心に沁みる歌を美味しい珈琲と、どうぞ。西とこ文化祭2022・カフェライブ【サボテン高水春菜さん】


聞く者一人一人にまっすぐに語りかけるように歌い、その詞はときに心をあたため、ときに胸を刺すような感覚を呼び起こす。「西とこ文化祭2022」でカフェライブを行うサボテン高水春菜さん。創作を始めたきっかけ・アーティスト歴、そして西武線沿線との関わりについても伺いました。

 

心に沁みる詞と歌声は長年多くのファンを魅了

ウクレレやギターを手に弾き語りを行うシンガーソングライターのサボテン高水春菜さん。
2022年9月18(日)に「西乃処珈琲」でカフェライブを行います。
この日は、当日会場となるこの場所で、事前取材を行いました。


▲西所沢のカフェ「西乃処珈琲」にて

10代の頃からシンガーソングライターとして活動していた春菜さん。筆者が出会ったのは十数年前、春菜さんが20代の前半の頃でした。
当時、春菜さんはカフェや飲食店、ギャラリーなどでライブを行っており、筆者も何回か足を運びました。
2012年には『拝啓スプートニク』でリリースデビューを果たします。
2019年には映画『ハルカの陶』(末次成人監督、奈緒主演)の主題歌、挿入歌を担当。また2021年にテレビ東京『シナぷしゅ』番組内楽曲「きょうのおやすみ」の歌唱を担いました。吉祥寺のライブハウスSTAR PINE’S CAFEではワンマンライブを毎年開催しています。
筆者がびっくりしたのがマクドナルドの店内で彼女の声を聞いた時! 「マックでおもちゃリサイクル」の店内ナレーションと歌唱を任されていたのです。優しく響く声が魅力なのだと思います。
ウクレレやギターの講師としても活動し、内田春菊さんもレッスンを受けているのだそう。春菊さんの描くマンガに春菜さんが登場したこともあります。

幅広く活動されている春菜さんですが、私が思う彼女の歌の魅力は、聞く者の胸に眠る言葉にできない感情に優しく名前を付けてくれること。
それは出会ってから十数年経ち、折に触れその時々の音源を聞かせていただいた今でも変わりません。

――近所の方から、庭に咲いたローズマリーの花をもらった際、それをささやかなエールとして受け取ったことを歌った『ローズマリーの花』。

――やかんの湯気を眺め、湯気の話に耳を傾ける時間。思いのままに生きたら良いよと、湯気に語りかけられる『やかんの話』。

――春菜さんの穏やかな声がリズミカルに乗る楽曲ながらも、突如グサッと胸に刺さる歌詞にハッとさせられる、本音を隠すことの辛さを歌った『胸なんかとっくに痛んでる』。

人とのつながりの中で胸に起こる温かい気持ち。自分と向き合う時間の大切さ。そして、胸をえぐるような切なさも、詞にしていく。

その姿勢に、聞く者の心は慰められ、励まされるのだと思います。
 

創作は小学生の頃から 

高水さんが音楽の創作活動を始めたのは小学生の頃でした。
春菜さんは友人と音楽クラブに在籍します。当時の先生が心ある先生で、作曲をするよう促してくれました。
その頃できたのが「猫のかふんしょう」。「くしゅん、くしゅん」とくしゃみをする猫を見て、猫もかふんしょうになるのかな?と春菜さんのココロに沸いた素朴な疑問が歌になりました。
取材時、その場にいた筆者の子ども達にこの歌を歌って聞かせてくださったのですが、大ウケ! 子ども向けの作詞作曲のワークショップを依頼されたことがあるという春菜さん、さすがです。それまでにぎやかにしていた我が子の心を一気に掴んだ瞬間でした。


▲ちびっこ記者の取材にも温かく応えてくれました!

ご実家は西武新宿線沿線、高校は西武池袋線の学校に通ったこともあり、西武線沿線との付き合いは長いのだそう。
現在はウクレレ教室を石神井公園や富士見台の「冷えとりくつ下と天然素材の店 繭結」さんで定期的に行っています。
メンバー同士が定期的に会って春菜さんの指導を受けながらウクレレ演奏を楽しむ、ステキな時間が作られています。
 

コロナ禍で見つめたもの

お話させていただくと芯のある佇まいが魅力的な春菜さんですが、コロナ禍では予定していたライブのキャンセルが続き、気落ちしたこともあったそうです。
さらに、仕事だけでなく、日常的な人とのつながりも忌避されてしまったコロナ禍の始め。どうやって暮らし何をして誰とつながるか、今まで何の疑いもなく当たり前にやってきたことが揺るがされてしまう。春菜さんは、私たちがそんな局面に立たされていることを痛感していました。

そんな中、特にクリエイター仲間のカメラマン・福井裕子さん、コーディネーター・宇野麻里絵さんとは、たくさん語り合ったそうです。
福井さんは春菜さんの楽曲のひとつ『泡のようなもの』のミュージックビデオの撮影を担当しています。流れる水の動きをドラマチックに撮影、福井さん自身も「泡のようなものを、かけがえのない小さな命のようなものとして捉え、ささやかに、そして懸命に生きるエネルギーの美しさを表現できたら」と語る映像は、見る者の心に安らぎだけでなく、予測不可能な力強さを感じさせるような作品となっています。

