「方言は好きですか?」お国の言葉に思いは強く…
ボランティアライターのぶんです。
「ところざわ方言録」は3回目で、今回は食べ物関係を紹介します。
4月28日の朝日新聞に「方言は好きですか?」というタイトルで紹介してあり、87パーセントの人が「方言は好き」と答えています。その理由は?
1位:温かさ・やさしさを感じる(862人)
2位:素朴な感じがする (815人)
3位:親しみやすい (786人)
4位:地域ごとの個性を大事にしたい(752人)
5位:ことばの多様性を歓迎 (584人)
いっぽう「好きではない」と答えたその理由は?
1位:意味がわからない時がある(161人)
2位:聞き取りにくい (143人)
3位:ニュアンスがわからない (68人)
4位:田舎っぽい (48人)
5位:がさつな感じがするな (46人)
さて、これからは所沢の方言を紹介します。
【うちれい】
うどんと所沢は縁が深い、焼き団子と並んで名物。昔はどの家もが手打ちうどんを作った。
うどんの煮込んだのを「うちれい」と言う。
【あかまんま】
赤飯のことを言う。もち米に大豆を混ぜて蒸した強飯(こわいい)で、普通おこわと呼ぶ。水を加えて釜で炊く飯は姫飯(ひめいい)だが、普段食べているご飯のこと。
【とんがらし】
唐辛子がとんがらし、玉蜀黍(とうもろこし)漢字で書くと難しいですね!
【はらっぺらし】
いつも空き腹の人を(はらっぺらし)と呼ぶ。もう一つ、お腹が空かせるために、という意味でも使い「はらっぺらしにひと廻りしてくるか」。空腹のことを「へだるい」とも言う。
【ちゃぞっぺえ】
お茶にそえて出す漬物や菓子を(ちゃぞっぺえ)と言う。
【くっかく】
堅いものを食いちぎるのを「くっかく」。簡単に食いちぎれるのは「くっきる」。首ふるほどは「くったぎる」。カレーの中に見つけた豚肉を「くったぎって」ろくに噛まずにくんのむ(のみこむ)
【くちゃぷさげ】
夕飯までは時間があり「はらへったよ」とおふくろにねだる。「くちゃぷさげにそのさつま芋でも食っとけ」。
とりあえずの食べ物=口ふさぎがなまったもの。
【でーどこ】
台所のこと。でーどこを覗くとねーたった(煮えたった)釜うどんと「かて」のナスが踊っている。
「かて」とはうどんにそえるゆで野菜のこと。
【りょーって】
料理しての意。女房が留守で鯖でもりょーってみるか。
【しょーばんとー】
漢字では相伴党。宴席でのもてなし役で、由来は室町幕府の職名・相伴党から、格式のある大名がその任に当たった。酒の席ではしょーばんとー次第。
【ほっけー】
荒らしほっけー、散らかしほっけー、食いほっけー、飲みほっけー、しゃべりほっけーなど普通で「放題」と言うところがほっけー。
【かなんぼひき】
誰かの噂を大げさにとなり近所へふれまわる人。昔、鉄棒の先に数個の鉄輪をつけて、地を突いて夜回り・火の用心に町内を歩いた。凍てつく夜の鉄棒曳きは人々のため、「かなんぼひき」は人々の迷惑。
【おへんなし】
どうでもよいことにはかるなど風変りな人、あるいはその行為を「おへんなし」と呼んだ。集めたおみくじこれで百本目、などマニアも昔なら「おへんなし」と見られた。
【うすらっぺ】
よく嘘をつく人を「うすらっぺ」と呼ぶ。
【おこっぺ】
こましゃくれた女の児。大人どうしの話に口をはさみ、いっかどのことを言う、でも愛くるしい。
おおむねにして幼児時代の女性は「おこっぺ」。これがもう少し成長して小娘となると「おちゃっぴー」に進化する。
【おとこし】
男たち男衆と呼んでなまって「おとこし」。女たちは「おんなし」。若者たちを「わけーし」。子供は「こどもし」と呼ぶ。祭りともなれば「おとこし」は会所に詰める。「おんなし」はお燗番、「わけーし」神興のむ、「こどもし」万灯かつぎ。
どうでしたか?
皆さん知っている方言はありましたか?
また、所沢の方言は好きですか?
参考文献:ところざわ方言録