「ライオンズオンラインフェスタ 2020」 グランドプリンスホテル新高輪会場リポート


毎年11月23日に開催されている「ライオンズサンクスフェスタ」ですが、新型コロナウイルスの影響により、残念ながら今年の開催は中止となってしまいました。
  
しかし、サンクスフェスタといえば、年の最後のビッグイベント。毎年選手と触れ合いを楽しみにしているファンも大勢います。そんなファンに向け、サンクスフェスタの代わりとなるイベント「ライオンズオンラインフェスタ 2020」が行われました。
  
グランドプリンスホテル新高輪と、メットライフドームに隣接する「グリーンフォレスト デリ&カフェ」。二つの会場から、一部録画を交えつつ生配信メインで行われた、球団初となるイベント「ライオンズオンラインフェスタ 2020」。今回は、メイン会場であるグランドプリンスホテル新高輪の模様をリポートしたいと思います。
  
グランドプリンスホテル新高輪 大宴会場「飛天」

監督や主力選手と、幸運にもチケットを購入できた200数十名のファンが集まった、メインに相応しい豪華な会場では
  

第一部「鉄壁のブルペン編」
第二部「ライオンズ・サイコロトーク編」
第三部「監督編」
第四部「ライオンズ観光局編」

  
の、四部構成のトークショーが行われました。それでは早速、正統派からユニークなものまで、個性溢れるトークショーの内容を覗いてみることにしましょう。
  

第一部「鉄壁のブルペン編」


  

シーズン後半、Bクラスからの巻き返しの原動力となったリリーフ陣、増田、宮川、平井、森脇、小川、平良各投手に、MCとして岡田捕手を加えて行われた「鉄壁のブルペン編」。中でも大活躍だったのが、セーブ王に輝いた増田投手です。さぞや他の選手からリスペクトされているかと思いきや、森脇投手からは「増田さんはロッカーが隣りなんですけど、いつも僕のロッカーにゴミを捨てます」
  
平井投手からは「僕も増田さんのロッカーの隣りで、僕のロッカーの横に洗濯物を出すランドリー袋があるんですけど、増田さんが洗濯に出そうと放ったバスタオルが、ランドリー袋に届かず僕のロッカーに降ってきます」と、苦情の嵐。
  
挙句に「僕の中では、森脇のロッカーがゴミ箱」と開き直る増田投手。無茶苦茶です。
  
しかし、「俺的最優秀中継ぎ投手賞」というトークテーマでは、前日発表された増田投手のFA宣言残留発表を受けた平井投手の「やっぱり増田さん。残ってくれてありがとうございます!」という発言に、場内からは割れんばかりの拍手が起こりました。いたずら好きな面はあるものの、増田投手が選手からもファンからも頼りにされていることがよく分かるシーンでした。来年以降も、ライオンズの絶対的守護神としての活躍に期待したいですね。

  

第二部「ライオンズ・サイコロトーク編」


  

コーナー司会のあさりど堀口さん曰く「とある番組のオマージュ」。オマージュというより、そのまんまの気がしますが、二人目にサイコロを振った源田選手の出たトークテーマは、「今だから言える、ありがとう」。
  
プロ野球ではどのチームでも、試合前に選手が円陣を組み、その日の係が短いスピーチをします。これを「声出し」というのですが、ライオンズではその抜群の面白さから、熊代選手の声出しが名物になっています。
  
しかし、「熊代さんのせいで、声出しは『面白いことを言わなきゃいけない』という風潮になった」そう。「シートノック中もそっちのことで頭がいっぱいになっちゃう」ほど、各選手がプレッシャーを感じているけれど、そんな選手の拠りどころが熊代選手。試合前にどんなことを話せばいいか、いつも相談してもらったことを「一年間、助けてもらってありがとうございました」と感謝していました。
  
