「今も、これからも、ライオンズの栗山です!」 ありがとう栗山巧選手! 引退会見&引退セレモニー


ライオンズファンは栗山巧選手にたくさんの夢を見てきました。日本一、タイトル獲得、サヨナラホームラン、2000安打。彼のひたむきでシュアなプレーを見るにつけ、「栗山巧がライオンズにいてくれてよかった」と幸福を噛み締めてきました。
 
ライオンズファンにとって栗山選手は単なる 一選手ではありません。長きに渡りライオンズの屋台骨を支えてきた主力であり、「ミスターレオ」と称されるライオンズの象徴であり、すべてのライオンズファンから愛され、最大限の敬意を寄せられるレジェンドです。
 
昨年11月、そんな栗山選手が「2026年をもって締めくくりのシーズンにする」と現役引退を発表、ファンに大きな衝撃を与えました。
 
それからおよそ9か月。「まだ先の話」と思っていたのも束の間、みるみるうちに時は過ぎ、ついにこの日がやってきてしまいました。

引退会見

8月30日、栗山選手引退試合の日。その日の午前9時、東京タワーにほど近いザ・プリンス パークタワー東京で球団初の選手個人のオフィシャルファンクラブ “ TEAM PR1DE ~栗山巧 OFFICIAL FANCLUB~ ” の会員630名を招いて引退会見が行われました。
 
普通ならばザワザワとざわめくイベント開始前の会場が、この日ばかりはピンと張り詰めたような空気に包まれ、厳かな静けさが漂っています。
 
「本日をもちまして、現役生活25年、ユニフォームを脱ぐという決意をしたことを皆さんにご報告したいと思います。25年間、応援ありがとうございました」
 
ネイビーのスーツに身を包んで登場した栗山選手の挨拶で会見が始まりました。
 

 
「いよいよこの日が来たという気持ちと、それでもまだ実感がないという、そういう気持ちが入り混じっています」
 
今季、ここまで一軍での出場機会は10試合にとどまり、多くの時間を二軍で過ごしてきました。それでも
 
「二軍で過ごした日々は学びが多く、一軍を目指す選手たちと一緒にプレーできたのは僕の財産になりました」
 
と、ポジティブに努力を重ねていました。そして
 
「今までやってきたことをプレーで出して、チームメイトやファンのみなさんにしっかり見てもらいたい。 楽しみにしてらっしゃる方もたくさんいると思うので、今できる最高のプレーを感謝の気持ちと共に出せたらいいなと思います」
 
そう引退試合にかける意気込みを語ってくれました。
 
緊張感の漂う中、一つ一つの質問に誠実に答える栗山選手ですが、得意のユーモアも忘れません。
 
「これまでのベストプレーは数多くて、これがベストっていうのはなかなか選べませんが、今シーズン、4月のエスコンフィールドでのセンター前ヒットと、やっぱりプロ入りして1本目のヒットですかね。まあ、一番は今日打つヒットになると思うんですけど」
 
とファンを沸かせれば、同期入団で同い年の中村剛也選手について
 
「当たり前にいる存在ではありますけど、特別なチームメイトだったと思います。(以前中村選手を『ツレ』と呼んでいましたが今は?と聞かれ)いや、思い浮かばないですね(笑)。……まぁでも、『ツレ』ですね(笑)」
 
とファンを笑わせ、会場をリラックスさせてくれました。
 

 
質問後、会見に駆けつけた渡辺久信前GMから田邊徳雄三軍野手コーチから花束とねぎらいの言葉を送られました。
 
渡辺前GM「栗山選手が試合の中で見せる冷静さ、 雰囲気、集中力、たまに見せる闘志溢れる姿。私は大好きでした。チームを鼓舞してくれる貴重な選手だったと思っております。これからもライオンズのため、そして後輩たちのために、『栗山イズム』を注入していってほしいな思います」
 
田邊コーチ「ファームで1年目から3年目ぐらいまでの毎日、バッティング練習を地道にコツコツと、こっちが『まいった!』と音を上げるくらい練習を重ねました。どうにか一軍に上がって活躍して欲しい、という一心で練習に付き合いました。最近では二軍にいることも多かったのですが、彼の練習姿勢は今でも何も変わらず、ファームにいる選手のお手本となってくれています。私はコーチとして最後の最後まで、栗山選手のプレーを見届けたいと思います」
 
プロ入り後の恩師と言うべき二人から熱いエールを送られた栗山選手が目を潤ませる場面も。若手の頃から今の「栗山巧」を作り上げることに尽力してくれた二人には、やはり深い思いがあったことでしょう。
 

 
会見を終えた栗山選手は、息つく暇もなく引退試合の行われるベルーナドームに向かいます。
 

引退試合

緊張感と静寂に包まれていた引退会見とは一転、ベルーナドームは熱く華やかな喧騒に沸いていました。17時から行われる楽天イーグルス戦。DH6番で栗山選手のスタメン出場がコールされると、スタンドからはなお一層の大歓声が上がります。
 

