『コロナ禍とアマビエ 6人の現代アーティストが「今」を考える』/『不自然(マンメイド)な植物展』


所沢在住のイラストレーターで文筆家の田中ひろみです。

▲鴻池朋子さんの作品《武蔵野皮トンビ》が掲げられる「角川武蔵野ミュージアム」の前の田中ひろみ

所沢の『角川武蔵野ミュージアム』へ、『コロナ禍とアマビエ 6人の現代アーティストが「今」を考える』(5月8日(日)まで。※本展示は終了しております)と荒俣ワンダー秘宝館での特集展示『不自然(マンメイド)な植物展』(7月31日(日)まで)のマスコミ内覧会へ行ってきました。

老若男女六人の現代アーティスト会田誠さん 、鴻池朋子さん、川島秀明さん、荒神明香さん、大岩オスカールさん、大小島真木さんの作品が、角川武蔵野ミュージアム2階エントランスロビーや、4階のエディットアンドアートギャラリーにて展示されています。


▲大小島真木/綻びの螺旋/2021/サイズ可変/ミクストメディア・インスタレーション/写真:足利森/© 2021 Maki Ohkojima Courtesy of Kadokawa Culture Museum
2階のエントランスロビーに入ると、床に文字の描かれた黒い螺旋が、枝葉のように作品に向かって伸びています。正面には大小島真木さんの大きな木のような作品《綻びの螺旋(ほころびのらせん)》。ちなみに4階は有料ですが、2階のエントランスロビーは無料で入れます。


▲会田誠/疫病退散アマビヱ之図/2020/ターポリンにプリント/H4995 x W3528 mm/© 2020 Makoto Aida Courtesy of Kadokawa Culture Museum
会田誠さんのターポリン(ビニール系の素材の生地)に大きくプリントされた作品《疫病退散アマビヱ之図》が展示されています。
原画は、4階のエディットアンドアートギャラリーに展示されています。モリを持った裸の人物がアマビエと一緒に描かれ、太陽を背に力強くいかにもコロナウィルスをやっつけてくれそうです。


▲『コロナ禍とアマビエ 6人の現代アーティストが「今」を考える』
4階のエディットアンドアートギャラリーの入り口には、みどりと青の大きなポスター。海の波のような青いもっこりは6人の作家とAMABIEを表しているそうです。このポスターや会場デザインは、BULLETの小玉文さん。

6人の現代アーティストの作品とメッセージが展示され、まるで巨大な本の中に入っていくような空間構成になっているそうです。


▲荒神明香/reflectwo/2008/2021/H7000 x W2600 x D900 mm/造花、アクリル、ワイヤー/© 2021 Haruka Kojin Courtesy of Kadokawa Culture Museum
入るとすぐ、造花の花びらをワイヤーで吊るした荒神明香(こうじん・はるか)さんの作品《reflectwo(リフレクトゥ)》
利根川の水面に映った風景に着想を得て作られた作品だそうです。美しくてため息が出ます。私には、お坊さんが持つ法具の独鈷杵(どっこしょ)の形に見えました。

メッセージ:人工と自然、生と死、強烈な景色には不思議とその両義性が宿る。


▲大小島真木 Re forming 《 I 》/2021/サイズ可変/ミクストメディア・インスタレーション/作家蔵© 2021 Maki Ohkojima Courtesy of Kadokawa Culture Museum
そして、大小島真木さんの作品「Re forming 《 I 》」。絵と映像を組み合わせた手法のミクストメディア・インスタレーション。
私たちは、食べたいろんな生き物をとりいれて、常に変容してるということを映像の中に盛り込んでいるそうです。

メッセージ:〈私〉は存在せず、〈私〉は現象する


▲会田誠《灰色の山》2009-2011/キャンバス、アクリル絵具/300×700cm/制作協力:渡辺篤/撮影:宮島径/タグチアートコレクション蔵/©︎AIDA Makoto Courtesy of Mizuma Art Gallery
会田誠さんの 《灰色の山》は、サラリーマンの屍やOA機器が積み重なっています。サラリーマンは灰色がよく似合います。近くでよく見ると、ウォーリーも隠れています。

メッセージ:すべて太陽ありきで、その末端で生きている僕たちは「生きているだけでめっけもん」


▲川島秀明/SHI/2020/H1620 x W1620 mm/キャンバスに油彩、アクリル絵具/© 2021 Hideaki Kawashima Courtesy of Kadokawa Culture Museum
川島秀明《Beg(手を出している人物)》/2021/1303 x 894 mm/キャンバスに油彩、アクリル絵具/作家蔵© 2021 Hideaki Kawashima Courtesy of the artist

 元は比叡山の僧侶だったという異質の経歴を持つ川島秀明さん。今回は、普段とは違う感じの作品になったという下側の中心の作品《SHI》は、釈迦が説く、生・老・病・死という四つの苦しみ〈四苦(しく)>を表しているそう。周りには、春夏秋冬の〈四季>を表した作品《SHIKI》。上は、手をだしている人物《Beg》缶を持つ人物 《Stay Home》

メッセージ:死別は関係の断絶ではなく、変化だという事


▲大岩オスカール《path to the light》2018/H2286 × W4445 mm/キャンバスに油彩、ARアプリ/作家蔵© 2021 Oscar Oiwa Courtesy of the artist
ニューヨーク在住の日系ブラジル人アーティストの大岩オスカールさんの作品 《 path to the light 》は、絵画の遠近法が強調されて光に吸い込まれていくような世界が描かれています。 ARアプリを使うと、絵画の中に入っていけるという展示になっています。