最初は「熊代さんのせい」と愚痴って笑いを取りつつ、最後は持ち上げて締める。源田キャプテンの、今の時代らしい優しいリーダー像が垣間見えるトークでした。
  

第三部「監督編」

辻発彦監督、松井稼頭央二軍監督によるトークショー。一軍と二軍の監督によるトークショーは、これまでになかった企画ですが、ベテランアナウンサー・鈴木光裕氏による巧みな進行もあって、会場は落ち着いた大人の雰囲気に。
  
辻監督は、増田投手について尋ねられると
  
「最高ですね。でも、決まるまで何にも喋らないんですよ、あいつ。ニタッと笑うだけで、近づいてっても離れていくし。嫌われてるのかと思った」と、冗談を交えてご機嫌そのもの。
  
「でも、ライオンズがいいんですよ。ジャイアンツのユニフォームなんか似合わない」との発言には、会場から控えめな笑いと大きな拍手が起こりました。
  
就任一年目だった松井二軍監督は、選手の初安打に喜び、成長を見守り、連敗に苦悩したシーズンだったそう。二軍から昇格した選手が一軍出場を果たすと「使っていただいてありがとうございます」と、辻監督に礼を言っていたとのこと。あのスーパースターも今やすっかり監督なんだなあ、としみじみ感じました。
  

第四部「ライオンズ観光局編」


  

新型コロナウイルスにより大打撃を受けた観光業。そんな地方経済を潤すべく、選手達が自身の故郷の魅力を猛烈にアピールする、「ライオンズ観光局編」。
  
最初のテーマは「地元のおすすめ最強フード」。群馬出身の柘植世那捕手が焼きまんじゅう、青森出身の外崎選手がつがる漬けと、美味しそうなご当地名物が並びます。
  
そんな中、大阪出身の森友哉選手が挙げたのは、たこ焼き。「どんなたこ焼き好きの友人を連れて行っても、『ここが一番うまい』って言う」ほど美味しいらしい地元のたこ焼き屋を挙げていました。
  
ちなみに、「表面カリカリのたこ焼きは、関西人は好きじゃない。全部トロトロが好き」だそう。たこ焼きの本場の意外な真実。聞いてみなければ分からないものですね。
  
「思い出スポット」というテーマでは、外崎選手が「高校の同級生で、いま芸人をやってるコータローの家」を挙げるという暴挙に。外崎選手は「(ファンが行っても)多分大丈夫」と言っていましたが、みなさんどうぞ本気にされませんよう。そもそも、どこに家があるのかわかりませんが。

今回紹介した内容は、トークショーのほんの一部です。残念ながら見逃してしまった方。記事を読んで興味を持たれた方。今からでも遅くありません。ニコニコ生放送のタイムシフト視聴で、来年の1月31日まで、トークショーを含めた有料配信7番組の視聴が可能です。詳しくは埼玉西武ライオンズ公式ホームページ内「タイムシフト視聴についてのお知らせ」 https://www.seibulions.jp/special/2020online/information/ にてご確認ください。
  
今回のイベントは、何万人も動員している例年に比べると、非常に小さな規模で行われました。会場のファンは、大きな声をあげることも、選手とハイタッチすることもできませんでした。そもそも会場に来ることのできないファンが大多数でした。時世を考えれば仕方のないことかもしれません。しかし、そんな中にあっても、「どうすれば選手とファンが一緒に楽しめるだろう」と最大限の努力をしてくれた球団には、心から拍手を送りたいと思います。
  
来季も、今年同様コロナの感染拡大防止へ配慮したシーズンになると思います。しかし来年は、バックネット裏や外野席、大型ビジョンがリニューアルされ、2018年から始まった改修計画がいよいよ完成する年。
  
加えて、増田、熊代両選手の残留が決まり、ライオンズに追い風が吹いているように感じるのは、きっと気のせいではないと思います。この大きな流れを逃すことなく、コロナに打ち勝ち、令和の時代に今一度黄金時代を打ち立ててほしいと切に願いつつ、今回はこの辺でお別れしたいと思います。


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