桜の季節入間市アトリエ・アミーゴに春風一刀さんが舞い込んだ



▲春風一刀さん

2021年3月25日(木)、2回目の緊急事態宣言解除後の入間市文化創造アトリエ・アミーゴで、恒例の寄席が開かれました。
第35回アミーゴ楽笑寄席の様子を落語初心者ライターがブログ調でお伝えします。


 
先日ワイドショー番組でヒトの外見をからかったり心を傷つけるような発言をする行為が問題になったことについて、ある落語家さんが「実は落語の世界は一見アウトなんですよね…。」と言っていました。

けれど、数十年前のお笑いのネタが価値観の変化が起きて放送できないものがある中、落語は脈々と受け継がれている…そのことが心に引っかかったまま、会場であるアトリエホールに向かいました。

開場予定は13時半でしたが、今回も予定より15分遅い13時45分に変更されました。人が集まる状態をなるべく短くするためです。

待合室もありましたが、外を散歩してみました。

▲アトリエホール。サンシュユは満開になっていました。

桜、タンポポをはじめいろいろな花が咲いています。しかも…メジロやウグイスが気持ちよさそうにさえずっていました。


▲もうすっかり春。


▲第35回 アミーゴ楽笑寄席

一、金明竹 いっ休
一、粗忽長屋 一刀
一、竹の水仙 一刀

 

春風 一刀(はるかぜ いっとう)

芸歴
2013(平成25)年4月 春風亭一朝に入門
2014(平成26)年8月 前座となる 前座名「朝太郎」
2017(平成29)年11月 二ツ目昇進「春風一刀」と改名
出囃子
江戸独楽
 

春風亭 いっ休(しゅんぷうてい いっきゅう)

芸歴
2018(平成30)年2月 春風亭一之輔に入門
2019(令和元)年7月 前座となる 前座名「いっ休」

(2021年4月現在)

 

館長自慢のグレードアップとは?

席について正面を見るといつもと様子が違います。まずはわさびさん言うところの「枝」(わさびさんの独演会についてはこちらの記事でhttps://tokorozawanavi.com/event-kakemidu202102301/)。いつもよりずいぶん小ぶりで可愛らしかったです。桜は落葉時期以外に枝を切ったり折ったりするととても弱る可能性が高いので切ってはいけないそうです。

▲この組み合わせは「花より団子」!

お団子は、なんと紙粘土にお醤油をつけて焼いたオブジェだそうです。勿論食べられないのですが、お醤油のいい香りが漂ってほっこりしました。職員の方のアイデアだそうですよ。さすがアトリエ・アミーゴ!
そしてそして!アミーゴ楽笑寄席、35回目にして念願のリニューアル…金屏風が!今までの屏風もいいですが、金屏風も素敵ですね!この金屏風前にまず上がったのは…?
 

名前が先か?見た目が先か?いっ休さん


▲春風亭いっ休さん

「いっ休と名付けた時点で師匠はいじる気満々」と笑顔のいっ休さん。中学時代から脱毛症で、スキンヘッドをきめています。
いっ休さんがサクッと「あたしはこの姿に誇りを持っているんで。」と言うと、観客の方が「美しいです。」とささやいていました。

この記事でも是非いっ休さんの風貌とお名前は必ず覚えてくださいね。

そんないっ休さんが打った演目は…。

滑稽噺である『金明竹(きんめいちく)』。店の小僧と客のおかしなやり取りを描いた前半部および、小僧と店主の妻が上方者の難解な言葉に振り回される後半部の二部構成となっています。

前半部での「おかしなやりとり」では、店の小僧与太郎がちょっと個性的な解釈をする場面が繰り広げられます。例えば雨宿りにやって来た見知らぬ男が「軒を貸してくれ。」と言って来たことに対して、言葉通り軒を持っていかれると勘違いしたため、それはたまらんと思い、代わりにおじが最近買ったばかりの高級な傘を気前良く貸してしまったり…。ついに「もう、お前はバカなんだから!」と叱られてしまいます。(この辺りも「一見アウト」な部分かもしれません。でも誰かをバカにして笑うような単純な作りではないのです。)

この、とても個性的な解釈をする与太郎が店番をしているところになまりの強い客がやってきて早口に一気にまくしたてるからさあ大変(笑)。聞き慣れない言葉や言い回しを聞いて、与太郎の店番はどうなるか?

前半は狂言の『骨皮』。後半は初代林家正蔵が1834年に出版した落語集の中の作品がもとになっているそうです。
 

一刀だからしんけんです~春風 一刀さん~


▲春風一刀さん
まず一刀さんの「日本で一番好きな場所」のお話でした。「入間です。」との答えに一同「はいはいはい。」「口がうまいわねえ。」と言う雰囲気になってしまいました。(笑)
「いや、ほんと、ほんとなんですよ。まず…人が優しい。」とおっしゃっても、入間の皆さんは「はいはいはーい。」と本気にされません(笑)。

でも、きっと一刀さんはかなり本気だったと私は思います。例えば「笑いのセンス」を誇っているような地域で「人が優しい」なんて褒めると、しらけそう…。まるっきり嘘を言うわけがないです。それに、四国で40年以上過ごし、学生時代を関西で過ごした私の感想も、入間の印象と言えば「人が優しい」なので、このシーンでは一刀さんの肩を持ちたい気持ちでいっぱいでした。

