暮らトコ・トークセッションに行ってきた!SUUMO編集長も登壇「住みたい街」から「住み続けたい街」に


2023年11月18日(土)・19日(日)に行われる所沢のクラフトフェア「暮らすトコロマーケット」。開催を1カ月後に控え、代表・岡田一さんを中心としたトークセッションが10月15日(日)所沢市生涯学習センターで行われました。


▲左からSUUMO編集長・池本洋一さん、暮らすトコロマーケット代表・岡田一さん、(株)nest/公共R不動産・飯石藍さん

9回目の「暮らすトコロマーケット」を前にゲストを迎えたトークセッションを敢行!

「暮らすトコロマーケット」は2015年に市民憩いの場、航空記念公園で初開催され、今回で9回目となります。所沢周辺だけでなく、県外からもクラフト作家が出店し、自作の品を持ち寄り販売します。代表の岡田さんは「『○○さんの育てた野菜』『○○さんの作ったバッグ』など『作り手が見えるモノ』を手にすることで充足感を得る人を増やしたい」と話します。作家とじかに対話しながら作品に触れ、購入することができるというスペシャルな体験ができるこのイベントは毎年心待ちにしているファンが多く、当日会場は多くの来場者で賑わいます。
岡田さんは90年代後半から2000年代初頭に京都で「百万遍の手創り市」に出会ったことをきっかけに「いつか所沢でもこんな市を開きたい」と考え、数年を経て同イベントを実現させました。


▲第8回暮らすトコロマーケット(2022年11月開催時のようす)

10月15日には2023年のマーケット開催を約一か月後に控え、ゲストスピーカー2名を迎えてまち、郊外、埼玉都民、マーケットなど……様々なトピックを取り上げるトークセッションが行われました。
ゲストの1名は、所沢市のグランドデザイン計画に関わり昨年「暮らすトコロマーケット」と同日開催で街を回遊するための企画「TOKOROZAWA STREET PLACE」をプランニングした飯石藍さん。そしてもう1名は皆さんご存知、住宅情報を発信する「SUUMO」の編集長・池本洋一さんです。

2023年は「首都圏住みたい街ランキング」で所沢が大躍進、その理由とは?

その街に住む人にとっても気になる「住みたい街ランキング」、所沢は2019年52位、2020年56位と徐々にランクダウンしていましたが、2021年44位、2022年48位、そして2023年には30位と大躍進しています。
なぜ大躍進したのでしょうか? 今回、池本さんがゲストとしてやって来たのはその理由を話すため。そもそも、岡田さんが「暮らすトコロマーケット」を開く理由の一つに「シビックプライドを高める」ということも挙げられており、「暮らすトコロマーケット」を続けることで所沢が住む人にとって満足度の高い街になってほしい……「住みたい街」から「住み続けたい街」になってほしい、という思いがあるからです。
池本さんは大躍進について、いくつかのポイントを話してくれました。


▲トークセッションのようす

意外?! 所沢は20代女性からの支持が高い

池本さんによると、所沢の順位躍進には「物価高の中、家賃が安く、話題もたっぷり。」というポイントがあるそうです。データによると家賃は川越よりも安いのだとか。また「話題たっぷり」というのは、リニューアルにあたり昭和の街並みを採用した西武園ゆうえんちの「映え」のイメージや、角川武蔵野ミュージアム等があるサクラタウンで定期的にイベントがあるといった動き、そして所沢駅周辺の再開発が進んでいることが高評価につながっています。
さらに驚くべきことには、女性20代ランキングでは18位二子玉川、19位自由が丘、そして20位はみなとみらいと並び所沢という結果が出ているのです。

街に「深み」を持たせる若手オーガナイザーの活躍にも注目

池本さんのお話の中で、私が一市民として気になったのは「暮らすトコロマーケットのような若手オーガナイザーによる市民発信で作り上げているイベントがあり、それらが行政や企業とタッグを組んで行われているということも評価につながっている」という点。「大規模なショッピングモールができる」といったことがらはランキングに優位に働きますが、それだけでは瞬間風速的なもので終わってしまいます。そうならないためには、ユーザーが街にもう一歩踏み込んだ時に面白みが感じられることが必要。街に「深み」が感じられる活動や取り組みを知ることが出来るかどうか、出会えるかどうかがカギなのです。
そしてこれは所沢が「住みたい街」になれるかどうかというだけでなく、現在住んでいる人にとって「住み続けたい街」になっていくためにも必要なことであると言えるでしょう。


▲トークセッション終了後の懇親会にて。参加者のほぼ全員(!)が自主的に所沢を「住み続けたい街」にするための活動を行っている方でした!


▲突如始まった所沢のラジオ放送局「とこたまラジオ」さんによる、池本さんへのインタビュー。「とこたまラジオ」さんも街の面白いヒト・モノを掘り下げて取材し所沢の「深み」を知ることができるコンテンツを発信している。

「埼玉都民」を過去の言葉にしたい!

「住みたい街ランキング」の大躍進は喜ぶべきことですが、まだまだたくさん課題があることも住んでいる私たち自身が感じていることでしょう。
埼玉都民と揶揄されるように、都内で働く埼玉県民は93万人、また埼玉県の昼夜人口差は全国1位です。そんな特異性のある埼玉県で「埼玉都民をリアル埼玉県民にしていきたい」と話すのはもう一人のゲスト、飯石藍さん。飯石さんは7年前から池袋で市民参加型のマーケットの取り組みを手がけています。現在では出店者と消費者という垣根が低くなり、市民が思い思いに過ごす風景が見られるそうです。消費者でしかなかった人がいつしか当事者になる。所沢でも自然とそんな現象が起きるよう「TOKOROZAWA STREET PLACE」という取り組みを進めています。


▲TOKOROZAWA STREET PLACE(2022年11月開催時のようす)

11月18日・19日は市内全域でイベントを開催! 足を運んでみては?

2023年の暮らすトコロマーケットは11月18日(土)・19日(日)の2日間行われます。実はこの日、市内全域で様々なイベントが行われる予定です。航空記念公園からも近い公衆トイレインフラスタンドで行われるマルシェ「KAWAYA市」、元町コミュニティ広場・旧庁舎前広場・所澤神明社で行われるマーケット「STREET PLACE CHALLENGE」、西所沢駅周辺のローカルなお店が文化的イベントを発信する「西とこ文化祭」、サクラタウンで行われるコスプレや盆踊りがテーマの「武蔵野回廊文化祭」などなど…。

全部回ってみても良し! 気になるイベントだけ行ってみても良し! 市内全域であらゆるジャンルを網羅したイベントが開催されるこの日、この記事を読んでピンと来た方はぜひ足を運び所沢のポテンシャルを感じてください。

▼暮らすトコロマーケット
https://www.kuratoko.com/

▼KAWAYA市
https://www.instagram.com/kawaya_design/

▼STREET PLACE CHALLENGE
https://www.instagram.com/tokorozawastreetplace/

▼西とこ文化祭
https://www.nishitokobunkasai.com/

▼武蔵野回廊文化祭
https://tokorozawa-sakuratown.com/event/musashino-kairo23.html


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