定年後も現役パワーで地元コラボに挑戦!新しい伝統雑貨「次文堂」。
定年後も現役パワーで地元コラボに挑戦!新しい伝統雑貨「次文堂」。
定年退職後も活き活きと「次世代に継げる伝統文化」をテーマに、地元の伝統を守り新たな文化を生み出そうとするクリエーターが所沢にいます。それは、クリエーター・デザイナーとして活動する三上徳雄さん。昨年(2021年)10月に和雑貨を企画・制作・販売する「次文堂」を立ち上げました。
2022年3月 成田知栄子
角川武蔵野ミュージアムやYOT-TOKO(よっとこ)では〝お馴染み〟のおみやげ品
「次文堂」は、伝統的なイメージの新しい感覚の雑貨を生み出す所沢の会社で、地元企業とのコラボ商品や地元産業をモチーフにした商品を企画・制作しています。
次文堂の設立は昨年(2021年)10月。まだ数カ月しか経っていませんが、すでにところざわサクラタウン内「角川武蔵野ミュージアム」2階のおみやげ売り場「ロックミュージアムショップ」や「所沢市観光情報・物産館YOT-TOKO」で数種類のアイテムが販売され好評です。
オンラインショップもあります。
伝統工芸士とコラボ!
注目されなくなった伝統工芸品に新たな脚光が…
三上さんは、長年大手企業の商品デザインや企画を担当してきました。中でも印象強かった仕事と話すのは、全国各地の伝統工芸士さんと出会って企画した商品の数々。
「売れない」とぼやかれた伝統的な商品が、三上さんの息がかかれば新しい価値が付加され、「欲しくなる」新たな伝統工芸品として誕生します。
例えば、大手百貨店で恒例の「スヌーピー展」で企画したスヌーピーの水引のお祝い袋は大人気。
「歌舞梨ねこ」という商品名が付けられた張子猫は、歌舞伎座で販売されている商品ですが、歌舞伎の登場人物、弁慶や六助、雪姫などのキャラクターがそろい、群馬県の伝統工芸品の美しさが生かされ、歌舞伎愛好家の心をくすぐっています。
伝統工芸品は、三上さんが商品のデザインやアイデアを加え、それをニーズにあった人たちや場所に届けることで、新たな輝きを放ちます。
雑貨の力を信じて…さまざまな業界の魅力を伝える!
「地元の人とつながり、地元企業とコラボ商品をつくりたい…」
「起業の発端は、生まれ育った地元の企業とコラボしていける仕事がしたいと思ったからなんです」と話す、三上徳雄さん。
生まれ故郷も育ちも所沢、住まいも所沢にあるけれど、勤め先は東京の会社で、社会人になってからはなかなか地元の人たちとつなる時間がもてなかったそうです。
そこで、2021年3月に定年退職して湧き出てきたのが「地元の人や地元企業と一緒に何か地域を活性化できることをしたい」という想い。
「伝統や文化として、いいものを次世代に継げて残し、時代に合わせていい形にしたい」
そんな想いに駆られて企画した1つが、すでに商品化している「彩の水引シリーズ」。縁起良い水引にチャームを付けたもので、日本の伝統工芸の美しさを身近に感じるアイテムです。「彩の水引」シリーズは、お茶の花、シラコバトなど埼玉県らしいアイテムのほか、「ところざわサクラタウン」の来場客に人気なのが、サクラのモチーフ。新春にぴったりな梅と赤梅もあります。
ほかにも三上さんにはこれからの展望がいっぱい。
「私の実家は東新井町の農家でしたから、第一次産業にはとても愛着があります。例えば農業とのコラボ商品を企画してみたいですね。普段の生活で第一次産業と縁がない人にも、生活雑貨やファッションなどで、その魅力を伝えたい。雑貨にはそんな力があると思うんです」と話します。
地元老舗企業との初コラボも実現!
三上さんの地元への熱い想いが、早くも地元伝統産業とのコラボを実現させています。それは、創業180年以上の倉片人形とのコラボ商品「雛のコースター」。実際にひな人形の衣装に使っている厚手の織物に和紙を裏打ちした、両面それぞれに異なる生地を使用したリバーシブルタイプで、職人手作りの商品です。
もともとこの商品は所沢市事業のノベルティとして提案したものが採用されたもの。市民から好評を得て手ごたえを感じたことから、オンラインショップで販売することにしたそうです。
次文堂のオンラインショップには、伝統工芸や和文化の良さや美しさを感じる雑貨の数々があります。そしてアイデア商品も続々アップされます。是非、覗いてみてください。
取材:2022年3月 成田知栄子
次文堂(じぶんどう)
代 表 三上徳雄
オンラインショップ:https://jibundo.thebase.in/
ホームぺージ:https://jibundo.mods.jp/
◇デザイン/主に伝統工芸の技術を活かした商品企画
◇雑貨製造販売