シン図書館がオープン一周年! ~オープンしてからの出来事を伺ってきました~


2021年に西所沢のきちじょう荘内にオープンした私設図書館「シン図書館」が1周年を迎えるとのことで主宰の高橋真理奈さんにお話を伺ってきました。


なにやら面白いことが始まっているみたい。全編インタビュー形式でお伝えします。

取材日:2022年4月30日 ボランティアライターじん

ーーー私設図書館「シン図書館」のオープンから約1年ですね。おめでとうございます。

高橋さん:ありがとうございます。5/5で一周年になります。

ーーーどんな1年でしたか。

高橋さん:自分で想像していた以上に多くの方にご来館いただきました。実はですね、「所沢なびを見て来ました」って人が多いんですよ。

ーーー本当ですか?それは光栄です。

高橋さん:来館される方は大体三つに分かれますかね。一つは所沢なびを読んで来てくれる人、一つは建物の玄関ドアの案内表示(きちじょう荘に入る階段の入口)を見て興味を持ってくれた人、もう一つは単純に図書館や古本屋を求めて、という方ですね。図書館や古本屋で検索すると、この場所もgooglemapでヒットするせいか、ブックオフみたいな古本屋だと勘違いして入ってくる方もいらっしゃいますね。おそらく、思っていたのと全然違う場所で申し訳ないんですけど(笑)。隣のサタデーブックスとセットでいらっしゃる方も多いです。

ーーーありがたいですね。ではここで過去のシン図書館の取材記事を紹介しちゃいましょう。

・私設図書館準備中!~西所沢に新たな文化発信拠点がもうすぐ誕生します~
https://tokorozawanavi.com/news-jin20200326/
・シン図書館がついにオープンしました!
~「いる」だけでいい場所を。小さな文化複合施設のスタートです~
https://tokorozawanavi.com/news-jin20210603/
 
高橋さん:私は中学・高校・大学は都内に通学して、就職も都内でしたので、所沢の知人がほぼゼロの状態で私設図書館と設計事務所をスタートしたのですが、ここをオープンしたことがきっかけで地元の知人・友人が増えたことが嬉しいです。この歳で「友達100人できるかな」を実感できるとは思わなかったです。

ーーー僕も高橋さんくらいの歳だったときには子育ての真っ最中で、学校つながりの他には地元にほとんど知人がいなかったです。地元に友達が増えると嬉しいですし、いろんな出会いやきっかけがありますよね。

高橋さん:実はいい出会いがあったんです。このシン図書館のオープンがきっかけとなって、所沢市内の公衆トイレの設計のお仕事をいただきました。

ーーーそれはとても興味深いお話ですね。詳しく聞かせてもらっていいですか。

高橋さん:元はといえば、この私設図書館をつくった時クラウドファンディングを利用したのですが、実は、私設図書館はあくまで本業の設計事務所の副次的なものとして始めようと考えており、当時は本業の仕事の目処も立っていない状態で『えいや』で設計事務所を開業しました(笑)。
そこで、せっかくクラファンに挑戦するなら、半分冗談・半分本気で設計の仕事を貰えないかなと考え、リターンに『建築家「高橋真理奈」に相談できるコース』を用意しました。そうしたら予想外に数名の方から応募をいただいてびっくりしました。嬉しかったですね。
実際に、そのコースを選んだお一人が、今回トイレの設計を依頼してくれた石和設備工業の小澤大悟社長です。

ーーー石和設備工業さんって所沢航空記念公園のそばの「トコろんの便器」飾ってある会社でしたっけ?

高橋さん:そうそう!そこです。小澤さんが『建築家「高橋真理奈」に相談できるコース』に応募してきてくれて、クラファンが終了する前に『すぐに相談したいです』とHPから問い合わせまでしてくれました(笑)。
その相談は、会社の敷地の空地に公衆トイレを作る計画で、「自社でトイレもデザインしようとしたけど、建築の確認申請の提出が必要と分かったので、確認申請を出してくれる建築士を探していた」というお話しでした。最初は単純に手続き的なものをお願いされるのかな?と思ったら、『公衆トイレをショールームにする予定なので、せっかくなら建築士の方にかっこよくデザインしてほしい』と依頼されました。
『面白いこと考えるな〜』って思いましたね。やるのならとことん面白くしたかったので、いきなりデザインから始めず、「トイレツアーやりませんか?」って私からお誘いしました。

ーーー具体的にどんな公衆トイレができるんですか?

