こだわりの素材で作る至極の一杯 所沢の地で長く愛される店でありたい〜自家製手もみ麺鈴ノ木〜



西武池袋線狭山ヶ丘駅からすぐの静かな住宅街に凛と佇む「自家製手もみ麺鈴ノ木」は、2018年のオープン以来、客足が途絶えることのない人気のお店です。
 
店主の鈴木さんは権威あるラーメン専門誌で数々の賞に輝いてもなお、自分がこれだと信じるラーメンに向き合い、付加価値の高い一杯を日々作りだしています。夫婦二人三脚、お客さまに「また来たい」と思ってもらえるような質とサービスで、この地で長く愛されるお店づくりをめざしています。
 

心地よい雰囲気

 
7月の週末にワクワクする初めての訪問。14時半頃に到着し、表の記帳台に名前と人数を書いて待ちます。記帳制は、列に並ぶ必要がないので、炎天下や悪天候でも心配ありません。待ち時間の目処を立て、近所を散歩するもよし、買い物するもよし、近所なら一度家に帰って時間を潰すこともできるため、小さい子どもと一緒でも安心です。昼のピーク時間を過ぎているせいか、ほどんど待たずに冷房のきいた中の待ち合いスペースに通され、食券を購入しました。
 

 
店内はカウンター7席と、ラーメン店には珍しい半個室でゆったり4名が座れるテーブル席があります。ベビーカーも余裕で入れる広さのテーブル席は子ども連れに配慮した設計になっているんですね。
 

テーブル席の本棚には、雑誌とともに絵本も置かれています
 
ラーメン店は、慣れない人にはハードルが高く、私もしばしば緊張するのですが、ここは「ウェルカム」な雰囲気があり、安心して入店できる印象です。
 

これが、自家製手もみ麺!

 
さて、いよいよラーメンの登場です。私はトッピングがすべて入った醤油特製ラーメンをチョイスしました。
 

醤油特製ラーメン(1350円)
 
ご覧ください、これが鈴ノ木の代名詞ともいえる自家製手もみ麺。
 

 
平打ちのランダムなちぢれ具合い。スープが絡み、すすった時のチュルンと踊るような食感がたまりません。機械でちぢれさせるのではなく、一つ一つ丁寧に手揉みするからこそ、このように麺の表情が豊かになるんですね。
 
麺の材料となる粉は、店主の出身地でもある幸手市(埼玉県)の「前田食品」さんのもの。昨年「鈴ノ木」オリジナルの専用粉が完成し、国内産(埼玉、愛知、北海道)の三種の小麦粉がブレンドされているそうです。
 

 
粉の袋にも大きく描かれて鈴の木ロゴには、力強い両こぶしが描かれ、ちぢれた麺が根や枝、葉へと架空の『鈴ノ木』という木全体に伸びていて、一杯一杯を丁寧に作りたいという想いが込められていると伺いました。理念を体現している素敵なデザインですね。
 
鈴ノ木の麺は、東北の喜多方などで親しまれている多加水麺。文字どおり粉に対して水の配合率が高く、つややかでもちもちとした食感が特長です。温度や湿度にあわせ、水や塩の量を微妙に調整して生地をこねあげる工程は難しく、今も最高の麺を求めて日々研究しているそうです。
 

 

一食の価値あり!のスープ

 
雑味のない、澄んだ味。難しいことは分からなくても、どこか安心するような優しさを感じます。
素材は、創業時から使っている『山水地鶏』に鹿児島の黒さつま鶏『黒王』、そして鳥取『大山どり』という、3種のブランド鶏と昆布のみ。香味野菜などは入れず、これだけシンプルな材料で勝負できるということは、素材の質に加えて丁寧な処理がされている証拠ですね。
 

塩特製ラーメン(1350円)
 
これは、一見ならぬ一食の価値ありのスープです。化学調味料はもちろん入っていません。はじめに感じた優しさは、体への優しさだったのかもしれません。
 

憧れの肉や卵のトッピング


 
どんぶりの表面に並ぶチャーシューを見て、同じ肉ではないことに気づきます。
特製ラーメンのチャーシューは3種類。
一番右が大山鶏のチャーシュー。低温調理(60度で1時間)することで、パサつきがちな胸肉もしっとりジューシーに仕上がるのです。お隣が煮豚。三元豚のバラ肉を使用。口の中でホロっと溶けるようなやわらかさです。
 
そして一番左が、加須市(埼玉県)にある「松村牧場の香り豚」の肩ロースを使ったチャーシュー。こちらも65度で6時間の低温調理。熱が入りすぎると硬くなってしまう肩ロースを安全かつ最高においしく提供するぎりぎりの線を追求しています。
 
この香り豚のチャーシューは、薄くスライスされ、ローストポーク丼に。
 

名古屋コーチン卵黄付きローストポーク丼(450円)
 
上に乗っている卵はなんと名古屋コーチン。この黄金色に輝く黄身に、ごま油の風味とスパイスの効いた肉を絡めたら、ご飯が進むこと間違いなし!(ビールも進みそう)
お腹いっぱいで食べられるかな、なんて心配は杞憂に終わりました。
 
ラーメンの味玉も名古屋コーチン。小ぶりな卵ながら、黄身が濃くて大きいのが特長です。
 

味玉好きにはたまりません!
 
どんぶり一杯に、材料へのこだわりがどれだけ入っているんでしょう。原価が相当高くなるのでは、と心配になるほどです。
 
店主が選び抜いた食材と、妥協のない作り方で提供されるラーメンを求めて、人は引き寄せられるんですね。連日客足が絶えない理由もわかりました。所沢が誇るラーメン店ここにあり。私も一気にファンになりました。
 
最後に、大切にしていることやお店の今後についてうかがいました。
「この秋で5周年。ありがたいことに、多くのお客さまに認知されて支えられてきました。これからも夫婦二人でこの地で長く愛される店をめざしてがんばります」
現在の営業スタイルが、二人にとってバランスも良く、2号店などの店舗拡大も考えていないそうです。自分が好きだから作り続けていきたい「手もみ麺」。無限の可能性を秘めていると信じてやみません。
 
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【お店情報】
店名:自家製手もみ麺 鈴ノ木
場所:埼玉県所沢市狭山ヶ丘1-3003-83
電話:04-2907-7967
最寄り駅:西武池袋線 狭山ヶ丘駅徒歩1分
定休日:火曜、水曜日
営業時間:11:30〜15:00 ※夜の営業はありません
公式ツイッター:https://twitter.com/suzunoki0802


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