所澤 お正月の風物詩 展示


リポート「所澤 お正月の風物詩」展

2017年も年の瀬。
クリスマスも終わり、いよいよ2018年へのカウントダウン!

「まちぞう」の愛称で親しまれている野老澤町造商店では
所沢の季節や歴史が楽しめる企画展が季節ごとに催されています。

12月23日~1月10日は

展示は、所沢の伝統工芸の「押絵羽子板」と全国でもトップシェアを誇る㈱面亀の「熊手」、所沢の昔の「引札」。それに、昔から伝わるお正月遊びの独楽(こま)や羽子板、縁起良いダルマなどの販売コーナーもあります。※12月28日~1月4日までお休み(定休毎木曜)

 

 

◆押絵羽子板と破魔弓の展示(所沢人形協会

人形のまちとして知られる所沢は、「押絵羽子板」の日本一の生産地として知られています。展示は所沢人形協会の協力を得て、さまざまな表情の押絵羽子板が並んで華やかです。
羽子板が、縁起物、飾り物として豪華な羽子板になったのは、江戸時代の元禄のころだそうです。


まちぞうスタッフの三上博史さんにお話を伺いました。
三上博史さんは昭和12年生まれ(2017年12月現在、満80歳)。

押絵羽子板「災いを“はね”のける」という意味が込められた縁起物。生まれて初めての正月を迎える女の子に「初正月のお祝い」として贈られていたそうです。お正月にみんなが集まる居間などに飾られることが多く、女の子の子どもが多ければ多いほど、羽子板の本数も多く、お正月は居間が華やかになりました。

三上さんは、8人兄弟姉妹のうち女姉妹は5人の家庭で生まれ育ちました。女の子が生まれるたびに親戚から羽子板が贈られ、三上家の羽子板は20本以上。居間の「長押(なげし)」(下図参照)の上にずらりと並べられたそうです。ちなみに、男の子が生まれると“魔障を破りはらう弓”「破魔弓」を贈り、男の子の初正月の縁起物だったそうです。「破魔弓」は正月期間中だけに飾る縁起物ですが、「押絵羽子板」はお正月だけでなく、桃の節句の時にお雛様と一緒に飾った家も多かったようです。

かつてのような初正月の贈答のしきたりは簡略されましたが、これらの風習を代々受け継いでいる家庭も所沢では残っています。また、少子化に伴い1世帯に贈られる本数も減りました。加えて日本式住宅特有の「長押」がある家も少なくなったことから、現在の飾り方は、玄関や床の間などに「飾り屏風」を置いて、押絵羽子板や破魔弓の華やかさ豪華さをお正月に楽しむ人も多くなっているようです。
店内には、押絵羽子板や破魔弓の飾り屏風も格安で販売されていました(数量限定)。

※三上博史さんに所沢の話を聞きたい方は、日曜日にまちぞう(野老澤町造商店)へ

 

 

  

▲押絵羽子板や破魔弓を引き立たせる飾り屏風

 

◆熊手(㈱面亀)

所沢の伝統工芸の代表的なものの1つに「熊手」があります。

所沢には創業140年以上(明治3年)も続く熊手・しめ縄・縁起物などを製造する会社「面亀」があり、熊手は日本一の生産量を誇ります。そして、「まちぞう」からほど近い「所沢神明社」では、毎年、新年の年明け1月1日0時~早朝まで「熊手市」が開催され、「日本で一番早い熊手市」と言われています。境内の屋台には豪華絢爛な大中小の熊手がずらり。熊手を買うと、開運招福を願い威勢よく三本締めが響き渡ります。
まちぞうでは、展示のほかに期間中(1/10まで)販売も行っていますので、正月に縁起物の熊手を買えなかったという人は立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

「面亀」と「熊手」についての詳細は、ところざわなびライターぶんさんがリポートしてくれています。https://tokorozawanavi.com/news-bun20171128/

 

◆所沢の商店が配った引札

「引札」ってご存知ですか?
「引札」とは、むかし、商店や商品の宣伝披露のために配られた印刷物。つまり、今のチラシやビラです。
印刷物を配って宣伝するというスタイルは、江戸中期ごろから始まったとされているそうです。引札に描かれている図柄が興味深く、昔の日本の生活の様子を感じることができます。

いつの時代も「広告は生活情報」なんですね。

今回の展示には、「所沢の商店が配った引札」が展示され、商業で栄えた所沢の様子を垣間見ることができます。

◆お神酒すず

「お神酒(おみき)」とは神様にお供えした後のお酒のことをいいます。正月になると年神様や神棚にお酒を徳利(とっくり)にいれてお供えします。その徳利の口に、松飾りとともに徳利に挿して飾る竹細工の縁起物を「お神酒すず」と呼んでいます。

かつては、暮の30日ごろになると、1対1組で神棚のお神酒徳利に「お神酒すず」を挿して、大みそかにそのお神酒を戴いたそうです。

展示には、近所の「麻彦商店」(所沢市寿町15-3)のお神酒すずも展示販売しています。

◆販売コーナー

お正月に昔ながらの日本の遊びはいかがですか?

木でできた遊具はなかなかいいですよ。

 

  

野老澤町造商店の12月企画展「所澤 お正月の風物詩」は
2018年1月10日まで。入場無料。


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成田 知栄子 Chieko Narita

ラジオ、テレビでの取材活動を経てフリーになり、ライターに転職。情報は「人と人とを繋げ、生活をより豊かにする」をポリシーに活動しています。記事情報が、誰かの何かにお役に立ちますように…。

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