柳瀬川・空堀川の自然を守ろう 「川づくり・清瀬の会」


所沢市と東京都清瀬市の県境にある「清瀬金山緑地公園」で清瀬市、多摩六都科学館などの協力で「川づくり・清瀬の会」が毎年恒例の外来種調査・外来種駆除活動を行いました。その様子と「川づくり・清瀬の会」の柳瀬川に関する活動についてお伝えします。
 

2020年10月20日取材 カケミヅ

 

【目次】
1.「川づくり・清瀬の会」が池の自然を守る理由
2.柳瀬川の外来種駆除の様子
3.特別賞を受賞
4.柳瀬川の生物調査・観察会の様子
5.柳瀬川の清掃活動の様子
6.「川づくり・清瀬の会」の会誌は清瀬市内各図書館で閲覧できます
7.「川づくり・清瀬の会」に参加しませんか?

 

1.「川づくり・清瀬の会」が池の自然を守る理由

「川づくり・清瀬の会」は所沢市を起点に清瀬市を流れる柳瀬川と、武蔵村山市を起点に清瀬市で柳瀬川に合流する空堀川の自然環境を守り、市民が古里の川として誇れる川づくりを目指す活動をしています。

 
生まれも育ちも高知市のワタクシ。田舎とはいえ実家のそばを流れる川は淀んでいてヘドロ臭く…、首都圏を流れる柳瀬川の美しさを初めて見た時はびっくりしました。こんなにきれいな川がそばにある生活って素晴らしいですね。
 

▲一級河川 柳瀬川
 
柳瀬川沿いにある清瀬金山緑地公園の中にある池は、人工で作られたもので、水が増えると排水口から柳瀬川に放流される仕組みになっています。
 

▲木の下に見えるのが排水口です。
 
この池に安易にブルーギルやブラックバスを放流する行為は柳瀬川の生態系を壊すことに繋がります。毎年10月、春に孵化した稚魚が2cmくらいに育つ頃に駆除が行われています。
 
魚類の専門家である荒幡経夫会長から注意事項や作戦が説明され、作業が始まりました。
 

2.外来種駆除の様子


▲なるべく沢山の魚を捕獲できるような作戦を練り、作業が始められました。
 

▲作業は人海戦術により「追い出し棒」を使って葦原から追い出しながら定置網へと追い込む方法。
 

▲他の団体が植物の外来種の駆除をされているのも見えました。
 

▲少しずつ追い込んで行きました。
 

▲定置ポイントを変え、計3回行われました。
 
作業は簡単なものではありません。ヘドロに足を取られて川に転倒された方もいました。
 
近所の方々も興味津々で集まって来られました。
今年は2月にも大掛かりな作業が行われました。外来種は例年と比べると少ないものの予想以上に多い83尾が確認されました。また例年より大きく成長しているのも確認できました。
 
近所の方から「水を抜いた時にヘドロも抜いて干せば全て駆除できたのでは?」と言う意見が聞こえました。
 
この日は植物の外来種駆除等の手入れをしている団体以外に、清掃活動をしている小学生もいました。
 
清瀬市立清瀬小学校、5年2組の生徒さん達でした。心ない人が捨てたゴミを拾い集めていたのです。担任の原田先生は「自然を取り戻す活動に熱心な子どもたちなんです。」とおっしゃっていました。

▲興味を持って集まって来た生徒達は、「外来種」について詳しく説明を聞いていました。
 
「川づくり・清瀬の会」の活動に興味を持って「是非参加をしたい」という生徒さんもいました。これからもこう言う方々の力で自然は守られていくのでしょうね。
 
多くの人々の協力によって自然を取り戻しつつある柳瀬川周辺。この金山緑地公園の池にも蛍やカワニナなどの生息が確認されていることもあり、今後も池のヘドロを干すような駆除をする予定はなく、地道な駆除活動をしていく予定だそうです。
 
