1921年7月7日に上棟式が行われていた【旧石川組製糸西洋館】〜見どころを聞いてみた〜


この建物、何となく見覚えがありませんか?実は数多くのテレビCMやドラマなどのロケ地に使われているため、知らず知らずのうちに目にしている可能性大!西武池袋線入間市駅から徒歩7分という身近にある歴史的建築物「旧石川組製糸西洋館」をご紹介します。

▲画像提供:入間市博物館 ALIT

石川組製糸とは?

石川組製糸は石川幾太郎が1893(明治26)年に創始した製糸会社。日清・日露戦争の戦時景気に乗って瞬く間に経営規模を拡大し、生糸の出荷高、全国6位を記録したこともありました。(ちなみに所沢なびでも何度かご紹介している、入間市の米軍ハウスを活かした建物でお馴染みの「ジョンソンタウン」はかつて石川組製糸工場で働く従業員のための食料を生産する「石川農場」があった場所でした。)関東大震災で生糸を消失、金融恐慌や化学繊維の誕生におされ経営が悪化。1937(昭和12)年に解散しました。

旧石川組製糸西洋館とは?

西洋館は取引先のアメリカの貿易商を招くに当り「豊岡(現入間市)をみくびられてはたまらない。超一流の館を造って迎えよう!」と、1921(大正10)年に上棟、1922~1923(大正11~12)年頃に建設した迎賓館。設計は東京帝国大学(現在の東京大学)で西洋建築を学んだ室岡惣七(むろおかそうしち)。建築は川越の宮大工関根平蔵(せきねへいぞう)。戦後の一時期進駐軍に接収された際に改修されたところもありますが、全体的に創建当初の形状を今に残しています。石川家により大切に管理されていましたが、2003(平成15)年に入間市に寄贈されました。
2001(平成13)年11月20日国登録有形文化財になっているんですよ。

では見てみましょう。

外観を少し見ただけでも気になるところが沢山!


▲こちらの建物は「洋風木造建築」。玄関ポーチの張り出し屋根の天井の隅っこに何やら模様が…
夢中で撮影していたら、そばにいた方が教えてくださいました。

石川家の家紋「笹竜胆(ササリンドウ)」


▲左:玄関ポーチの天井の隅 右上:外灯裏 右下:別館の鬼瓦
この模様は石川家の家紋「笹竜胆」。外灯の裏と別館平家建ての鬼瓦にもあることを教えて下さいました。内装にもあるそうですよ。

少し見ただけでも気になるところが沢山あるのですが、この建物は外部よりも内部の方がより見どころがあるのだそうです。

見学当日は博物館の大久保卓さんに説明をしていただきました。その中から厳選してのご紹介です。(見学時、一部を除き個人で楽しむための写真撮影は可能です。)

えりぬき「旧石川組製糸西洋館内部の見どころ」

開放的な空間


▲玄関から入るなり広がる空間(「玄関ホール」画像提供:入間市博物館 ALIT)
各階の天井の高さは4mほど。吹き抜け天井は9mほどあるそうです。


▲居心地良く感じるのはこの大きな窓のおかげ。開放感があります

各部屋の見どころはこの3点

①天井のデザイン
②照明器具…創建当時の物がそれぞれ残っています。
③床の周囲…各部屋の意匠に合わせた寄せ木模様が施されています。

 

▲説明を聞いていた私の足元。床の寄せ木模様はこんな感じでしたよ。ホールの部分は3本線が回っています。貴賓室の内部は凝った柄


▲こちらの「食堂」の大空間(画像提供:入間市博物館 ALIT)

インテリアに工夫がされているためにとても落ち着いた作りになっています。


▲例えば廻りぶちと同じデザインを照明に施して統一感を演出などさまざまな工夫が…

各部屋のこの3点をチェックするだけでもいろいろな発見がありますよ。是非楽しんでみて下さいね。

棟札の日付

ところでこの建物、実は分からないことが多いそうです。図面も残っていなければ、いつ建てられたのかもわかっていないのだとか。唯一の手がかりはこちらの棟札。


▲上棟式の日付は1921(大正10)年7月7日です

2021年で100年を迎えるのですね。

残念ながら老朽化が進んでいるところもあれば…

築約100年が経ち、老朽化が進んでいて入れない部屋もあります。


▲こちらの部屋も老朽化が進み天井が崩落したそうです。今は当時の作りが分かっていないので敢えて補修せず小屋組を見せる展示になっています

修復が実現しているものもあります!

こちらは2021年3月に修復が終わったばかりのステンドグラス!四君子を題材にした希少品で、修復後「西洋館ステンドグラス修復完了報告会」が行われました。


▲2018年7月7日に見学した際のもの


▲修復されたもの

修復された際、向きや並びも直されました。


▲門も再建されました

気になる和室は…?


▲和室につきましては後日改めてご紹介させていただく予定です(画像提供:入間市博物館 ALIT)

イベントが開催されることも


▲今回はこちらの「食堂」で行われたイベントに参加しました


▲いろいろなイベントが行われていますよ(2018年7月7日撮影)

この日参加したイベントにつきましては後日リポートする予定です。皆様も是非西洋館の魅力に触れてみてはいかがでしょうか?

詳しい公開日・イベント情報等は旧石川組製糸西洋館のFacebookをご覧ください。
▶Facebook:irumashiseiyoukan

貴重な文化財を大切に保存していくための基金

入間市民や入間市を訪れる人々に入間市の歴史・文化を感じることができる貴重な文化財を将来にわたり大切に保存していくため、また魅力ある街づくりにつながる活用を行なっていくために、事業に必要な資金を積み立てる基金が設置されています。

基金は次のような事業に役立てられます。
⑴「旧石川組製糸西洋館」の保存整備事業
⑵「旧黒須銀行」の復元改修事業
(旧黒須銀行についてはこちらの記事で▶︎https://tokorozawanavi.com/event-kakemidu20210322/
⑶その他の入間市指定文化財等の保存活用事業

1.募金
入間市博物館、旧石川組製糸西洋館、旧黒須銀行などに募金箱を設置しています。寄附金の相談は入間市博物館の窓口でも対応しています。
※旧石川組製糸西洋館、旧黒須銀行の一般公開やイベントの実施日の日程は、入間市博物館ホームページでご確認ください。
【入間市博物館ALIT】
https://www.alit.city.iruma.saitama.jp/

2.ふるさと納税
【入間市ふるさと寄附金】
http://www.citydo.com./furusato/official/saitama/iruma/
※寄附金の使い道を選ぶときに「文化財保存活用基金」を選択してください。

2021年6月19日取材

施設情報

旧石川組製糸西洋館

【所在地】入間市河原町13-13
【アクセス】西武池袋線 「入間市駅」から徒歩7分
【旧石川組製糸西洋館のFacebook】irumashiseiyoukan



記事の執筆者プロフィール

カケミヅ KakemiduPRO
高知で生まれ育って2018年に埼玉に引っ越してきました。所沢なびライターとしてふるさとの文化についてご紹介できるようになれればと思っています。趣味はiPadでイラストを描くことです。

応援メッセージ大募集!

※採用されたメッセージを掲載いたします。
※ご質問やご要望などは「お問合せフォーム」からお願いします。
お問い合わせフォームにお寄せいただいたご質問は、1週間以内にご返信させていただきます。


この記事を気に入って頂けましたか?
所沢なびをフォローすると最新情報をお届けできます。