“武蔵野”×”讃岐” うどんのジャンルにとらわれない!?「うどん家一(うどんやかず)」


地元で愛される「うどん家一(うどんやかず)」の魅力とは

所沢、入間、東京多摩地区でうどんといえば「武蔵野うどん」。主に地元の粉を使い、コシが強く少々茶色みがかっている太めの麺を、野菜や肉の入った温かい汁(肉汁)をつけていただくのが定番です。一(かず)のうどんは、武蔵野うどんのスタイルはそのままながら、だしの取り方や麺の製法は巣鴨の讃岐うどん店(修行先)がベースになっています。一部では「ハイブリッドうどん」とも呼ばれているこの店のこだわりと愛される理由を探ります。


アパートの1F部分を改装して作られたお店の外観

小手指駅の北口から徒歩10分の閑静な住宅街にうどん家一(うどんやかず)があります。2011年に3月にオープン。軌道に乗るまでは苦労もあったそうですが、いまや、所沢でうどんと言えば、真っ先に名前があがる名店の一つ。通称デゴイチと呼ばれる「D51」のSL機関車が展示されている小手指公園の向かいにあり、筆で大きく「一」と書かれた暖簾が目印です。

一人でも気軽に入れる店内。子ども連れにやさしい配慮も

暖簾をくぐって中に入ると、左側に8人がかけられる大きなテーブルと右側には3つのテーブル席、奥にも8人ほどが入る個室があります。週末は家族連れが多く、子どもからお年寄りまで幅広い客層でにぎわいをみせています。

壁の額には、お店の名前「一(かず)」の意味として順序の最初、物事の初め、最高、一番……などお店のコンセプトが書かれています。そして店名一(かず)の頭につけたうどんやに“家”という漢字をあてたのは、お客さまに実家に帰ってきたり親戚の家に行ったりしたときのあのホッとした気持ちを感じてほしい、そしてお客さまにとっての“忘れない味”を提供したいという意味が込められているそう。その言葉のとおり、いつも笑顔で出迎えてくれ、接客は気持ちがいいいと評判です。うどんを食べる前から気持ちが温かくなるのも客が客を呼ぶ理由なのかもしれません。


「一」の意味(店のコンセプトと由来)

武蔵野うどんといえば肉汁というだけあって、一番人気のメニューはやはり肉汁うどん。ちなみに二番人気は、肉汁煮干しうどん(好評につき定番メニューに)。ツートップにこの肉汁があがり、多い日は肉汁だけで80杯は出るそうです。肉汁の具は、コクを出すバラ肉と、刻み葱、そして香ばしく焼かれた油揚げ。キュッとしまってコシのある冷たい麺をこの温かい汁につけてすすると、だしとよく絡んで口の中で絶妙な味わいに。しっかりしたコシとつるっとしたのど越しの一(かず)の麺は100%北海道産中力粉「きたほなみ」を使っています。


一番人気の肉汁うどん

だしの奥深さは、一度食べれば気づきます。うどん家一のだしがおいしい理由を店主の鈴木一孝さんに聞きました。
「水は『電解水素水」を使っています。水素をたくさん含むアルカリ性の水はミネラル分豊富。だしは昆布、ゲソ、サバ、めじか、ウルメ、本節、いりこの7種類でとっています。この水を使うとうまみがとてもよく出るんです。
かえしは“甘み”と“辛み”の2種類。“甘み”のかえしは白ワイン、赤ワイン、みりん、清酒、“辛み”は薄口しょうゆ、しいたけの足、昆布、それぞれ詰めて2週間置きます。置くことによってカドが取れてまろやかに。だしとかえしの甘辛の配合によって、6種類のだしをメニューにあわせて作っています。」
シンプルなうどんだからこそ、“際立つだしのうまみ”、一度味わう価値ありです。


店主のお母様が書いたメニュー。文字にも味わいが…

定番メニューのほかに季節のメニューがあります。1月は年明けうどん、2月は三河産のわかめがたっぷり入ったわかめうどん、3月はあさりと、四季を感じるメニューは常連客にも人気です。

紅白の餅が乗った年明けうどん。薬味を全部入れて食べるのが美味。

定番の中では「ざる」も欠かせません。並みで400gと食べ応えがあり、のど越し良さを感じられます。「ざる」に添えたいのはさっくさくの天ぷら。天ぷらは3種の塩をつけて味わうもよし、つゆに絡めてもよし。

うどんは「一」の形に盛り付け。野菜天盛りはかき揚げ、ニンジン、サツマイモ、カボチャ

ほかにも最近、ピリとろカレーうどんがよく出るそう。具には肉汁同様、豚肉、ネギ、香ばしい油揚げが入り、「デゴイチ」と名付けられたかけうどんのダシと秘伝のカレーのマリアージュにより、味に深みがあります。ピリとろとありますが、辛さはそこまで主張せずまろやかな味です。

半熟地卵天を乗せて食べるのもオススメ

まだ紹介しきれないうどん家一(かず)の魅力の数々。
うどんへのこだわりと、細やかな気配りを忘れない接客。その両輪がこの店の強みであり、これからも根強いファンや地元の顧客のみならず多くの人を引きつけていくのかもしれません。

ぜひ一度訪れて、“自分好みのうどん”を見つけてみてはいかがでしょうか。


店主の鈴木一孝さん。「おいしいうどんでお客さまを笑顔にしたい」

店舗情報

店名:うどん家 一 (うどんや かず)
住所:埼玉県所沢市小手指町1-29-3
電話:04-2008-1501
営業時間:[火~日]11:00~15:00 [金・土・日]18:00~20:00
定休日:月曜日
駐車場:有(6台)


この記事を書いた人

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かすみ Kasumi

往復3時間の通勤スタイルからほぼリモートワークにシフトし、生活圏所沢の魅力を再発掘中。 仕事も子育ても地域とのかかわりも楽しみながら、ワクワクする情報を発信します。 パン、あんこ、コーヒーが好き。SDGsの推進やサステナブルな暮らしにも関心が高い。

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