糀谷八幡神社では、秋の花が見ごろです



稲刈りを終えた稲のはざかけ(稲架)風景。
 
自然が好きで、狭山丘陵自然史研究会では雑木林や湿地、川の生物の調査研究などに携る、所沢なびボランティアライターの永石が糀谷八幡神社周辺の草花の様子をお伝えします。
 

白花のヒガンバナ。
 

ヒガンバナが咲き始めました。

所沢市にある糀谷八幡湿地では、ヒガンバナ(彼岸花)が9月中旬を過ぎたころから咲き始めました。ヒガンバナは名のとおり、秋のお彼岸のころに花が咲きます。ただ、この時期には葉はなく、長く伸びた花茎と花弁だけが目立ちます。晩秋になると、花も枯れ、地面から葉が出始めて、翌年の初夏までは葉だけの姿となります。
ヒガンナバはもともと古く弥生時代のころ、中国大陸から日本列島に人々が移住してきたころに稲作ともに入ってきた植物とされ、鱗茎の有毒性を利用して、野ネズミなどの被害防止用に田畑の畔や土手などに植えられてきました。今では、日本全国の公園や神社、お寺の庭にも植えられており、なじみのある園芸植物になっています。
日本に中国から持ってきたヒガンバナは、種子ができない3倍体の染色体をもつ株だけです。交配した株が日本には存在しないため、ソメイヨシノと同様、同じ遺伝子をもつクローン種となります。そのため、気温の変化に対応して一斉に開花することになります。南から北の地方に向かって開花日の北上が見られます。
 

真上から見たヒガンバナの花
 

秋の湿原を彩るアカバナ

アカバナは、漢字表記では赤花と書きます。8~9月にかけて4枚のピンク色の花を咲かせます。アカナバの名は秋に葉が紅葉することから名づけられています。湿生植物で、湿原のある糀谷八幡湿地では、毎年花を見ることができます。晩秋、アカバナは綿毛を付けた種子をつけ、風に乗って運ばれます。
 

アカバナの花。
 

毎年9月ごろに八幡湿地で毎年咲くアカバナの群生
 

ユリ科の植物、ヤマジノホトトギス

漢字の表記では山路の杜鵑草。名の由来は、花の斑点を鳥のホトトギス(杜鵑)の胸の班点に見立てたことからきています。糀谷八幡湿地では、花は毎年9月ごろに咲きます。
 
ヤマジノホトトギスはユリ科の植物。その特徴として、単子葉類で平行脈の葉になっていること、そして、花びらは全部で6枚あり、内側の花弁を内花被(ないかひ)、外側の花弁を外花被(がいかひ)と呼び、それぞれ3枚あることです。ヤマジノホトトギスは、外花被の方が内花被よりやや広めになっています。
 
ヤマジノホトトギスの花をちょっと変わっているので、もっとよく見てみましょう。6つの花弁から上に伸びている緑色のものは花柱です。花柱の頭には、先が大きく3裂した雌しべ1本とともに、約を付けた雄しべ6本が垂れ下がり、独特な花の形をつくっています。
 

ヤマジノホトトギスの花。
 

湿原の畔際に生えるイボクサ

イボクサはツユクサの仲間です。ピンク色に色づく3枚の花弁が目立ちます。糀谷八幡湿地では、夏の終わりから10月ごろまで比較的長い期間、花が見られます。水田では畦際に咲くことが多いですが、糀谷八幡湿地では湿原の畔際で見ることができます。
 
名前の由来は、 葉の汁をつけるとイボが取れるといわれて名付けられたとのこと。ちなみに市販薬の「いぼころり」には、角質軟化溶解作用をもつサリチル酸が使われていますが、本種にはサリチル酸は含んでいないとのこと。実際にイボが取れるかどうかは不明です。
 

湿生植物のイボクサ。3枚の紫色の花弁が目立つ。
 

糀谷八幡湿地までの交通案内

西武池袋線小手指駅南口発、西武バス宮寺西行き乗車。糀谷バス停下車。バス停前にはミニストップがあります。そこからバス通りを左に約30m歩き、左に曲がって、南に向かう道を歩いていくと目的地の糀谷八幡神社まで、8~10分ほどで着きます。

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記事の執筆者プロフィール

永石 文明 Fumiaki Nagaishi
nagaishi
所沢市に引っ越してからすぐに『所沢市の自然』(所沢市発行)の企画に参加させてもらったのが最初の所沢との関わりです。市内をくまなく回って撮影したり原稿を書いたりするうちに所沢の自然の魅力にはまりました。自然が好きで、狭山丘陵自然史研究会では雑木林や湿地、川の生物の調査研究のほか、大学(東京農工大学・立教大学)では自然環境の保全や自然保護文化論を担当しています。趣味の自然への旅が高じて毎日新聞旅行ではネイチャーガイドをしています。

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