15年ぶりの葺き替え工事!


ボランティアライターの“ぶん”です。

皆さんは所沢市に「国指定重要文化財」はいくつあるかご存知でしょうか?

一つ目は「旧台徳院霊廟勅額門、丁子門及び御成門」です。
二つ目は「黄林閣」です。
三つ目は、今回ご紹介する「小野家住宅」です。

 

国の重要文化財「小野家住宅」は本年6月から保存修理を行っており、12月16日、茅葺屋根(かやぶきやね)葺き替え工事の見学会がありました。この作業は前回の葺き替えから15年あまり経過し、近年の台風被害を受け、一部に雨漏りを生じるなど全体に破損が目立ってきたので、保存修理を行っております。

 

【小野家住宅について】
所沢市史によると、「小野家住宅の建つ所沢市林は、かっては「林村」と呼ばれていました。江戸時代の地誌『新編武蔵風土記稿』によると、山口領に属し、村内に林木が多くあったのでその名前がついたといわれ、江戸時代の17世紀後半から18世紀にかけて農地として開拓が進んだようで、当時の開拓農家の住まいとして、18世紀の初頭頃に建てられたと推定されています。」今から約300年前ごろの住宅ですね!

一番下にわら(中央)を敷き詰めてありますが、茅が滑らないようする役目です!

 

【茅(かや)について】
茅葺(かやぶき)とは、草で葺(ふ)かれた屋根全般を示す言葉といって間違いではありませんが、「茅」とは一般的に「ススキ」のことを差します。今回の「茅」は群馬から取り寄せたと言っていました。

 

【工事の概要は】
工事は、まず建物周囲に作業用の足場を架け「くれぐし」から順番に茅を解体し、屋根の下地を表します。次に下地の竹や藁縄(わらなわ)が劣化している箇所は取り替え、縄が緩んでいるところは締め直します。
そうして、新しい茅を用いて元通りに葺き直します。

現場の方の話では「現代の藁縄(わらなわ)は弱いと!?」
昔は稲を刈るときカマで切っていたが、今は機械作業なので、稲の穂が短い!
さらに、昔は手で編んで藁縄(わらなわ)を作っていたが、今では機械編なので弱い!そこで、「藁縄」の中に針金(中央右の藁縄)を入れ強度を保たせているそうです。

 

【茅葺屋根について】
作業では、最初に茅ぞろえをします。材質の良否や長短を考えながら、「軒用(のきよう)」「平葺用(ひらぶきよう)」「棟用(むねよう)」と選別し、使い易いように切断、結束します。
・軒用(のきよう)は、屋根の先端部分に使う一番丈夫でしっかりしたものを選びます。
・棟用(むねよう)は、屋根の厚みや形を決める重要な部分です。
・平葺用(ひらぶきよう)は、屋根全体を覆うのに使います。

そして、平葺(ひらぶき)が終わると、屋根のてっぺんは、雨漏りを防ぐ棟仕舞(むねじまい)を行います。
棟仕舞(むねじまい)は地方色豊かで、地域ごとに様々な意匠と職人の技を見ることができます。
小野家の棟仕舞「※くれぐし」と呼ばれ、杉皮を土台に土を盛り付け、芝やユリ、アヤマ類など植えます。
植えた植物に根を張らせて土を押さえ、雨漏りを防ぐと同時に屋根を美しい花で飾ります。
最後にはさみを使って、葺くときとは逆に上から下へ刈りそろえ、屋根全体の形を整えます。

※【くれぐし】 とは
一番痛みやすい屋根の頂部に土を盛って納めた棟のこと。
土の重さと植物(ユリ、アヤメ)の根付きにより、風雨から守るためと同時に屋根の飾りとします。
アヤマ類は火伏(火事除け)のお守りと信じられ、また、季節の花を植え、楽しんだとも言われています。

 

文化財建造物保存技術の方の話では、「古い竹を使う予定でしたが、竹の中に虫がいたので、新しい竹を使い防虫加工をしてある」そうです。
昔は囲炉裏から出る煙は防虫効果もあり、そのため虫がつかず、茅が長もちしていたんでしょうね。

 

軒下と足場

来年3月には完成します。所沢市の広報誌で紹介すると思います。

 

【所在地】所沢市林2丁目426番地の1
正月初詣に「狭山山不動寺」に行かれたら、是非「国指定重要文化財」一つ目の「旧台徳院霊廟勅額門、丁子門及び御成門をご覧ください。

詳しくは➽所沢に国指定重要文化財があった

参考資料:所沢市史 文化財建造物保存資料 小野家住宅

 



記事の執筆者プロフィール

ぶん Bun
ぶん Bun ライター
2016年10月“所沢なび”ボランティアライターとして生まれたボクの名前は「ぶん」! 仕事は、所沢を中心に身近にある自然やおいしいもの、楽しいものを見つけみんなに知ってもらうこと。 魅力いっぱいの「所沢なび」これからもよろしくね。

もしよければ応援メッセージを頂けませんか?


この記事を気に入って頂けましたか?
所沢なびをフォローすると最新情報をお届けできます。

SPONSOR

所沢なびを応援して頂いているスポンサーの皆様