メッセージ:旅に出たい。匂いや光や水の微妙な違い、旅で感じた環境は、作品に現れるから。


▲鴻池朋子さんの作品《武蔵野皮トンビ制作インスタレーション》
鴻池朋子さんの作品《武蔵野皮トンビ制作インスタレーション》。武蔵野皮トンビのほぼ等身大の顔や、作品の設営の風景などの写真が貼られています。「角川武蔵野ミュージアム」館長の松岡正剛さんや「角川武蔵野ミュージアム」をデザイン監修された隈研吾さんなどのメッセージも展示されています。

メッセージ:「作品は作家のもの」という物語や見方を断ち切る


▲作品は撮影OKです。大岩オスカールさんの作品以外は動画は禁止

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特集展示『不自然(マンメイド)な植物展』が、同じく角川武蔵野ミュージアム  4階の荒俣ワンダー秘宝館にて開催。
プロデュースは、ウサギノネドコ。ウサギノネドコは、京都を拠点に「自然の造形美」を伝える「ミセ」「ヤド」「カフェ」活動を展開されている。


▲荒俣ワンダー秘宝館で説明をするウサギノネドコ代表の吉村紘一さん
『不自然(マンメイド)な植物展』はウサギノネドコ代表の吉村紘一さんが選んだ7名のアーティストの作品が展示されています。植物をさまざまなアプローチで作品にしているアーティストたちが選ばれています。植物が、様々な手法で美しく表されています。


▲簪作家 榮《青彼岸花》
簪作家 榮さんの作品《青彼岸花》。この世に存在しない青色の彼岸花をワイヤーと合成樹脂液を使用したアートフラワーで繊細に表現されています。


▲鈴木祥太《綿毛蒲公英-群-》
鈴木祥太さんの作品《綿毛蒲公英-群-》。金属で作られたとは思えない繊細なタンポポの綿毛。


▲佐々木 類《植物の息》
佐々木類さんの《植物の息》。ガラスに挟んだ植物を窯の中で焼成し、灰、水、空気、土を閉じ込めた作品。


▲ウサギノネドコ《種子散布 – 【左】火 – 【中】風 – 【右】水》
ウサギノネドコさんの作品《種子散布 – 【左】火 – 【中】風 – 【右】水》。植物が広範囲に自らの子孫(種子)を運ぶために風や火や水を使った戦略を表現した作品


▲馬場恵《Cycle of Light -Umwelt- 光をめぐる環世界》
馬場恵さんの作品《Cycle of Light -Umwelt- 光をめぐる環世界》。光合成をやめた植物と共生を選んだ植物を表現した作品。


▲村山誠《Phal. Maiko Waltz》
村山誠さんの作品《Phal. Maiko Waltz》。3D モデリングソフトウェアなどを駆使して作られた精巧な大きなランの花。


▲多田明日香《flora》
多田明日香さんの作品《flora》。花びらで、「女性の骨」を表現されています。


▲本田亮《ライオン》
同時開催企画:【本田亮 葉っぱでアート】本田亮さんが、葉っぱを用いて描いた動物の写真を展示されています。


▲左から、木ノ内雅章さん(角川武蔵野ミュージアム 広報)、ウサギノネドコ代表の吉村紘一さん、大小島真木さん、川島秀明さん
紅白でYOASOBIが歌った角川武蔵野ミュージアム4階の「本棚劇場」で、記者会見が行われました。展覧会と一緒に「本棚劇場」も見られます。まさにアートと本の融合の世界観を感じることができる空間です。
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【コロナ禍とアマビエ 6人の現代美術家が「今」を考える】※本展示は終了しております
会期:2022年01月22日(土) ~ 05月08日(日)まで
出品作家:会田誠 鴻池朋子 川島秀明  荒神明香 大岩オスカール 大小島真木 
会場:角川武蔵野ミュージアム4階 エディットアンドアートギャラリー
https://kadcul.com/event/65

特集展示【不自然(マンメイド)な植物展】
会期:2022年01月22日(土)~ 7月31日(日)まで
会場:角川武蔵野ミュージアム4階 荒俣ワンダー秘宝館
https://kadcul.com/event/65

開館時間:日~木 10:00–18:00   金・土 10:00–21:00
入館締切:閉館30分前まで
休館日:第1・3・5火曜日
◎休館日が祝日の場合は開館・翌日閉館。
◎ 祝日開館時の営業時間は該当する曜日に準ずる。
( 開館日・時間は変更される場合もあるので、休館日の最新情報を公式ウェブサイトでご確認の上、来館ください)

チケット価格:KCM スタンダードチケット(本棚劇場含む)
【オンライン購入価格(税込)】大人(大学生以上):1,200円/中高生:1,000円/小学生:800円/未就学児:無料
【当日窓口購入価格(税込)】大人(大学生以上):1,400円/中高生:1,200円/小学生:1,000円/未就学児:無料



記事の執筆者プロフィール

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田中ひろみ Hiromi Tanaka
所沢在住 イラストレーター&文筆家。 奈良市観光大使、女子の仏教レジャーサークル「丸の内はんにゃ会」代表。イラストと文と講演で活動中。著書は仏像や寺社仏閣や恋愛、絵本など多岐にわたり「心やすらぐ仏像なぞり描き」(池田書店)など約70冊。

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