリーニングの袋にはプラマークが付いていないため、「容器包装プラスチック」ではありません。
クリーニングの袋もハンガーもリサイクルできないので、「破砕ごみ類」に分類して出してください。
※ハンガーはクリーニング店でリサイクル用に回収しているところもあるので利用してください。
▲プラマーク このマークがついていたら、「容器包装プラスチック」に分類
◆気をつけて欲しい事 その2
プラマークが付いていても、汚れているものはリサイクルできません。洗ってから捨てましょう。どうしても汚れが落ちないものは、「破砕ごみ類」へ。
▲所沢市の「家庭の資源とごみの分け方・出し方(平成31年度)」より抜粋
◆気をつけて欲しい事 その3
雑がみも紙のリサイクルにつながりますので、分別してリサイクルしましょう。でも中にはリサイクルできない紙もあります。よく間違えられるのは、詰め物用に使われている「昇華転写紙」といわれている紙。特殊なインクをつかっているものなのでリサイクルできません。
雑がみとして出せるもの・出せないものを次の表でまとめてあります。
▲所沢市の「家庭の資源とごみの分け方・出し方(平成31年度)」より抜粋
◆気をつけて欲しい事 その4
生ごみは「燃やせるごみ」ですが、よく水気を切ってから出してください。
水気を切ることによって、燃焼効率も高まり、エネルギーのエコにつながります。
▲所沢市の「家庭の資源とごみの分け方・出し方(平成31年度)」より抜粋
◆気をつけて欲しい事 その5
ライターは、必ず安全のために、無色透明の別袋で「破砕ごみ類」に出してください。
別袋にして出さないと、他の「破砕ごみ類」と一緒にパッカー車で収集されてしまい、ライターが原因とみられる車両火災が毎年発生しています。
▲所沢市の「家庭の資源とごみの分け方・出し方(平成31年度)」より抜粋
その他、ごみの分別に関して、もう一度、各家庭に配布されている「家庭の資源とごみの分け方・出し方」でご確認を。
所沢市のホームページでも確認ができます。
また「所沢市ごみ分別アプリ」も便利です。
▲所沢市の「家庭の資源とごみの分け方・出し方(平成31年度)」より抜粋