所沢のプロ音楽集団「クライネス・コンツェルトハウス」心に響く世界レベルの演奏をお届け!


所沢のプロ音楽集団「クライネス・コンツェルトハウス」心に響く世界レベルの演奏をお届け!

所沢に世界レベルのプロの演奏家たちが集まったユニークなスタイルのオーケストラがあるのをご存知ですか?それは、「クライネス・コンツェルトハウス管弦楽団」。クラシックに詳しい人もそうでない人も、クラシック音楽の素晴らしさや面白さに気付かしてくれます。所沢でも近年大注目の楽団です。その魅力を取材しました。

取材:2022年1月 成田知栄子


「こんなユニークなオーケストラは他にはない!」
指揮者は元ザルツブルグの楽団の首席チェリスト

▲2018年の所沢ミューズ公演の様子 ※撮影 所沢市の写真家 岡田充さん

 

クラシックファンなら、きっとご存知でしょう。
NHK FMにも多数出演し、音楽雑誌「音楽の友」の「コンサート年間ベストテン」にも何度も取り上げられている注目の音楽集団「クライネス・コンツェルトハウス」。
事務局は所沢市内にあり、国内外で演奏活動を行い、特にバッハ、ベートヴェンなどで高い評価を受けています。

所属する団員は、世界レベルの演奏技術を持つ演奏家ばかりで、コンサートの内容に応じた柔軟な編成が特長の楽団です。

さらにユニークなのが、オーケストラ編成のときの演奏スタイル。指揮者も指揮をしながらチェロを弾くという、団員みんなが楽器を演奏するオーケストラなのです。

指揮を担当しているのは、元ザルツブルグ室内オーケストラの首席チェリスト、小澤洋介さん

「演奏しながら指揮をするなんて!」
「目と耳と心まで楽しませてくれる、他にはない楽団!」
と、コンサートを観た人からは、感嘆の声が聞かれます。

まさに、生の音楽の楽しみ方をで目と耳で体感させててくれるオーケストラなのです。

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「編成はオーケストラ、クオリティはアンサンブル」
三戸素子さんの故郷、所沢で結成!

▲クライネス・コンツェルトハウスの主宰者 チェリストの小澤洋介さんとヴァイオリンの三戸素子さん  上安松にある事務局の練習場にて撮影

 

「クライネス・コンツェルトハウス」の主宰を務めるのは、所沢在住のチェリストの小澤洋介さんとヴァイオリニストの三戸素子さん。

オーストリアのザルツブルク・モーツァルテウム大学に留学していた2人は、演奏活動をしていたザルツブルグで出会い意気投合。ヨーロッパ全域で12年間にもわたる活動後、1993年に帰国し、三戸さんの故郷、所沢・上安松で、室内楽グループ「クライネス・コンツェルトハウス」を結成しました。

立ち上げ当初のメンバーは8人ほどでしたが、海外で演奏活動を行ってきた音楽家や海外コンクールで受賞歴のある演奏家たちが集まり、2007年にはオーケストラができるまでに発展しました。

オーケストラとはいえ、1つ1つの楽器の音色が心地よく届く丁寧な演奏から
「編成はオーケストラ、クオリティはアンサンブル」と評されています。


なぜ、指揮者も演奏するようになったのか?
独特なスタイルについて聞いてみた

▲オーケストラの指揮を執る小澤洋介さん

 

チェリストが、指揮もしながら演奏をするという珍しいオーケストラスタイルになったのは、小澤さんと三戸さんが目指す音楽にとって、必然だったようです。

クライネス・コンツェルトハウスのメンバーリストをみると、国内外で高い評価を得ている音楽家ばかり。ヴァイオリン奏者の杉浦美知さん、印田千裕さん、塗谷真弥さん、ヴィオラ奏者の長谷川弥生さん、オーボエ奏者の関水萌子さんや江原泰子さんなどそうそうたるメンバーの名前がずらりと並んでいます。

 

▲クライネス・コンツェルトハウス管弦楽オーケストラのメンバーのみなさん

 

「クライネス・コンツェルトハウスに所属するメンバーは、クラシックの本場ヨーロッパで学び、海外の舞台で演奏経験を多く踏んだ音楽家が大多数。その一流の演奏家たちが、みんな共通の楽曲の解釈で、それぞれの個性を活き活きと出しながら熱く表現します。私は各演奏者に指示を出す一般的なコンダクター(指揮者)ではなく、みんなの表現を活き活きと活かせるようにまとめるコーディネーター的存在。全体の音の高まりをより促すために同調しながら一緒にチェロを弾くのです」と小澤さんは説明します。