 
監督、コーチ、選手全員が栗山選手の背番号である「1」のユニフォームを身にまとって挑む一戦。どの選手も、いつにも増して気合いが入っているのが見て取れます。
 

 
試合は3点を先制しライオンズ有利に進みます。しかし栗山選手は第一打席から第三打席まで、いずれも相手の好守に阻まれヒットが出ません。
 
8回裏、ランナーが最低でも一人出なければ栗山選手の打順が回ってこない状況。スタンドが不安にざわめく中、長谷川信哉選手の大きな当たりは一度はファールと判定されるもリプレイ検証で判定が覆りホームランに。貴重な追加点と、なにより栗山選手に打席が回ることに沸き立つベルーナドーム。しかも栗山選手の前に中村剛也選手が代打に送られる、心憎い采配も。最後に素晴らしいシーンを見ることができた感激すると同時に、こんなシーンが見られるのもこれが最後かとの思いに胸が締め付けられます。
 

 
迎えた最終打席。鋭い当たりが二塁手の横を抜けセンター前に転がりました。通算2152安打目。有言実行の一本は、会見で述べた通り、本人にとって、またファンにとってもベストプレーと呼ぶに相応しい、心に残る一本になりました。

引退セレモニー

試合後のセレモニーに登場したのは、2007年から10年間共に戦った楽天イーグルスの岸孝之投手。チームメイトの炭谷銀二朗選手、中村剛也選手。そして、かつて「片栗中中」と呼ばれる強力打線を組んだ中島裕之さんと片岡保幸さん。さらにスペシャルゲストとして、一緒に自主トレを行った、日本のみならずメジャーのレジェンドでもある野茂英雄さんも栗山選手の25年間の労をねぎらいました。
 
誰の目にも涙が光っていました。先輩である野茂さんを除けば、みんな若い頃に青春を賭けて共に戦い、日本一を掴み取った「戦友」たち。一つの時代が区切りを迎えたといっても大げさではありません。栗山選手の引退に際して集まったメンバーに、懐かしさと、そして二度と帰らぬ「あの頃」に、得も言われぬ物悲しさを感じたファンも多かったのではないでしょうか。
 

 

 

 
「ライオンズファンのみなさん、 苦しい時も楽しい時も支えてくださって本当にありがとうございました。色々と温かい言葉をかけていただき、熱いまなざしを向けられ、その度にここで一本打ちたいと執念を燃やしてきました。寂さはありますけど、今ここにいる選手たちがこの寂しさを吹き飛ばすぐらい大活躍をして日本シリーズに連れて行ってくれると思います。
 
25年間ライオンズの栗山であり続けました。今も、これからも、ライオンズの栗山です。
 
25年間本当にありがとうございました」
 
ファン思いの栗山選手らしく、熱烈なファンが見守るレフトスタンドに向き直り、そう最後の挨拶を25年間の現役生活を締めくくりました。
 

 
場内を一周し、レフトスタンドの前で足を止めて自身の応援歌とチャンステーマ4の演奏に聞き入る栗山選手を見ながら、彼がファンからこんなにも愛される理由が改めて分かったような気がしました。
 
「今できる最高のプレーを感謝の気持ちとともに見せたい」
 
「その人が何を言いたいのか、どういう気持ちなのか汲み取るために、ファンと接する時はできるだけ目を見ています」
 
「ファンの方が球場に足を運んでくれて、名前を呼んでくれて、そういうのがすごく支えになりました」
 
「ライオンズが大好きですし、このライオンズのユニフォームを着てみなさんの前でプレーしたいという、その積み重ねが毎年あって、ここまで25年やれたと思います」
 
 
何度も何度もファンへの向けられた感謝と心遣い。ファンの目をしっかり見つめて話す栗山選手らしく、ファンへの現役最後の挨拶もレフトスタンドに向かって行う姿勢。このファンへの愛情や心遣いを受け取ったファンが、そのまま栗山選手にお返ししたものが、ライオンズファンの栗山選手への愛の正体なのではないか。私はそう感じています。
 

 
栗山選手がファンを思い、ファンもまた栗山選手を思う。こんな愛情の幸福な循環を経験できた我々ライオンズファンは、本当に幸せ者だと思います。
 
「現時点では未定」と今後の去就について語った栗山選手。しかしファンの望みは決まっています。遠くない日に、日本一に輝き胴上げされる栗山巧監督の姿を見ることです。
 

 
しかしともあれ、今は長きに渡る現役生活を心から労いたいと思います。
 
25年間ありがとう、栗山巧選手!
 


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浮間六太 Ukimarotta

埼玉西武ライオンズの試合をホーム、ビジター合わせて年間100試合以上生観戦するライオンズ熱愛者。この溢れるライオンズ愛をみなさんに無理矢理お裾分けすべく、思い入れと思い込み全開のライオンズ情報をお届けします!

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