【日比田調節池管理橋】はどうしてサクラ色なの?〜戦闘機の弾痕が残る土木遺産〜
▲2022(令和4)年、3月27日撮影
東川の桜の景色にすっかり馴染んでいるこの橋について、埼玉県 川越県土整備事務所に改めて教えていただきました。
地元住民から強い要望があった遊歩道設置に、上武大橋(旧橋)の一部を移設して再利用されました
▲旧上武大橋撤去状況(提供:埼玉県 川越県土整備事務所)
所沢市のHP、平成30年度第19回「政策会議」概要報告(平成31年1月22日開催)の一つの「件名 埼玉県施工の東川日比田調節池にかかる管理橋について」の【概要】に「県で施行している東川日比田調節池の外周遊歩道について、大雨で東川の水が流れ込む越流堤部分に橋を架けて一回りできるように整備します。また、この橋については、県が利根川に架かる上武大橋(下路トラス橋)の一部を移設して再利用することとしました。」とあります。
埼玉県 川越県土整備事務所によると当時、地元住民の方々から日比田調節池を周回できる遊歩道の設置について強い要望があったそうです。
遊歩道整備には、越流堤部(河川から洪水が流れ込む箇所)を跨ぐ管理橋の設置が必要。そこで、同時期に施工を進めていた上武大橋架け替え工事に伴う旧橋撤去時期と管理橋の施工時期を調整するとともに、耐久性等を現行基準に満足させるための検討を進め、結果、上武大橋(旧橋)の1径間(P11~P12 間)を有効利用する計画となりました。
上武大橋(旧橋)とは?
上武大橋(じょうぶおおはし)は、群馬県伊勢崎市境平塚と埼玉県深谷市中瀬を結ぶ橋。利根川に架かっています。
竣工は昭和9年、太平洋戦争当時の戦闘機の弾痕が残っており、当時の歴史を後世に伝える土木遺産としての価値が非常に高い施設でした。
再利用されるにあたり、色は地元住民の方々に対して実施したアンケート調査の結果から、東川の桜並木と一体化するよう「サクラ色」に決定したのだそうです。
サクラ色の橋ができるまで
色はアンケート結果で決まりました
▲候補に上がった色(提供:埼玉県 川越県土整備事務所)
▲アンケート結果(提供:埼玉県 川越県土整備事務所)
橋はこうして東所沢にやってきた
▲橋が移設される様子(提供:埼玉県 川越県土整備事務所)
▲設置完了(提供:埼玉県 川越県土整備事務所)
かなり厳しい時代を乗り越えて、東所沢にやってきておめかしした「日比田調節池管理橋」皆様も実際に足を運びその歴史を感じてみてはいかがでしょうか。