クライネス・コンツェルトハウスのオーケストラの演奏は、個々の楽器の音がそれぞれのシーンで重要な役割を果たしているような、熱いメッセージのように伝わってくるのですが、そうした指揮者も含めた音作りにあるように思います。

▲2018年の所沢公演の様子。オーケストラの指揮をしながらチェロを弾く小澤さん
※撮影:所沢市の写真家 岡田充さん 

 


「所沢でも世界レベルの演奏会を定期的に。」
市民の声で所沢でも定期コンサートが実現!

▲2019年11月の所沢市議会の「議場コンサート」の一幕   所沢市では市議会をより身近に感じ、興味を持ってもらうために平成27年から議会開会前に議場コンサートを開催しています ※写真は所沢市議会提供

 

「クライネス・コンツェルトハウス」は、結成当初から東京や海外での公演が主でしたが、地元所沢でコンサートが開催されるようになったのは2017年からです。

初回のチケットは50枚程度しか売れなかったそうですが、所沢の音楽愛好家の心をつかみ、拍手とアンコールが鳴りやまないほど大絶賛。
「こんな素晴らしいオーケストラが所沢にあるなんて!」「地元のオーケストラをみんなで応援しよう」と「応援する会が」立ち上げられました。

そして、翌年2018年、所沢ミューズで2回目の公演が行われ、チケットはすぐに完売。

2019年11月には、所沢市議会からオファーを受け「議場コンサート」を開催。ヴァイオリニストの三戸素子さんが「市議会だより」の表紙を飾り、広く一般市民の興味をそそりましました。

 

▲所沢ミューズでの初公演(2017年)の一部がYouTubeで紹介されています(音のみ) 

 

昨年までに所沢定期公演は5回を迎え、今年2022年は、5月29日(日)13時30分からは第6回の定期公演が所沢ミューズマーキーホールで予定されています。

公演・チケット情報などは、クライネス・コンツェルトハウスのHPに随時公開されていますので、是非チェックしてみてください。
またCDもHPから購入できます。
コンサート情報

チケット・CD購入


オンラインでも楽しめるクライネスの魅力
小澤さんの楽曲解説や三戸さんのヴァイオリン体操なども

▲三戸素子さん(左)と小澤洋介さん(右)

クライネス・コンツェルトハウスは、YouTubeでもその魅力を発信し続けています。

小澤さんによると、YouTube配信は5年前から始めたそうですが、コロナ禍に入って視聴者も増えたことから、演奏会の紹介以外にも、クラシックファンやクラシックを知りたい人向けに、ベートーヴェンなど作曲家や楽譜について、小澤さんが解説・講義し、YouTubeで配信しています。

今後もコンサートをより楽しくするために、プログラムに合わせた楽曲解説も行われる予定とのことです。

是非、チャンネル登録をしてクラシック音楽を身近に楽しんでみてはいかがでしょうか?

小澤洋介チャンネル

 

また、三戸素子さんによる「ヴァイオリン体操教室」が毎週火曜と土曜 午前10時から週に2回、オンライン(ZOOM)で開催しています。

ヴァイオリン体操は、三戸さんが長年、いい演奏をするために見出した体操法で、演奏で大切な呼吸法を身につけることができ、筋肉をほぐし、頭もリラックスさせることができます。

現在、受講者は8人。ヴァイオリンをしている人はもちろん、ピアノなどの他の器をしている人や何も楽器をしていない人も参加しています。
「ヴァイオリン体操で体全体が活性化し、調子がよくなった」と好評です。
スマホやPCでインターネットができれば、どなたでも参加できます。

ヴァイオリン体操は
週2回(火・土)11時より約45分間。

週2回で月謝¥3000、週1回は¥2000
初回無料でお試し参加できるそうです。
お申込・お問合せ mito-vn@k-konzerthaus.com

取材:2022年1月 成田知栄子


クライネス・コンツェルトハウス
事務局:埼玉県所沢市上安松
電話:04-2945-6326
ホームぺージ:https://www.k-konzerthaus.com/

小澤洋介さんのホームページ:http://www.ozawa-y.com/
三戸素子さんのホームページ:https://www.k-konzerthaus.com/mito/

 


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