また、外来種だからというだけでどう扱ってもいいわけではありません。生息が確認されても現段階で繁殖したり、生態系に悪い影響を及ぼすと考えにくいと、専門家である会長が判断したものは駆除の対象にはなりませんでした。
 
帰りにバス停で一緒になった高齢の女性が、「私も以前川づくりの会にいたんです。」とお話をしてくださいました。
 
柳瀬川は40〜50年前は臭くて汚い川だったと、川づくりの会をはじめ、多くの人々の手で少しずつ自然を取り戻して来たのだと。みんなが大切にしている川なのだと…。
 
この川が以前汚くて臭かったとは…。またまたびっくりしました。
 
「川づくり・清瀬の会」の長年にわたる河川水質向上と植生への貢献は、清瀬市から特別表彰されました。
 

3.特別賞を受賞


▲清瀬市市制施行50周年にあたり、特別表彰を受賞致しました。(写真提供:川づくり・清瀬の会)

「川づくり・清瀬の会が柳瀬川、空堀川の保全活動をする上で、会員の皆さん、市民の皆さんのご理解ご協力は不可欠です。日頃の活動へのご理解とご協力、心より感謝申し上げます。」(「川づくり・清瀬の会」Twitterより)

 
「川づくり・清瀬の会」の活動をいくつかご紹介します。
 

4.生物調査・観察会の様子

 

生物調査の前に約30分ほどゴミ拾い。

▲約1週間前にもゴミ拾いをしていたにもかかわらず大量のゴミ

 荒幡会長から、ゴミは川から海へ、世界へと流れて行くこと。深刻な問題である「海洋プラごみ」の説明を受けました。子どもたちはしっかり意識を持ってゴミ拾いに取り組んでいたそうです。
 

▲続いて川へ…
 

▲観察会では採取された水性生物について荒幡会長から貴重な説明を聞くことができます。(観察後は子どもたちの手で再び川へと帰されます。)

(写真:「川づくり・清瀬の会」提供。2020年9月13日撮影)

5.清掃活動の様子

 

▲清掃活動の様子
 

▲この日多かったのはバーベキューのゴミ。自然を楽しみに来て自然を汚していくとは…。罪深い行為ですよ!!
 
この日は清瀬市水と緑の環境課金子課長、いつも空堀川の清掃に参加されている写真家の増岡貴行さんの他、たまたま遊びに来ていた所沢市立柳瀬中学校、柳瀬小学校の生徒さん2人も参加されたそうです。会員の方だけではなく、心ある方々の手で川の美しさが取り戻されつつあるのですね。

(写真:「川づくり・清瀬の会」提供。2020年10月8日撮影)

6.「川づくり・清瀬の会」の会誌は清瀬市内各図書館で閲覧できます

 

「川づくり・清瀬の会」の会誌は、幹事の皆さんと手作業で、1冊1冊丁寧に製本されています。清瀬市内各図書館でも閲覧できますので、ぜひご覧になってください。
 

7.川づくり・清瀬の会」に参加しませんか?


▲「川づくり・清瀬の会」の皆様

「ゴミが無く、動植物にとり、そしてひとに優しい川にするべく活動を行っております。清瀬市、清瀬市近隣に在住在勤の皆さん、私たちと一緒に活動しましょう。国籍、年齢問わず、ご参加お待ちしております。」

 
皆様も柳瀬川、空堀川の自然を守る取り組みに参加されてはいかがでしょうか?
今までの取り組みや今後の活動についてはSNS等でご確認ください。

「川づくり・清瀬の会」
公式facebookページ
公式twitter
連絡先 090-8315-7388
「川づくり・清瀬の会」柳瀬 ゴローさんの公式ブログ
ラジオパーソナリティーでもある柳瀬 ゴローさんは折に触れ番組内で「所沢なび」をご紹介くださっています。ありがとうございます。


この記事を書いた人

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カケミヅ Kakemidu

高知で生まれ育って2018年に埼玉に引っ越してきました。所沢なびライターとしてふるさとの文化についてご紹介できるようになれればと思っています。趣味はiPadでイラストを描くことです。

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