「もっと飲みたいな」達人が作る 狭山茶を全国に! 政貴 増田園
「もっと飲みたいな」達人が作る
狭山茶を全国に!政貴 増田園
所沢駅から歩いて数分、住宅街の中で狭山茶を作る政貴増田園。
コクがあってまろやか、”ダシ”のような旨味を感じられるのが、園主・政敏さんの作るお茶です。
「自園・自製・自販」をモットーに茶作り53年の政敏さん。その道のりの中で、いくつかのピンチを乗り越え日本一を獲得しました。
2020年12月取材
コロナ禍でおうち時間が増えたという人も多いのではないでしょうか。
そんな中、ほっと一息つかせてくれる「ティータイム」に〝急須で淹れるお茶〟はいかがでしょうか?
所沢・狭山・入間近辺で作られている埼玉県のお茶と言えば「狭山茶」。今回ご紹介するのはその「狭山茶」の茶農家「政貴増田園」です。
狭山茶は「味の狭山茶」と言われるほどで、旨味や渋味・苦味がありコク豊かな味わいが楽しめるのが特徴です。
そんな狭山茶に携わる農家さんは、茶畑を持ち、収穫された茶葉を自前の製茶工場で加工し、自店で売るという「自園・自製・自販」という言葉があるほど、こだわりを持って「直売」を行っているお店もあります。
狭山茶は食の”トレーサビリティ”が高い商品と言えるかも知れません。
「政貴増田園」もその一つ。
所沢市内に茶畑と工場・店舗を持ち、茶葉の生産から加工・販売まで手掛けます。
”ダシ”のような旨み・甘みでまろやかなお茶は
幾多のピンチを乗り越え日本一に
「政貴増田園の園主・政敏さんは18歳のときに就農し以来53年、狭山茶一筋でやってきました。
政敏さんの作るお茶は、渋味だけでなく〝ダシ〟のような味わいのある「旨み重視」のお茶。一杯飲んだら「もっと飲みたいな」と思わせる逸品です。
平成23年には「全国茶品評会」・「関東ブロック茶の共進会」で農林水産大臣賞をダブル受賞、つまり〝日本一〟と認められました。
政敏さん、61歳のときです。
しかしそれまでの道のりは決して平坦ではなかったとか。昭和と平成に、所沢市街地の開発で農地の縮小にあうも都市の緑を残したいと、この地での茶作りを諦めませんでした。
若い頃はなかなか良い賞を取れなかった政敏さん、その理由は「茶畑の土壌が良くない」と茶業の指導者に指摘され涙を流したこともあったそうです。
悔しさをバネに、土壌の改良に心血を注ぎ、良い茶葉を育てることに注力。ようやく勝ち得た日本一の称号でした。
親子二人三脚で作る匠の味のお茶を
全国にお届けしたい
現在は息子の貴雄さんとともに、二人三脚で茶作りに邁進しています。
「息子も就農して、15年。今では私がこれまでしていた仕事をどんどん任せていて、頼りになる存在です。私が守ってきた所沢のこの地での狭山茶作りを引き継いでくれる者がいるのが何よりの喜び」と語ります。
ぜひ飲んでほしいのは、自然仕立てと謳われる「手摘み茶」。
「機械摘みが主流の世の中で、もう時代遅れと言われてもしょうがない」と政敏さんも話します。しかしこちらは、「味がいいんだけど、手間がかかるし、当然値も張る」一品です。
だからこそ、政敏さんはこうも語ります。
「気軽に、100g800円とかそういうお茶を『おうちお茶』として日々飲んでもらえたら。急須で淹れれば香りがよく味わいがありますよ。」
移動が困難なコロナ禍、ふるさとに思いを馳せながらほっと一息つける時間を、美味しいお茶が作ってくれそうです。
取材:2020年12月 前原麻世
茶工房 政貴増田園
〒359-0038 埼玉県所沢市北秋津694
TEL 04-2992-5064
卸売直通 090-8871-6388
営業時間 8:00〜19:30
定休日 なし
https://masudaen.net/