高橋さん:小澤さんとしては、「公衆トイレをつくることで話題を呼びたい」というのがプロジェクトの目的だったので、単純に公衆トイレをつくるだけではあまり効果が無いなと考えました。公衆トイレを利用するだけでなく、人に滞在してもらえるような場所であったり、街のシンボルになるような目立つ場所にする必要があると思いました。
トイレって、私たちの生活になくてはならないものですよね。公園のような人の集まる場所も街にとってはなくてはならないものです。生活や街にとってなくてはならないもの、トイレと集まる場所を一体的につくるのはどうかと考えました。名称も、私たちの生活や街を支える基盤、下部構造という意味を込めて「インフラスタンド」という名前はどうでしょうかと提案しました。


▲公衆トイレの模型でプロジェクトの説明をする高橋さん

人が集えるように屋根を敷地いっぱいにかけて、ベンチやカウンター、洗面台などを設けることにしました。そうした人の集まる設えを建物の基礎でつくることにしました。 建物の基礎も下部構造といえるので、構造体で人の集う場を設計したら面白いなと考えました。
キッチンカーの誘致や、サイクルスポットの設置も計画しているので、単なる公衆トイレではなく、公園のように人が自然と集まる場になるといいなと思っています。今工事をしていて、8月くらいにはオープンの予定です。


▲円形の屋根の下にトイレや人が休憩できるスペースができます。(画像提供:高橋真理奈さん)


▲休憩ができる基礎のベンチ(画像提供:高橋真理奈さん)

ーーー完成したら是非行ってみたいです。地元でいいお仕事ができてよかったですね。

高橋さん:地元で本当にやっていけるのか不安だったときに、個人として何の実績もない私を信じてくださったことに感謝しています。全国どこでも仕事は受けますが、地元で頑張っている企業や個人の方と仕事ができたら嬉しいですね。所沢や埼玉で最先端のものをつくって「所沢すごいじゃん!」みたいになれたらいいなと思います。

ーーー夢は広がりますね。シン図書館も含めて今後の抱負などございましたらお願いします。

高橋さん:このシン図書館って「建築について相談できる日本で唯一の図書館」だと思うんです。図書館には私の蔵書が置いてありますので、建築の作品集などをみて、建築に興味を持ってもらえると嬉しいです。建築に進むべきか悩んでいる学生さんとかにも訪ねてほしいです。
設計事務所に相談するとか、仕事を依頼するのって、とてもハードルが高いと思うんですよね。「何から相談していいんだろう」って感じで。だから、私設図書館の開館日をうまく使ってもらって、「シン設計室」の下見というか、「こんなこと聞いちゃってもいいのかな?」みたいな内容を質問してもらっても大丈夫です。単純に「設計事務所って、どんなことができるの?」みたいな質問でも全然okですよ。
図書館に本を読みにきたついでに気軽に声をかけてください。建築の面白さや、設計事務所の存在が地域の人にとって身近な存在にしていけたらなと思います。


▲公衆トイレ「インフラスタンド」の完成イメージ。
トイレだけでなく、休憩できるスペースが設けられる(画像提供:高橋真理奈さん)

ーーー今後のご活躍が更に楽しみです。シン図書館やシン設計室について詳しく知りたい方は下記リンクよりホームページをご参照ください。

シン図書館HP:https://kichijoso.com/shin-library/
シン設計室HP:https://kichijoso.com/shin-studio/

本日はお忙しい中、素敵なお話をたくさんありがとうございました。



記事の執筆者プロフィール

じん Jin
写真を撮ったり、ランニングしたり、サイクリングしたりしながら、自然の中で過ごす時間を大事にしています。 すぐそばに素敵な自然が残されてる所沢が大好きです。 少しでも所沢の魅力がお伝えできるようにがんばります。

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