alt・to展示会「交わる延長線」リポート
9/27~10/6にSAVE AREA内WhiteSpace01010にて、松本さやかさん、安井瞭さんのお二人によるユニット「alt・to」が行った展示会「交わる延長線」に伺いました。その様子をお伝えします。
期間中に同時開催されましたスチレン版画のワークショップにつきましては、実際に親子で参加された所沢なびライターの前原麻世さんの御感想をいただいております。
取材日:2021年10月2日 ボランティアライターじん
① 展示「交わる延長線」について
alt・toは、松本さやかさんと安井瞭さんにより、「アートをもっと身近なものにしてもらいたい」という意を込めて、今年の4月結成されたアートユニットです。
お二人の経歴やアーティストステートメント、作品のコンセプトに関しては、alt・to展示会「交わる延長線」のご案内(https://tokorozawanavi.com/news-jin20210917/)をご参照ください。
今回、作者のお二人にお話を伺うことができましたので、作品と併せてご紹介させていただきます。
【gunung作者:松本さやかさん】
人のこころがはっとする瞬間ってあると思うんです。
私は山を見るとはっとします。
かっこいい…不気味…いろんな感情が湧いてきます。
感情をもっていかれるもの。
それが私にとって山なんです。
風景ではなく生き物なんです。私にとっての山は。
自分の中にある息遣いなどが山に現れます。
それを表現したものになります。
▲松本さやかさん
【Herman作者:安井瞭さん】
男と女の境界って、基準がわからない。
赤ちゃんや老人は、顔つきだけでは男女の違いが分かりづらい。
男でも女よりの人はいるし、女でも男よりの人はいる。
中性のラインがはっきりしない、どっちにも寄っていないのは「ふくよかな人」
固有の概念はあいまいなんです。
それを表現したものになります。
▲安井瞭さん
お二人の言葉は、脚色を加えたくないと思えるものでした。そのためイメージをくずさないように掲載させていただきました。実際の作品を前にお話を伺うと、心に落ちてくるものがありました。
お二人は大学の同級生、版画を学ぶ中で作品を一緒に制作したこともあるそうです。卒業後はそれぞれ別々の場で活動されておりましたが、何か一緒にやろうって声をかけあった際に、はじめてアーティストステートメントが似ていることに気がついたそうです。コンセプトが交わったことにより今回の展示のイメージがまとまったとのことです。
② スチレン版画ワークショップ
展示と併せて、大人も子どもも一緒に楽しめて、身近なものでご家庭でも簡単にできる版画のワークショップが開催されました。「スチレン」という、肉や魚のパックに使用されている素材を使った版画づくりです。
作った版画はカレンダーにしてお持ち帰りいただける形で実施されました。材料が木ですとどうしてもお子様の力では削るのが難しいので、力がなくても気軽に体験できるようにとの思いから、この素材にたどり着いたそうです。
ここで、実際に親子で参加されました所沢なびライターの前原麻世さんにバトンタッチしたいと思います。前原さんお願いします!
子どもたち2人と、スチレン版画ワークショップに参加しました!
自分の思いのままに下絵を描いて、スチレン素材に転写し、竹串やフォークを使って彫っていきます。
彫った版に絵の具にノリを混ぜたものを塗り、慎重に紙を置いていきます。
出来上がった版画は台紙に貼ってカレンダーに!
来年飾るのも楽しみです。
親だけだと、あーだこーだ子どもに言いたくなってしまうところ……安井さんと松本さんというアーティストさんに、やさしくほめてもらったり応援してもらいながら、子どもたちは楽しく作品を仕上げることができました!
アートに携わっている方だけあって、個性を尊重してくれるご指導してくださり、ありがたいなと思いました。
前原さん。ありがとうございました。身近なもので、こんなに素敵なカレンダーができちゃうんですね。ひょっとしたら、前原さんのお子さまたちもアートに目覚めちゃうかも!
③ 今後のalt・toについて
ユニット名「alt・to」はアルトと読みます。これは「アート」に由来するとのことです。
『アートで楽しいことができたらいいな』
そんな想いを持って、今回の展示及びワークショップを開催したそうです。
今後は、まずはお互いの出身である関西でのワークショップ開催、展示活動を行っていきたいとのことでした。
『アートを身近に感じてほしい』
「アートって聞くと難しいもの、自分からは程遠いものって感じる方が多いと思いますが、ただ線を並べてみるだけでも絵なんです。敷居をなくしていくこと、そのためのワークショップです。いろんな地域で呼んでもらえるように、活動の幅を広げていきたいと思っています」と話してくださいました。今回の企画で交わった二人のコンセプト、今後どんな延長線を描いていくのか、とても興味があります。
アートを身近に
お二人の益々のご活躍を願っております。
alt・to Instagramアカウント @alt.toalt.to