「人が優しい」は聞き流した入間の皆さんでしたが、一刀さんの入間が好きな理由二番目。「お茶が美味しい!」には、納得されていました。入間は「味は狭山でとどめさす」と言われる狭山茶の主産地。狭山茶の美味しさは誰もが認めているところ。…だから!…一刀さんは決して適当なこと言ったわけではないと、私は信じているのです。

さてそんな一刀さんが打ったのは…。

『粗忽長屋』身元不明の行き倒れが出た現場にでくわした八五郎、身元不明の死体を知り合いの「熊五郎」だと言い張ります。周りの人は人違いだと言うのですが、八五郎は確かめるために「(目の前の死体であるはずの熊五郎)本人を連れてくる。」と言いはじめたのです。もう、ここからがなぞなぞワールド。…しかも八五郎についてきた熊五郎が、その死体を自分だと認めたものだからさあ大変。

先程の『金明竹』と合わせて、今回は「とても個性的な解釈をする登場人物」の組み合わせか?と一瞬思いました。不思議に満ち溢れた世界観。ところが…これがねえ、全く違う種類のものでした。私の個人的な感想としては、上質な短編小説を読み終わった充足感に満たされたように感じました。

この2つを一緒に観られてよかったです。

ここで仲入り。アトリエ・アミーゴ内で行われているイベントをご紹介します。


 

入間市アトリエ・アミーゴこいのぼりアート


みなさん、こいのぼりって作ったことありますか?私は幼少期に小さい手で一生懸命クレヨンを握って、紙のこいのぼりの塗り絵を塗りつぶしていった記憶があります。確か終わりの方は力尽きて雑に塗ったような…。塗り絵がこいのぼりの形になり、風に揺れるのを見てワクワクしたものです。

そんな私が数十年ぶりにこのワクワク体験を味わうことができました。アトリエ・アミーゴのこいのぼりアートに応募してみたからです。

仲入りで、自分のこいのぼりを探しに行ってみました。


▲風に吹かれる姿が可愛いです。大人になってこんな思いを味わえるとは…。
興味のある方、是非挑戦されてはいかがでしょうか?こちらは2021年4月30日までの募集です。(詳細はこちらで▷https://i-amigo.net/koinobori.html


 
さて、仲入り後…。

一刀さんがちょっと不審な動きをしたので心配になりました。一体何があったのでしょう?「実は…よせばいいのにさっきお弁当を食べてしまいまして…。」一刀さんが我慢できないほどの美味しいお弁当が用意されていたのでしょうね?

それにしてもこれは要注意です。実は私もこの日後悔していました。落語会は14時開演だと言うのに…やらかしていたのです。お腹いっぱいにお昼ご飯を食べた日の14時…。私のような観劇初心者の方、食事のタイミングと量は気をつけてくださいね。

『竹の水仙』ある宿場町の旅籠に一人の客が泊まっているのですが、一銭も払わずに酒を飲んだくれるばかり。勘定を催促すると、一文無しであることが判明。どうするつもりかと怒ったところ、竹で水仙のつぼみを作り、「これが売れたらそのお金で宿代を支払う」と言うのです。この竹の水仙、活けてある竹筒に水が入っているので、水分がいい具合に竹の水仙に浸透すると花が咲く仕掛け。ちょうど花が咲いたところに細川越中守の大名行列が通りかかり、竹の水仙に心奪われ、値段のやりとりが始まります…。

「お弁当を食べる時間を間違った」と後悔していた一刀さんでしたが落語が始まるとそんな片鱗を見せることはなく、眠気が来たらどうしようと言う私の心配を一刀両断!

竹の水仙ってどんなものなんだろう?とか、この話って実話なの?とワクワクしながら世界観に引き込まれ、えーーー!と言うオチに。

終わるとアトリエ・アミーゴの水村館長が「いい話でしょう?『竹の水仙』。私、大好きなんです。」と言いながら登場されました。

そして、いっ休さんも呼ばれました。
 

落語家になったわけ

水村館長がお二方に落語家になった経緯を尋ねました。
一刀さんはフリーターやニートの期間があったそうですが、落語家になった友人を見て、自分も、と思い落語の道に入ったそうです。

いっ休さんは動物が好きだったので、研究するべく、勉強して京都大学に入ったそうです。ところが、いっ休さんにとっては動物が好きと言うことと研究することは違うと感じ、落語研究会に入っていたこともあって、落語の道に進むことに決めたそうです。

落語の世界も深いですが、落語家さんのそれぞれの思いを聞くのも、とても勉強になります。

▲ポカポカの暖かい日差しで桜がどんどん咲いていきました。

次回はどんな世界に連れて行かれるのか、とても楽しみなアミーゴ楽笑寄席です。
詳しい開催状況はHPなどでご確認ください。

入間市文化創造アトリエ・アミーゴ
【住所】埼玉県入間市仏子766−1
【電話】04−2931−3500
【ホームページ】https://i-amigo.net/index.html
faceboookはこちらをご覧ください。



記事の執筆者プロフィール

カケミヅ KakemiduPRO
高知で生まれ育って2018年に埼玉に引っ越してきました。所沢なびライターとしてふるさとの文化についてご紹介できるようになれればと思っています。趣味はiPadでイラストを描くことです。

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