受け継がれる伝統、受け継がれる思い LIONS THANKS FESTA 2022
11月23日、ベルーナドームにて「LIONS THANKS FESTA 2022」が行われました。
当日はあいにくの雨模様でしたが、そんな悪天候を吹き飛ばす熱気溢れるイベントとなりました。
今年のメイン企画は『獅立ライオンズ学園』。「クラス分け」された各選手が学校の授業に見立てられたイベントでポイントを競う選手対抗企画や、トークショーなどが行われました。
目隠しをしてベルーナドームのグルメ「獅子まんま」を当てる「家庭科」や、選手の登場曲を当てる「音楽」、選手が一番得意な(はずの)体育などで、選手たちは楽しく真剣に対決。スタンドからはファンの笑い声が絶えませんでした。
個人的には、3時間目の「美術」での、球場に留まらずネットまでざわつかせた佐藤隼輔投手の綾波レイのコスプレを見逃してしまったことが悔やまれます(涙)
そんな大盛り上がりのイベントと並行し、グラウンドの外野エリアでは、ファンクラブ会員限定で写真撮影会やサイン会など、選手とのふれあい企画が行われていました。
コロナの流行により以前のような選手と触れ合う企画が実施できず、ファンもやきもきしていたと思います。徐々にではありますが、かつてのような楽しい企画が戻ってきてくれるのは嬉しいことですね。
楽しい企画盛りだくさんの「ライオンズ サンクスフェスタ 2022」ですが、今回特に印象深かったイベントを紹介します。
辻󠄀発彦前監督トークショー
今季限りでライオンズのユニフォームを脱ぐ辻󠄀前監督がトークショーに登場。就任時のエピソードや指揮をとった6年間を振り返りました。
2017年、中日ドラゴンズのコーチからライオンズの監督に就任した当初は「コーチは選手との距離感が近いが、監督は一枚壁がある」と戸惑ったそう。しかし、真っ赤な「炎獅子(えんじし)」ユニフォームを身に付け戦った「ライオンズフェスティバルズ2017」では13連勝を含む20勝4敗。辻󠄀前監督自身「強かったですねえ!」と感嘆するほどの破竹の勢いを見せました。
この年、前シーズンまで3年連続Bクラスだったチームを2位に躍進させたのを始め、6年間でリーグ優勝2回、2位1回、3位2回、6位1回と、監督就任期間中ほぼAクラスをキープ。強いライオンズを取り戻してくれました。
日本一の栄冠に手が届かなかったことは残念ですが、その夢は松井稼頭央新監督に託すことになります。
そんな来季から指揮を執る松井新監督に
「松井稼頭央は松井稼頭央でしかない。自分らしくやればいい。思う存分、暴れてほしい」と、エールを送り、辻󠄀発彦前監督はグラウンドを後にしました。
辻󠄀さん、6年間本当にお疲れ様でした!
髙橋光成投手 寄付金贈呈式
ライオンズでは多くの選手が社会貢献活動を行っています。ライオンズのエースとして今季12勝の活躍を見せてくれた髙橋光成投手も、2021年のシーズンから公式戦で1試合登板するごとに2万円を積み立て、シーズン終了後に地震や豪雨災害などの現場で行方不明者の捜索を行う捜索救助犬を育成・派遣している「NPO法人日本捜索救助犬協会」へ寄付をしています。
そしてこの日、髙橋光成投手によるへの寄付金の贈呈式が行われました。今年2022年シーズン26試合に登板した髙橋光成投手は、52万円の寄付金を贈呈。
活動に取り組む思いを訊かれ
「人の役に立ちたい、貢献したい、という思いがある。一試合でも多く投げて、この活動を続けて行きたい」と答えた髙橋光成投手。
マウンド上ではピンチの時もエースとして相手打者に立ち向かう彼も、プライベートでは大の愛犬家。強い使命感と優しい人柄がよくあらわれた、髙橋光成投手らしい活動だと感じました。
新ユニフォーム発表会
今回のサンクスフェスタでは、来年からライオンズの選手らが着用する新しいユニフォームがお披露目されました。
©SEIBU Lions
©SEIBU Lions
「原点である白色の美しさを活かした」というデザインは、これまでのユニフォームをベースにしているため、ファンに違和感なく受け入れられると思います。
ユニフォームの中心に伸びる西鉄ブラック、ライオンズブルー、そしてレジェンドブルーのグラデーションライン「Legend Line」や、袖のライオンズブルーとレジェンドブルーで表現された「Legend Circle」で、70年以上に渡るライオンズ王者の歴史が表現されました。また、ユニフォームの袖やキャップ、ヘルメットにはレオマークが掲げられています。
前人の偉業に対するリスペクトを忘れないことが、伝統と誇りを守るということだと思います。70年以上の歴史に敬意を払い、伝統を受け継ぎ、未来への決意を新たにしたライオンズ。来季こそ必ず我々の期待に応えてくれることでしょう。
サンクスフェスタは、戸川大輔、佐野泰雄、熊代聖人、武隈祥太、十亀剣の各選手の引退セレモニーと、それに続く松井稼頭央新監督の挨拶で幕を降ろしました。
「みなさんから『期待してる』『応援してる』『がんばって』という多くの想いをいただきました。その思いを持って、日本一という大きな目標に進んでいきます。ファンのみなさんと最後に喜びを分かち合えるよう、来年楽しみに期待していてください」
監督の言う通り、来年のこの時期を楽しみにしていましょう!
サンクスフェスタが終わると、いよいよ「今年の野球はこれで終わり」という気持ちになります。とても寂しくなりますが、今季の終わりは来季の始まり。選手のみなさんにはしばしの休息の後に、しっかりと来シーズンへの準備をしてほしいと思います。
それではライオンズよ、ベルーナドームよ、また来年!