春菜さんと福井さん・宇野さんは、コロナ禍においてアーティスト・クリエイターとしてのあり方を語り合いました。
出てきた答えは「音楽は自分自身にとってのライフワーク。だから歌い続けたい」「誰かにとって暮らしの先になるようなものを発信していこう」というものでした。
依頼を受けて制作するだけでなく、今までよりさらに自主制作を重視して形にしていこう、それが誰かの元に届き、ささやかな楽しみや日々の原動力になれば。そう考えたのです。

それが実現したのが、2020年10月31日に吉祥寺のスタジオ・キチムで無観客で行われたオンラインライブ。
公式サイトにはこう書かれています。

「3月春に予定していたキチムでのライブイベント。
一つ、二つ、季節をまたいで秋の無観客配信ライブを行なう事になりました。この日の為に特別にバンドメンバーが集結します。
自粛中の家を象徴する窓。オンライン画面を「窓」に見立て、その窓に心地の良い音楽の風をお届けします。
あなたの心の窓が、音の風に乗りどうぞ優しく開かれますように。」

コロナ禍、他の多くのアーティストと同様、春菜さんはオンラインでファンに音楽を届けようと、インスタグラムを通じてライブを行っていました。外出自粛を余儀なくされていた中で、できることを! と始めたことではありましたが、聞いてくれる方との距離が近く、交流の場にもなりました。


▲コロナ禍に始めたインスタライブは約1年半で50回を越えた。

そのようすを春菜さんは「今、本当に窓なんだな、窓越しに手を振り合っているような状況なんだな」と感じたそうです。

吉祥寺のオンラインライブでは、インスタライブでのファンの方とのやり取りから着想を得た「君の窓に」も演奏されました。
同じ空間を共有する生演奏ライブでなくとも、オンラインライブを通じて、会えない人の窓に歌を届けることができたら。
音楽をライフワークと捉え発信し続けること、それはたとえオンラインだとしても必要としている人には届くのだ、春菜さんは実感しました。 


▲右側のCDが無観客配信ライブを音源に収めたもの。詩集が付いている。

その後、福井さん・宇野さんとはドキュメンタリー映像作品を制作、この8月には千葉のフラチームが春菜さんの楽曲に合わせて海辺で踊る撮影も敢行しました。


▲千葉の海辺で春菜さんの楽曲に合わせて踊るフラチーム

千葉のフラチームとのつながりは2011年の震災以来のものです。震災時に生まれた歌『ローズマリーの花』にフラチームが共感。振付を作り、踊ってくれたことから交流が始まりました。
交流を続ける中で、2020年コロナ禍以降には「自らができることを大切に続けていく」という暮らしのあり方や考えにますます共鳴しその思いを形にしようという気運が盛り上がり、暮らし・ライフワークをテーマに映像作品を製作することになりました。

歌い続けること。日々の営みを続けること。
春菜さんにとっての歌は様々な危機を越えても「当たり前のように続けていくもの」なのかも知れません。
なぜなら、良いことも悪いことも、うれしいことも悲しいことも、歌にできるのだから。
目の前に起こることに真摯に向き合う姿、そしてそれを歌に昇華する姿に、私たちは励まされるのでしょう。
 

「西とこ文化祭」では古民家リノベ空間「西乃処珈琲」でカフェライブ

9月18日(日)には、「西乃処珈琲」でカフェライブが行われます。
ここでは、店主が片手鍋で焙煎した熟成珈琲が自慢のお店です。丁寧に淹れたコーヒーを飲みながら、ゆったりと春菜さんの歌に耳を傾ける時間が過ごせることでしょう。
所沢での春菜さんの初演奏、ピンと来た方にぜひお越しいただければと思います!

 

■ライブ情報


日時:2022年9/18(日)
開場:14:30~
開演:15:00~
会場:西乃処珈琲(埼玉県所沢市西所沢1丁目18−5)
https://coffee-roasters-1081.business.site/
アクセス:西武池袋線 西所沢駅 徒歩3分
料金:2,500円(別途、店内にてワンドリンクオーダー下さい)


▲「西乃処珈琲」のあるW Commons Houseは古民家をリノベーションした一軒家です

※お席に限りがあります。事前予約受付中、下記URLにてご予約いただくか、メールにてご連絡下さい。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeFJaMtBlfrlXto8aVWJFBRreAuDDbTld95QVfc6rzqaKXZUw/viewform
メール nishitoko.bunkasai@mail.com
 
▶サボテン高水春菜 公式サイト
http://takamizuharuna.com/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%83%ab/
 
▶西とこ文化祭 公式サイト
https://www.nishitokobunkasai.com/



記事の執筆者プロフィール

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前原 麻世 Asayo Maehara
タウン誌編集5年ののち、ライターへ。長野県出身→沖縄で大学時代→東京で就職→所沢で子育て中、6年になります。夫は埼玉都民2世。カフェや、子連れで行ける音楽イベントが好きです。

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